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地声が出やすくなった

ボイトレをしていると、必ずしも課題をクリアして、次の段階に進んでいくとは限らない。逆に言うと、ある程度クリアできたかな・・・というくらいで、次のテーマ曲に移ることの方が多い。

トレーナーさんが、次にいきましょうとはっきり言うわけではないのだが、課題が多いと、まず次に行こうとは言わない。(声、喉)調子はどうですか、と聞いてきて、まずは発声練習からという流れで進む。
それが、ある程度クリアできて、次にいってもいいかなという雰囲気になると、今日はどうしますか、何を歌いますか、(前回の)歌いますかと、選択肢を、こっちに委ねてくれる。
そのときは、まだこれが歌いたいというのが、決まっていないで、戸惑うことが多いのだが、この人の歌を歌いたいというのは、決まっている。

女性だと、大橋純子さんや竹内まりやさん、男性だと井上陽水さん、安全地帯、星野源さん、スピッツあたりの楽曲が好きで、歌ってみたいなと思う。
その中でも、星野源さんがずっと好きだったので、この数年、星野源さんの曲ばかりに挑戦してきた。

それがこの間、喜劇を歌ったあとあたりから、女性シンガーの曲を歌ってみたいという気持ちになって、竹内まりやさんの名前を出したところ、「駅」はどうですかと言われ、そのまま駅を歌うことになった。
女性としては、低めのキーと言うこともあり、そのままのキーで歌うことになったが、それがよかったのか、今までの地声で歌っていた感覚よりも、楽に声が出るような気がして、ちょっと嬉しかった。
それだけではない。今までとは違う、声の出し方を教えてもらえるようになったのだった。

まずは、地声のパワフルなところから、裏声の領域までを、手の動きで実践していく。頭で考えたり想像したりするより、体感で覚える方がずっとわかりやすい。まるで、自分の腕をレバーのように90度動かしていく。水平は一番強い地声、垂直から少し反った位置が裏声。その中間地点あたりが、ちょうどいい地声となる。
これを何度も練習していくうちに、地声の出し方がわかったきた。
以前は、強い地声が地声なのだと思い込んでいて、結構、無理に声を出していた。無理に出せないところは、急に裏声になったりして、その声の切り替え方に苦労していた。なのに、この腕のレバーを覚えて、ちょうどいい地声とは、どういう地声かが、体感としてわかり始めてから、無理に声を強くしなくてもいいのだと気がついた。

気がついてから「駅」を歌ってみた。
すると、初めて自然でいいと言ってもらえた。
今までの歌い方が、いかに無理をしていたのかが、やっとわかった。
もちろん、強く歌う必要のあるところはあるし、もっともっと課題はある。ただ「これでいいんだな」と思えたのは、これが初めてだった。

歌は頭で理解することはできない。
声帯や喉、身体機能や感覚を、一つずつ身体で理解し覚えていかなくてはいけない。
一度覚えても、すぐ忘れてしまう。何度か覚えなおして、やっと身体が、これはこうだねと、理解する。

音域や、歌い方のせいなのかもしれない。
詳しいことはわからないけれど、「駅」を歌ったことで、自分の声の幅が変わったような気がする。
前は出なかった声が出るようになり、楽に出せるようになった。
何が原因かはわからない。が、確かに変わった気がする。
この感覚を、大事に忘れないようにしていきたい。




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