わたしの部屋にある一番古いもの
コロナ禍のオンライン授業は大変だったけど、印象に残ることもたくさんあった。
「私の部屋にある一番古いもの」
学期最後の日は、事前に告知して「私の部屋にある一番古いもの」をカメラの前に持ってきてもらい、1分スピーチをしてもらった。
コロナで日本に入国できなかった中国の学生は、自分の身長よりも長くて立派な掛け軸を見せてくれた。おじいさんに頂いた物らしく、書いてある文字のかっこよさが気に入っていると言っていた。確かに古そうなものだった。
次の学生の古いものは、中学生のときから使っているキーホルダー。なんだか謎のキャラクターがついていてほっこりする。これからもこの古いキーホルダーを使い続け、新しいものにはしたくないそうだ。
お父さんにもらった古い腕時計をみせてくれた学生もいた。ゴツゴツとして大きくて黒い腕時計。もう壊れてしまって動かないけど、大切にしているそうだ。お守りみたいなものなのかもしれない。
大きいものであれ。小さいものであれ、実物をカメラの前に持ってきて、それを見せながら、みんなで共有できるのはオンラインならではだ。
あの大変だった日々に戻りたいとは決して思わないけど、対面授業にちょっとスパイス的な何かがほしくなってきた。
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