歌ってみたとかの機材選びって大事だねって話
歌ってみたをやってみたい皆様。
配信活動をやってみたい皆様。
現在活動している皆様。
「機材って何がいいの?」
その「はじめて」の時に色々話を聞いたり調べたりして、よく出てくる組み合わせがあると思うんです。
それが
コンデンサーマイク
オーディオテクニカ AT2020
オーディオインターフェース
YAMAHA AG03
この組み合わせ。
今回はこの機材が良いの?悪いの?どっちなんだい!
を書いていくよ。
長いから目次を参考にしてねぇ!!
1.AT2020は安価で使いやすいトーク用マイク
歌ってみたや配信の機材を調べると、記事やお話でよく出てくる
オーテクのAT2020
こいつは使えるマイクなのか??
実はこのマイク、ちょいと独特な特性を持っています。
その特性とは、録り音が
「声の中心付近がドーナツ状に盛り上がり、音が太く聞こえる」
と言うモノ。
実際に聞いてわかるほどの特性ではないんだけど、それでも原音に忠実(生の声を録音できるという意味)かと言うと、実はちょっと違う。
もちろん安価でスタジオ品質を実現したエントリークラス(初心者も手を出しやすい価格帯のクラス)であることに変わりはなく、個体差はあれど割と壊れにくい堅牢なATシリーズではあるんだけど、その音の「特性」を考えると…
「歌ってみたやりたいの?AT2020がおすすめだよ!!」
とはちょっと言いづらい。
それはなんで?というと…
歌ってみたで必要なボーカルは、声の芯(エッジ)が立った場合、その芯がしっかりと細く聞こえ、それに付加される響きがどれくらい広がっているかが分かりやすい音源が理想なの。
ところがAT2020は、声の芯の細さは捉えられても、その響きが聞きやすいように盛り上がる味付けが為されている。
こうなると、MIXの際「どんな表現をしたいのかな?」と聞き取ろうとした際、邪魔になってしまうことがほとんど。
じゃあその膨らんだ部分を削れば元の音になるね!
と考えられるんだけど、ことはそう簡単じゃないんだ。
その人の元の声がどんな声なのか、直接会って話したことがあればいいんだけど、大抵は「お願いします」とボーカル音源を投げられるだけ。
そうなると、元がわからない以上どれだけ削ればいいかが分からないし、何より削ったところで元の声に近づくだけで、手を加える労力をかけてもやりたかった表現が失われる確率の方が高い。
そんなわけで、歌ってみたを始めたい人にはAT2020を含むATシリーズはちょっとおすすめしづらいマイクなんだね。
かと言って、悪いマイクなのか?というと、決して悪いマイクではない。
声が太く聞こえると言うことは、聞き取りやすくなるという強みがあるので、配信でゲーム実況をしたい、ゲーム実況の動画を作るためのマイクが欲しい、と言う人にはこんなに安くていいマイクはないと言うほどおすすめ。
まさにエントリークラス代表に相応しいマイクなんだね。
配信で雑談やゲーム実況を主軸にして、たまに歌枠や歌ってみたをやるけど、歌はそこまで力を入れる予定はないかな〜? と言う人にはおすすめの逸品。
要は話し声を受けとるのに向いているマイクで、歌を録るならあと3,000円くらいプラスすればもっといい選択肢があるよ!
ということなんだぁね。
2.配信者におすすめウェブキャスティングミキサー『AG03』
オーディオインターフェースはよく聞くけど、ウェブキャスティングミキサーってなんぞや??という人は少なくないと思う。
ウェブキャスティングミキサーとは、配信に必要な最低限の機能を手元でコントロールできて便利〜!しかもインターフェースの機能もあるよ!
というもの。
簡単に言うとそんな感じ。
具体的には
パソコンにマイクを繋ぐインターフェース
大きな声と小さな声の聞こえの差を解消してくれるコンプレッサー
歌枠の時に必要なリバーブ
声を聞きやすくするためのイコライザー
と言ったものが簡易的ではあるけどこれひとつに集約されている機材。
そりゃ人気になりますわ。
だってそれぞれの機能を求めて別々に買い足していったら、それだけで数万円が旅立つもの。
そんないい機材買わない手はないよね!!
でもちょっと待って
あなたはこのAG03を
配信のために買いたいの?
歌ってみたを作るために買いたいの?
AG03は、この目的によって性能を発揮できるかどうかが違うんだ。
この項ではそれを詳しくみていこうね。
まず、AGシリーズ(03,06)はマイクプリアンプが弱い。
このマイクプリアンプというもの。
コンデンサマイクを使用する時、コンデンサマイクが音を拾ってみんなに届ける状態にする部品なんだ。
ちょっと調べた人はわかると思うけど、コンデンサマイクを使うにはファンタム電源というものが必要になる。
これで通電させコンデンサマイクを使える状態にするのがマイクプリアンプ。
じゃあどんなふうに弱いの?
これがちょっと特殊で、声の芯の周りがドーナツ状に奥まったような音になる。
正直、配信で聴く分には問題なく気にならないくらい。
ところが、歌ってみたでボーカルを録音する時には、声の表現に必要な成分として大事なところが弱くなってしまう。
実はAGシリーズはMarkIIという後継機種が発売されているんだけど、それも同じような特性がある。
あんまり気にしない人には問題ないくらいだけど、「歌ってみたに力を入れたいんだ!」という人にはこの些細な「聞こえない」が致命的になる事がある。
これもATシリーズと同じく、配信を主軸にして歌ってみたを時々出してみようかな、という人にはおすすめできる機材。
だけど、歌ってみたを主軸にしたい人には「もっといい選択肢があるよ!」という事になる機材だね。
3.ATシリーズとAGシリーズの機材的相性
1.2.で書いた通り、
ATシリーズは声の芯の周りが膨らむ特性がある
AGシリーズは声の芯の周りが凹む特性がある
じゃあ両方を組み合わせたら悪いところが消える!?と思うかもしれない。
ところが、そう簡単にいく話ではないんだね。
簡単にいかないことを、簡単に説明していこうと思うんだけど、その前に。
マイクやインターフェースと言うのは、どんなにいい機材であっても、これから書く事が良くも悪くも起こるんだ。
それを踏まえた解決策は次の項で説明するね。
まず、機械に対して人間の声というのは周波数で認識される。
録音ソフトで取り込んだ時の波形で認識される、あれ。
ATシリーズは、それを増やしてしまう特性がある。
AGシリーズは、それを減らしてしまう特性がある。
これでプラスマイナスがゼロになればいいんだけど、機械というのは融通が利かないもんで、増やした音感から減らしてしまうからナチュラルな音からさらに遠ざかってしまうんだ。
具体的に食べ物で考えてみよう。
市販のラーメンのスープの味が薄いなと思って、顆粒中華スープの素を入れて味を濃くしたとする。
これがATシリーズが「おいしいだろ?」って手を加えてくれた状態。
今度は入れすぎて濃くなってしまった。じゃあ薄くしようとお湯を入れる。
ちょうど良くなった!
これなら濃すぎず薄すぎず食べやすいぞ!
と、なったとする。
でも、それは元の味でスープの量が増えたわけではなく、元のスープの味に中華スープの味が足されてちょうど良くなった味、なんだね。
歌ってみたに力を入れたいという時に、「中華スープを入れて味を少し変えました」は「本来味わって欲しい味とは異なってしまう」と同じ現象が起こっていたら…?
その味が好き、その音が好き、で選ぶなら問題はないけれど、「そうなるのがわかっていたら選ばなかったのに」という人もいるかもしれない。
なので、機材を選ぶときは人に聞いて自分で調べて、自分に合う機材を選ぶようにしようね。
4.声と機材の相性を探そう
前項で「どんなにいい機材であっても、これから書く事が良くも悪くも起こる」と書いたけど、それじゃどうすればいいの?というのは当然の疑問だと思う。
実は、マイクというのは完全な生の音をそのまま保存すると言うのが難しい機材なんだ。
一度パソコンなどが保存できる形に変換して、それをパソコンが「音ですね」と認識して再構築する。
そんな工程があると思って欲しい。
その上で変換するために録音するわけだけど、可能な限り生に近い音で録音することは出来ても、完全にそのままで保存することはできない。
それがさっきも出た周波数ってやつで、ヘッドホンとかマイク特性とかを調べると「20~20,000Hz」なんて表示を見た事がある人もいると思う。
これが、マイクであれば「録音できる範囲の周波数」で、ヘッドホンであれば「再生できる範囲の周波数」ということ。
人間の耳は「20,000Hz以上は認識できない」と言われているので、聞こえる部分が録れる、再生できるであればいいのだけど、生の声を空気感そのままで保存する、というのは難しいんだね。
さて、この周波数ってのが増えたり減ったりしていたのがさっきまでの話。
この後もそうなんだけど、実はこの特性、「声が綺麗に聞こえるようにブーストしてます」とか「聞きづらい周波数は聞こえなくしてます」なんて味付けが成されてる事もあるんだ。
AT2020であれば「全体的に、どんな人の話し声でも聞こえやすくしまっせ!」という味付けだね。
この味付け。
実は「その人の声にぴったり来ますねぇ!」と言うのがあったりするんだ。
単純なところだと、声の低い人が「高い音が押し出されてるように録れますよ」と言うマイクを選べばバランスよく、逆に「低い音が前に出ますよ」と言うマイクを選べばその人のいいところをブーストしてくれるかもしれない。
そして今までの説明の通り、この特性はマイクだけでなくインターフェース(搭載されているマイクプリアンプ)にもあるんだ。
だから、声の高い人が、高い音がしっかり録れるマイクに、低い音が少し追加されるようなインターフェースを選ぶと、聴こえのいい録り音になったりするんだね。
5.最後のまとめに。目的に合わせて選ぼう!
今まで説明してきたこの周波数の味付けは、安いマイクほど強く、高いマイクほど少なく生の音に近い音で録音できる傾向にある。
いい音で録りたい!が生の音に近い音を指すなら、80万を超えるくらいのマイクから選ぶといいんだけど、そうなると防音室など録音環境もしっかり整えないといい音で録れない。
そして配信をはじめたい、歌ってみたをはじめたいと言う人は、いきなりそんな大きなお金をかけて設備と機材を整える余裕はないと思う。
そうなると、安い機材の組み合わせで自分の声を最大限よく聞こえる組み合わせを探す必要が出てくるよね。
でも、それは歌ってみたなどで安く音をよくしたい!と言う人たちが考える事で、配信が主軸でコミュニケーションをとりたい!と言う人たちには後回しでいい事かもしれない。
そういった、「何をいちばんの目的として機材を選ぶか」が大事になるから、AG03とAT2020の組み合わせはやめた方がいい、とは一概には言えないんだね。
でも、歌ってみたを前提として選ぶならやめた方がいいのは確かだよ。
だからみんな!!
新しく機材を選ぼうとする時に「なんとなくおすすめされたから」で決めるのはやめといた方がいいよ!!
長くなったけど、最後まで読んでくれた方の参考になったら嬉しいなぁ。
自分はこんな声質で、こんな目的で使用したいんだけど、予算はこれくらい!って言うのがわかっていたら、専門的な知識を持っている人に相談してみようね!
俺のTwitter(X)にあるマシュマロや、俺のTwitter(X)、その他返信が可能なSNS等で質問してくれたら、初心者さん向けにご予算内でおすすめすることもできると思うので、迷ってる人はどうぞ〜!!
では!!
お疲れ様でした!!
またお会いしましょう🖐️
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