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車は白線の内側に駐車してください(車にまつわる話3)

車は白線の内側に駐車する。至極あたりまえの話だ。

でも、「車止めの修理工事をするしばらくの間、白線をまたぐように止めてください」これが、3週間くらい続いたら?それはもう、私の中であたらしい習慣として身についてしまったのだ。当時住んでいた家の駐車場でのことだ。

ある日、私は歯医者さんへ車で出かけた。

その歯医者さんの駐車場は車通りの激しい大きな道路に面したところにあった。その駐車場にとめるには、まずできるだけ車道の左端に寄って50m位後方にある信号が赤になるのを待つ必要がある。

その信号が赤になって、後方から車が来ないことを確認し、歩道に自転車や歩行者がいないタイミングを見計らってバックで入れなければならない。

幅寄せ、バックで段差のあるところをいい感じに乗り越える、あまり広くない所で切り返して駐車。と、こうして駐車の流れを思い浮かべてタイピングしているだけでも心臓が高鳴る。それほど私にとってはドキドキする作業だ。

その日は、後方の信号が赤になったものの、歩道を行きかう人や自転車がなかなか途切れなかったため、少し焦りながらバックさせることになった。でも、無事に駐車でき、歯医者さんの受付に向かった。

歯のクリーニングを終えて、駐車場まで来た私は驚愕の事実を目の当たりにした。白線をまたいで駐車するという特別ルールをここで適用してしまったのだ。つまり、2台の車がとめられるスペースを使って私の車が白線をまたいでデデーンととまっているのだ。あぁ。

誰かに見られていないだろうか。
すみません。すみません。
やる気でやったわけではありません。
私のせいで駐車できなかった方、本当にすみません。
言い訳連呼モードで車を出す。

後日、私の止め方は「番長止め」と呼ばれていることを知った。家の前の駐車場で白線をまたいで止めなければならなかった人は私の他にも何人かいたわけだが、よその駐車場でそれを実行したのは、もちろん私だけで、私の話を聞いたママ友が爆笑しながら「それは、番長止めって言うらしいわよ」と教えてくれた。

その後、何年経っても私のイメージは「番長止め」らしく、いまだに彼女に会うとその話になる。あぁ。


車にまつわる話は一応これで終わりにします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

車にまつわる話1と2をまだ読んだことがない、
という方はこちらもどうぞ。




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