(体験レポート) 点字ブロック上のQRコードを頼りに目的地までナビしてくれる「shikAI」 at 東京メトロ 東池袋駅

駅構内では点字ブロックを見かけることが当たり前になってきた日本。
点状のブロックは警告の意味で、
線状のブロックは誘導の意味で用いられています。

では、線状のブロックはどこに案内してくれるのでしょうか、
階段、改札口、トイレの入り口など。
辿っていけば安心してその場所に迎えるのです。
しかしながら、目が見えていないと自分の生きたい方向はどちらなのかわからないのです。特に馴染みのない駅では感が頼りになります。

たくさん敷設されている点字ブロック、
他の目的でも利用できないだろうかということで、いくつかの取り組みが存在します。
その一つがshikAIアプリを利用したナビゲーション。
点字ブロック上にQRコードを設置して、
スマートフォンのカメラで検出しながら情報を聞き取り、
目的地に向かうという流れ。

LiNKX | shikAI(視界/シカイ)
https://www.linkx.dev/shikai

現在はiPhone向けにアプリがリリースされています。

「shikAI」をApp Storeで
https://apps.apple.com/jp/app/shikai/id1542150781


私は2018年に東京で開催された視覚障害者向け総合イベント「サイトワールド」で初めて体験しました。
多くの人が順番待ちをするほど、関心度の高いテクノロジー。
そのときの様子がPodcastで公開されています。

サイトワールド2018特集第2回: プログレス・テクノロジーズ株式会社 | 日本視覚障害者ICTネットワーク
https://jbict.net/journal/podcast/sw2018/02

その後、shikAIは東京メトロの複数の駅に導入されることになり、
東池袋駅もその一つ。

駅構内だけの体験となってしまいましたが、
私はトイレまで案内してもらうことができました。
点字ブロック上のQRコードを検出すると、目的地の候補を選べます。
そこで「トイレ」を選択。

点字ブロックの真上からでなくても読み取れます。
やや斜めからiPhoneの背面カメラを向けることで、
無事にQRコードを検出してくれました。
あまりにも距離が離れると検出しないでしょうが、
なんとなくカメラで床を見回してみると見つけてくれそうです。

GPSを利用した徒歩ナビ機能と同じように、
音声のアナウンスにしたがって歩いていけば目的地に到達することができました。
その間iPhoneは手にもって、
床面、斜め下前方をカメラで写していました。

通行量が少なかったこともあり、
iPhoneを手から落とすことはありませんでした。

これならば駅構内の案内はもちろんですが、
他の路線に乗り換えるときの連絡通路などにも設置されていれば、
安心して鉄道を利用できるぞという印象を持ちました。

視覚障害者の安全な移動のために発明された点字ブロック、
新しい役割が加わりそうです。