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5分日記【硝酸イソソルビドとイソソルビド】

このnoteは今日あった出来事を5分で文字に起こしたものです。
みなさんこんにちは、趣味でポッドキャストをしているポッドキャスターグループ”ボイスカプセル”のサルです。
noteを書くハードルを下げまくるため”とりあえずまずは5分”と設定し、ささやかな日記を綴っていきます。(最初と最後はコピペで時間を省略しています)

今回は2024年6月19日分の日記。

看護師さんからいただいた質問をnoteで整理しようの日記回です。

サルは薬局で薬剤師をしているのですが、門前の医院の看護師さんからもらった質問です。今日はもらった文章のスクショをそのままのっけます。

それがこちら。

リアルですよね。
こんな感じで質問いただきました。
こうやって身近な薬剤師を使ってくれるの本当にありがたいです。

私も回答するにあたり色々情報を整理しようと思います。
硝酸イソソルビドテープは「フランドルテープ」
イソソルビド内用液は「イソバイドシロップ」
で調べ、まずは拾ってきた情報をパパパとならべていきます。

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【フランドルテープ】

https://med.toaeiyo.co.jp/products/frandoltape/pdf/if-ftp.pdf

製剤の組成
有効成分(活性成分)の含量及び添加剤  有効成分(1 枚中)
フランドルテープ 40mg : 硝酸イソソルビド 40mg

(1)作用部位・作用機序
作用部位:血管平滑筋 心血管系作用機序(図Ⅵ-1): 1)主として細胞外への Ca2+流出促進により末梢静脈系を拡張し、前負荷(pre load)を減少させるとともに、末梢動脈 系をも拡張し、後負荷(after load)を減少させ、左室壁張力を低下して心筋酸素消費量を減少させる。この末梢血 管の拡張は、動脈系に比べ静脈系に対する作用がより強い 22)、23)。 2)左室拡張終期圧(肺毛細管圧)を低下させ、心内膜側心筋への冠血流を増加する。 3)冠状動脈の太い部分を拡張して 24)スパズム(攣縮)を防ぐとともに側副血行路を増強する。

【イソバイドシロップ】

https://medical.kowa.co.jp/memai/medicine/data/isobide_interview.pdf

製剤の組成
(1)有効成分(活性成分)の含量
イソバイドシロップ70% :500mL 中イソソルビドを 350.0g 含有
イソバイドシロップ70%分包 20mL :20mL 中イソソルビドを 14.0g 含有
イソバイドシロップ70%分包 30mL :30mL 中イソソルビドを 21.0g 含有

(1)作用部位 作用機序:細胞外液
作用機序: 体の水分を血液中に移動させる。腎糸球体で容易にろ過され、糸球体ろ過量(GFR)を増加させる。尿細管で再吸収されないため、尿細管腔内の浸透圧が上昇し、水の再吸収が抑制される。その結果、電解質及び水の排泄が増加し、組織中の水分量が減少するため、頭蓋内圧や眼圧、及び内リンパ圧が低下する。


おまけ【一硝酸イソソルビド錠】

https://med.sawai.co.jp/file/pr22_1286.pdf

製剤の組成
1)有効成分(活性成分)の含量
●一硝酸イソソルビド錠10mg「サワイ」:1錠中に一硝酸イソソルビド10mgを含有する。
●一硝酸イソソルビド錠20mg「サワイ」:1錠中に一硝酸イソソルビド20mgを含有する。

1)作用部位・作用機序
1)グアニル酸シクラーゼの活性化によるcGMPの増加を介して血管弛緩作用を示す。
2)静脈還流量の減少による前負荷の減少及び冠血流量増加作用に基づく心筋酸素供給量の増加により抗狭心症作用を示す。

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ざっくり重要なところはこんな感じです。
確かに構造はそっくりですよね。
右下もしくは左上右下の両方の構造にしか変化はありません。

ですがやはり効果は全く違うものです。

もし硝酸イソソルビドにもイソバイドシロップのような効果があるなら
高頻度の副作用に頻尿があってもおかしくありませんがそんな記載はありません。

逆もまた然りで、イソバイドの方の高頻度の副作用に血圧低下などは載っていません。

製剤的な特徴も異なり、一硝酸イソソルビドは1回の服用で8~10時間効き1日効かすのに2回内服なのに対して、イソバイド内用液は詳細な作用時間の記載はないが1~1,5時間くらいが最も効き、一日満足に効かすには3回の服用が必要です。
フランドルテープは1日1枚で24時間以上効いてくれます。


もしかりにイソバイド内用液に硝酸イソソルビド錠と同じ効果があるんだとしたら過剰投与で健康被害ものでしょう。
そもそも硝酸イソソルビドで重要なのはニトロ(NO2)の部分であり、
ヒドロキシ基(OH)のイソバイドにそんな効果はないのです。


また、通常量で比べても、
イソバイドシロップの有効量としては20mlを1日3回でイソソルビド42g。
一硝酸イソソルビド錠では20㎎錠1日2回で硝酸イソソルビドとしてでも40mg
フランドルテープも1日1枚で硝酸イソソルビド40mg

「g」と「mg」で分かりにくいかもしれないですが、利尿として飲ませているイソバイドシロップと硝酸イソソルビドを比べると、イソソルビドの量がざっくり1000倍ほど多いです。
もしかしたら一硝酸イソソルビド20㎎を1日2000錠やフランドルテープ1日1000枚貼るってなればもしかしたら利尿効果が出るかもしれませんがそんなことしたらきっと死にます(笑)


このくらい調べればもういいか、ということで私なりの結論ですが、

・医薬品としての「硝酸イソソルビドテープ」と「イソソルビド内用液」は効果は全くの別物。おそらくこの患者様の認識が間違っている。看護師さんの元の認識が正しい。

・たしかに同様の「イソソルビド」という同じ名前で同じような構造を有していますが、硝酸イソソルビドで利尿作用を狙うならおそらく1000倍くらいの投与量が必要なので、そんな非現実的なことは起こらないだろう。


これを看護師さんに伝えようと思います。
あってるのか間違ってるのか分かりませんが、良い勉強でした。
今日はここまで。

このようなnoteにお立ち寄りいただいたそこのあなた、逆スキ♡を念で送ります。ありがとうございました。
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