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’’母’’が挑戦し続ける社会をつくる~廣川文花さん~

廣川文花さんは、子どもを持つ’’母’’であっても、’’ひとりの女性’’としてやりたいことや好きなことを続けられるような女性を増やそうと活動されています。二児の母親でありながら、「普通」ではない生き方をしている廣川さんに、村上がお話を伺いました。

廣川文花(ひろかわあやか)さんのプロフィール
26歳。今年(2020年)4歳・2歳になる二児の母。
母の挑戦を応援し、次世代に向けて新しい文化をつくることを目的とするBUNCA.を立ち上げる。その事業として、クリエイティブスペース+カフェ’’baila’’の経営、母コミュニティ’’tribes’’の運営、映像制作事業を行っている。

この仕事を始めたきっかけ

ーー2018年にまず’’baila’’(コミュニティスペース+カフェ)を立ち上げたそうですね。どうしてこのお店を開こうと思ったんですか?
廣川:私は22歳で妊娠して、23歳の時に出産しました。子育てをしている時に、自分が「お母さん」だけになっている瞬間があって。目の前の赤ちゃんのことしか考えられなくて、すごく視野が狭くなった時があったんです。そんな時に、旦那が、

「お母さんの前にひとりの女性なんやから、そこ大切にしてや〜」

と、ふっと言ってくれて。それで、私自身が色んな選択肢を持っていないと、この子どもも私の持っている選択肢の中で生きていくことになってしまう、と気づきました。だから、子どもがいても、私はやりたいことをやろうって思ったんです。それと同時に、好きなことややりたいことをやるお母さんたちを増やしたい、という思いが生まれました。そんな時に、たまたま場所が使えることになったので、’’カフェ’’というツールを使って、子育て・お母さんにアプローチしていく活動をしようと考えました。自分の経験や思いを伝えたり、お母さんたちが集まってしゃべったりできる空間を作りたくて、このカフェを開きました。だから、カフェがやりたい!というわけではなくて、目的のためのツールとしてたまたまカフェを使っている、っていう感じです。

ーー自身の出産・子育ての経験が繋がっているんですね。
廣川:私は高校生のときは不登校で、大学も中退しました。社会人経験もありません。でも他の人にくらべて、人と話す機会が多かったと思います。高校卒業前には東日本大震災があって、東北に通い、活動していました。そこに来ていた人たちとの出会いが、大学進学のきっかけになったり。大学生になってからは、バックパッカーとして国内外を旅していました。その旅の中でもたくさんの人と出会ったり、福島県の南相馬市に通い出したりして。そこで色んな人と話していたからか、「普通に働くことじゃない選択をしたい」っていう変なプライドは持っていました。具体的に将来こんなことがしたい!っていうのはなかったですね。

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お母さんを繋げるコミュニティづくり

ーー母コミュニティ’’tribes’’は今年(2020年)の4月頃に立ち上げたそうですね。これはどういったコミュニティなんですか?
廣川:’’baila’’のターゲットがお母さんなんですけど、私が住んでいる地域には小さい子どもを育てているお母さんが多くて。お客さんの中には、お母さんになってから起業したりだとか、好きなことを継続しているお母さんもいて、そういうお母さんたちを可視化したいなあと思っていました。新型コロナの流行でお店を閉めているときに、そういうお母さんたちのコミュニティを作ったらおもしろいんじゃないかと思って、’’tribes’’を作りました。名前の「tribes」は「部族」っていう意味です。家族ではないけど、仲間として集まれる関係性をつくりたいと思い、この名前を付けました。

ーーお店(baila)では色んなイベントやワークショップを開催しているそうですが、どんなイベントをやっているんですか?
廣川:主にお母さん向けのイベントや、子ども向けのイベントを開いています。今日はフェミニズムのお話会をしたし、金銭教育講座や性教育の講座を開いたり、ヨガをしたり、英語のレッスンをしたり…と色々です。

ーーどういった方が講師をするんですか?
廣川:講師の方もお母さんが多いです。もともとカフェのお客さんだった人が講師をしたり、私ががSNSで発信したことに共感して声をかけてくださった人もいます。イベントのお客さんは小さいお子さんずれのお母さんが多いです。

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家を解放して子育てをする

ーー二人のお子さんを育てていらっしゃいますが、プライベートと仕事は分かれていますか?
廣川:本当は家事育児と仕事の時間をわけたいけれど、実際はやれるときにやるっていう感じで、はっきりとはわけられていません。今もカフェで子どもが寝ていますし。

ーーところで廣川さんはちょっと変わった子育てをしているそうですね。
廣川:はい。私は「住みびらき」って呼んでいるんですけど、家を解放して、色んな人に来てもらって、子育てをしてもらっています。たまに19歳の居候の子に子どもを預けて仕事をしてます。

ーー家を解放しようと思ったきっかけはあったんですか?
廣川:自然と、ですね。昔旦那がゲストハウスをしていたときがあって、それに影響を受けています。ひと家族だけで子育てするのはもったいないな、もっとオープンにしちゃいたいと思って始めました。

同世代の独身男性が、私の家で子育てをする中で、自己肯定感が上がった、自分に自身がついたと言っていました。子どもにとっても、親ではない第三の大人ができるし、双方にとってとてもいい環境だと思っています。今まで子どもに関わってこなかった若い世代が子どもに関わるっていいなと思います。純粋に、子どもを片手で抱っこできる子ってめっちゃ素敵じゃないですか。

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子どもを持つことへのマイナスイメージ

ーー私は出産や育児で仕事のブランクができてしまうのが不安です。子どもを産むことに対してマイナスイメージはありませんでしたか?
廣川:昔はマイナスイメージを持っていました。でもそれは仕事への影響に対する不安じゃなくて、出産したらやりたいことができなくなる、という不安でした。私は社会人経験がないので、世間一般の育休を取って…というのとは違いますが、まだ若い22歳で妊娠して、これからワーホリも行きたいし旅もしたいのに…と戸惑いはすごくありましたね。でも色んな人に話を聞いて、「子どもを産んだらやりたいことができない」というのはただの固定概念だなと思ったんです。逆に22歳で産んだら、子育てが落ち着いてからでも好きなことをしまくれてめちゃくちゃいいじゃん!っていう意見を言ってくれる人が周りにたくさんいて。不安に思ってたらいつまでも不安だから、違う捉え方をしてみたらおもしろくなるんじゃないかなと思います。

ーー私も知らない間に固定概念にとらわれているんだなと感じました。私の周りには子どもを産んでいる人はいないし出会う機会もないので、こんなお話はなかなか聞けません。
廣川:私も周りに子どもを産んでいる人はいませんでした。そういう人に出会うきっかけとかメディアとか、私も作っていきたいなと思います。

なぜ働くのか

ーー最後に。廣川さんはなぜ働くのですか?
廣川:「自分のため」です。自分のやりたいことを継続するために、働いていています。もし世の中からお金という概念がなくなっても、今と同じことをしていると思いますね。今は、自分が行っている事業を継続するためにはお金が必要だから、お金を稼いでいます。私は最終的には「社会を変えたい」。そのために、今はお母さんにフォーカスして活動しています。その先は、次世代にアプローチしていきたいです。

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※廣川さんの活動をもっと知りたい方はこちらのHPをご覧ください!


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