ガソリンスタンドで笑われた話(車にまつわる話1)
運転免許は結婚してから取得した。まだ家には、車がなかった。夫は学生時代に免許を取り、ペーパードライバーになっていた。
新婚時代、東京都のはずれに住んでいた。駅を降りるとまず野菜の無人スタンドがあるようなのどかな場所だった。昔の農道をそのまま舗装したような道路。道幅は狭く、セダンタイプの車が2台すれ違うのもすれすれというようなところだった。
そして、家は最寄りの駅から自転車で20分強と通勤にも買い物にも大変なところだった。今でも時々あの頃を振り返って、「若かったから、あの生活ができたんだよね」と二人で話す。雨ニモマケズ風ニモマケズ毎日自転車に乗っていた。
だから、休日くらいは、車で買い物に行ったり、ドライブできるようにしたいね、ということで車を買うことにした。
日産のプリメーラというセダン型の車を買った。納車の日、私たちは興奮していた。ピカピカの青くてきれいな車。二人で買った初めての車。
何もかも初めてだったから、ガソリンが必要最低限の量しか入っていないことに、軽くショックを受けた。
まずは、給油だ!
誰が運転する?
どーぞ、どーぞ!
お互いに譲り合った。
運転手が決まらない。
じゃんけんをした。
私が負けた。
幸い、ガソリンスタンドはさほど遠くないところにあったが、私にとってはとてつもなく遠くに感じた。免許を取ってから1か月ぶりの運転。
いよいよ、出発。納車されたばかりの新車。新しい車のにおい。ガッチガッチに緊張して、口から心臓が出てきそうな私。
後続車から見たら、「こりゃ大変だ。車間距離あけとこ」って感じのノロノロ、オロオロ運転だったと思う。
それでも何とか無事にガソリンスタンドに着いた。
スタンドのお兄さんがジェスチャーで、オロオロ運転の私たちの車を誘導してくれる。
そして、人生で初めてのセリフ
「レギュラー満タンで」を告げる。
無事に着けた安堵感で放心状態だ。
膝はがくがく震えている。
と、そこにお兄さんの声がする。
「給油口開けてくださ~い!」
給油口?? どこ?
どのボタン?
私も夫もプチパニック。
まず何をしたかというと、ワイパーを動かしてしまった。
今なら、なんでそこ?という展開。
あわわわ
次に、やったのは・・・
トランク。ボン。
これじゃない。
次は・・・
ボンネット。
ボン!という音に、車中にいた私たちは、わっ!と驚き
お兄さんは苦笑い。
運転席に駆け寄ってきてくださり、中をのぞき込んで「これですね」と冷静に給油口のレバーを教えてくれた。
そんなこんなで大騒ぎをしたが、無事に「レギュラー満タン」にして、私たちは帰った。家についてしばらくは、ぐったりして使い物にならない人になっていたのは言うまでもない。
私について語るとき、失敗した話が多い・・・
新しいマガジンを作ったほうがよさそう。
タイトルは「私ってこんな人」かな。
車にまつわる話はあと2つ書く予定です。
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