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偶然がもたらすサプライズ

今日はまた偶然のお話に戻ります。

今、私は福岡の宗像に来ています。

朝一番の飛行機に乗り、成田から福岡へ、
そして宗像大社へ参拝してきました。

宗像大社へは、東郷駅から路線バスで向かいます。

バスへ乗る直前に、小さい男の子を連れた3人家族がいらっしゃって、
あれ?このご家族はもしや・・・?
という憶測が脳裏をよぎりました。

でも今は、マスクをしているということもあり、
その場では断定できなかったのですが、
バスが来て、そのご家族の斜め後ろに座り、
見るともなく、その人の麦わら帽子などを眺めていたら、
おそらく…という憶測が、ほぼ間違いなく、
ご本人だろうな、という確信に変わり、
宗像大社で降りたら、声をかけようと思っていました。

しかし、宗像大社前のバス停で、
彼らは降りる気配がなく、
(このバスに乗っていたほかの人たちはみな、
 宗像大社前で降りました)
もちろん私も降りなくてはならないので、
でも、せっかく、こんなところで遭遇したのも
何かのご縁なので、
降りるときに思い切って声をかけました。

「中川たくまさんですよね?」

「はい?!」

「お話したいのですが・・・・降ります!」

と、ドタバタな感じで、
私はバスを降りました。

あぁ・・・
東京で、もしお会いしたなら、バスなんて降りずに、
お話をしたい方でした。

中川たくまさん。

福岡でブルームーンというデザイン事務所をされています。

中川たくまさんとは、さかのぼること2014年の1月に
西村佳哲さんが多摩美で開催された、
プレデザイン公開講座で
エフスタイルのお二人とともに
ゲストとして登壇され、お話をされていました。

私はその当時、bluehourという名前で活動していて、
(その話は今度に譲ります)
blueという色に惹かれていたこともあったし、
何かをネットサーフィンしているときに、
たまたま見つけたのが、
Bluemoonという中川さんたちのブログでした。

今はもうそのブログはないのですが、
そのブログが更新されるたびに、
そのブログのページを開くたびに、
そこにある世界に、いつも、いつも、
心が洗われるような清々しさと
心が震えるような、
ずっと見ていたい美しさと心地よさがある、
そんな場所だったんです。

福岡にお住まいなのもブログから
うかがい知ることができました。

福岡に行くことなんて、その当時の私はなかったので、
ネット上で繋がっている、というか
一方的にこちらが見ている、
そんな存在の人でした。

ところが、twitterで西村佳哲さんが、
その公開講座で中川さんをお呼びするという情報を見て、
これはもう絶対に行きたい!ご本人に逢いたい!
そんな一心で参加したのが、そのプレデザイン公開講座でした。

その時、最後の質疑応答で、
私は思い切って手を上げ、
お話の中に出てきた宮本常一さんのことを質問しました。
(何を質問したか忘れてしまいましたが…)

その夜、帰ってから中川さんにメールを送り、
ずっとブログを読んでいたことを伝え、
中川さんからもお返事をいただきました。

当時、中川たくまさんの奥さまであるなつきさんは、
帽子を作られていたり、活版印刷で「物語のあるブックジャケット」を
販売されていて、購入したこともあります。

そのブックジャケットには、

宮沢賢治の
「ぼくはきっとできると思う。
 なぜならぼくらがそれをいま
 かんがえているのだから」

という言葉が印刷されたものでした。

その時以来の、中川たくまさんです。

ホームページも変えられ、
デザイン事務所として成長され、
お仕事メインのホームページになりました。

その後、彼のこともそんなに追わず、
私自身、ここ数年、福岡へ来ることがあっても、
中川さんのことなんて、実は思い出しもしませんでした。

なのに、今日、ひょんなことから、ばったり遭遇し・・・

今回の福岡への旅路も、
日にちを一日後ろ倒しに変更した経緯がありました。

しかも、成田からの飛行機が予定より30分遅れて到着。
そこからの、宗像大社へ。

日程変更がなければ、当然、お会いしていないですし、
飛行機が30分遅れず、定刻に到着していれば、
おそらく、もっと早い時刻のバスに乗っていたはずです。

この偶然て、一体なんだろう。。

中川さんに遭遇するために、
福岡へ来る日程が変更され、
飛行機が30分遅れたかのような・・・。
まぁそんなわけはないのですが。笑

結局、お話はできていませんが、
それでも、今回、中川さんのご家族に遭遇したことは、
素晴らしい宗像大社に参拝したことよりも、
私にとって、この旅の一番のホットトピックになっています。

人との出会い。
人と出会うこと。
それが何より、私にとっては大切なことかもしれない。

そして、思うのだけれど、
「偶然」のできごとに遭遇するということは、
やっぱり、とにかく、自分が動いているということ。

まず、自分が動かないといけないし、
動いた先で、
想像もしてなかった偶然にうっかり出くわすことがある。

偶然はない、すべては必然。
と思っているけれど、
今回の中川たくまさんと、偶然に遭遇したことは、
今のところ、偶然にとどまっています。

余談ですが、中川さんに声をかけてバスを降り、
宗像大社を参拝して、
(奥にあった高宮祭場がとても神聖な場所で感動)

お腹が空いたのと、バスまでに時間がけっこうあったので、
(約1時間に1本のペース)
スマホの地図をパッと見たら、cafeが近くにあったので、
ふらりと立ち寄りました。

そこで、出てきたお料理は、
味はもちろん、器も、盛り付けも、そしてパンも、
なんなの?このクオリティの高さは?!
と、驚いてしまうくらい素晴らしいもので、
感動しながら、本当においしくいただきました。

なぜだか、幸せに満ちたこの時間。

偶然がもたらす、このサプライズな感じ。

出かけると、やっぱり「おもしろいこと」に遭遇する。

それが、ただただ、私は楽しい。

宗像大社 辺津宮
高宮祭場

【高宮祭場】
沖ノ島と並び宗像大社境内で最も神聖な場所の一つです。
神社に社殿が構築される以前の祭祀形態である、神籬(樹木)の祭場です。
岩や木々など自然をはじめとする万物に神々が宿るという新道の根源である自然崇拝を今に伝える、全国でも稀な古代祭場です。

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