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声の病院・ボイスクリニック

 先日、新宿にある、声の専門病院に行ってきました。
 今年の一月に、亜急性甲状腺炎に罹り、今も大学病院に通院しているのですが、初めは微熱があって、喉の調子がちょっとおかしいな程度でした。
 近くの耳鼻科で診てもらっても、声帯や喉には問題がないといわれ、でもやっぱりおかしいと、かかりつけの大学病院の総合診療科で話をしたところ、もしかして甲状腺に問題があるかもと、血液検査を受けました。
 結果が分かるのは、一週間後と予約を入れて帰宅。

 すると翌朝、9時前に病院から電話があり「やはり甲状腺に異常が見られます。今日、これから来院できますか。」と言われ、これはすぐに行った方がよさそうと、取るものも取り敢えず行ったところ、担当医から「内分泌科に行ってください」と紹介状をもらいました。
 内分泌科に行くと、すぐに超音波検査室へと誘導され、薄暗い部屋へ。そこで、しばらく検査を受け、その場で亜急性甲状腺炎にかかっている事が判明。そこから投薬治療が始まりました。
 診察日には、必ず血液検査を受けてから診察を受けるというのが、この病気の特徴。コロナ感染を心配する中、毎月診察を受けざるを得ない状況に置かれたのも、今考えると、怖かったなと思いますが、仕方ありません。そういう状況に置かれるのも、その人が持つ運気のようなものなのでしょう。

亜急性甲状腺炎と診断されてから、調べてみると、甲状腺ホルモンが異常に出ることから、常に運動をしているような状況になり、心臓に負担がかかるという記載を見つけ、ああ、と納得。というのも、近くのバス停に行くのに、たまたまバスが待っていたりすると、大体はみなさん、間に合うように走りますよね。私も以前は、そうしてギリギリ間に合って乗ったことが何度もありました。でも、気づくと待ったく走れなくなっていのです。ちょっと小走りしても、心臓のあたりが痛くなって、もうこれ以上は無理と、身体が悲鳴を上げるのです。とにかく疲れやすて、心臓が痛い感じ、がずっと長く続いていたのです。それを担当医に話すと、診断前からそんな症状が出るのは、おかしい、気のせいと受け取られたようですが、結局最後には、それも当然という結果になることを、その時点ではわかりませんでした。

薬を飲んでも、思ったより数値が改善しなくて、甲状腺ホルモンの代わりに、脳内ホルモンが出ている状態が、結構長く続きました。
担当医の話によると、この場合、脳内ホルモンは「働けー!!!」と言っているようなものだそうで、「決して、無理しないように、のんびり、ゆったり過ごしてください」と、繰り返し言われました。
元来、色々としたい人間、動かないとストレスがたまるタイプの私には、苦しい毎日ではありましたが、コロナ禍でもあり、みんなが自粛を強いられているという現実を突きつけられて、仕方がないか〜と逆に、のんびりを決め込んで乗り越えたように思います。

 確か、5月か、6月になった頃でした。
 突然、それまでなんともなかった声が、急にかすれるようになってきたのです。特に、朝、起きた時から昼頃までが酷くかすれて、全然聞こえないと言われることもしばしば。意識して大きな声を出さないといけなくなり、どうなるんだろう…と不安な毎日が始りました。

 ネットで亜急性甲状腺炎を調べてみると、症状の一つとして、声のかすれというのを見つけ、ありがちなのだとちょっとだけホッとしながら、もし、このまま治らなかったらどうしようとの不安も、同時に抱えることに。
 せっかく、去年の夏から始めたボイトレも、できなくなるのかなと正直、気落ちした毎日を過ごしました。

 幸いにも、10月になったあたりから、少しずつ、声のかすれが軽くなってきたような感覚があり、朝の会話も比較的スムーズにいくようになり、そろそろボイトレを始めようかなという気分にもなってきて…
 ただ、このままボイトレを開始しても、いいのか、声帯に問題はないのかが、気がかりです。
 まだ、始めるには早いのか、そもそもしないほうがいいのか…と、いろいろ悩んだ挙句、何かで読んだ、甲状腺炎になった歌うことを専門にしている女性が、声の専門の病院で診てもらい、今も、今後も歌うのには問題がないと言われた話を思い出し、早速、ネットで検索してみました。ありました!しかも新宿です。

 ということで、診てもらいに行ったというわけです。

 クリニックでは、診察を受ける前に、まずはいくつかの検査を受けました。声がどのくらい続くか、空気漏れがないかとか etc
 感染対策をとりながらの検査は、神経を使います。ドアを開けながらできる検査、できない検査いろいろあるなぁと思いながら、スムーズに終了。あとは診察を待つだけです。
 しばらくして、名前を呼ばれ、診察室へ。

 最初に聞かれたのは、「おしゃべりしてる?歌ってる?」という問い。
 コロナ禍以降、ほとんど友人と会って話すことはなくなりましたし、せいぜいリモートで、仲間内でのディスカッションをするくらい。家族は高齢者なので、話す事もなく。気づけば、お喋りしない日が、ほとんどだったなぁと。

 あれだけ好きな歌うことも、甲状腺炎になってからと言うもの、声が出にくく歌うこともままならない毎日でした。やっと、この2ヶ月くらいから声が出るようになってきて、それでもやはり、声を出すことに躊躇はありました。声帯を傷めてしまうのではないか、ダメにしてしまうのではないか…ついそんなことを思って、声を出すことも怖くなっていたのです。

 喉にマイクロスコープを入れて、映像を見せてもらいながら、先生の話を聞いたのですが、結論から言うと、どんどん歌いなさいということでした。
 ずっとおしゃべりをしない生活、歌わない生活を続けてきたせいで、すっかり声帯の筋力が低下してしまったのだそうです。
 声が続く時間は、一般の平均の半分になり、声を出した時の、空気漏れが一般の平均の2倍になっていると、指摘を受けました。11ヶ月あまり声を出すことを控えていただけで、こんなにも衰えてしまうのだと、愕然としてしまいました。
 ただ、幸いにもちゃんと声を出したり、歌ったりすることを続けていると、2ヶ月ほどで元の状態に戻る可能性があるのだそうです。
 最後に先生から、「どんどん歌ってください、ボイトレもいいですよ」と言われ安堵。これでボイトレ再開のお墨付きをもらうことができました。さらにもし、二ヶ月くらい経っても元の声に回復しないようでしたら、また連絡してくださいとも言ってもらいました。
 このクリニックでは、独自のボイトレをしているらしく、効果的な指導をしてくれると言うことでした。

 待合室に戻ると、結構な数の患者さんが待っていました。
  おそらく、私と同じように声に不安を抱えていたり、疾患を持っている人たちが、1日も早い回復を目指して、診てもらいに来たり、通院してトレーニングをしているのでしょう。

 診察しながら、先生が「これは普通の耳鼻科ではわからないよ」と言われたときは、なるほどそう言うことなのね、だから大学病院の耳鼻科で診てもらったのに、全く異常なしと言われてしまったのも当然なのだと納得しました。

 餅は餅屋と言われるように、声という繊細な器官は、やはり声専門のお医者さんに診てもらうのが、一番のようです。
 今は毎日、パソコンのカラオケを使って歌ったり、発生練習をしています。
 そのおかげか、少しずつ、声も出るようになって、歌も歌えるようになってきています。本格的なボイトレも、来月には再開出来そう。
 今年できなかった歌、音楽をやっていきたい。それが2021年の目標となりました

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