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家計簿をつけている人の半分近くが誤解している事とまだ家計簿を続けられない人のためのサービス(お金Lv.10)⑦

スマートフォンの普及によって私たちの生活は大きく変わりました。
中でも家計簿アプリの普及はパソコンなどの普及の時と比べて一層便利になったという実感がFPA(FP&FA)の立場からも感じられます。

いやむしろ家計簿を本当の意味で活用できている人と家計簿をつけることさえ出来ない人の格差が広がったと呼ぶべきでしょうか。

私はおおまかにこのお金の基本となる家計簿を次の三段階に分けています。
あなたはどの段階でしょうか?

①自分で家計簿をつけて、きちんと自分でお金を管理•活用できる人
②家計簿をつけているだけで、それを活用出来ていない人
③家計簿を継続して続けられない人、家計簿さえつけていない人

家計簿アプリ、あなたはどっち派?

昔ながらの家計簿ノートを開いたり、パソコンと家計簿ソフトを起動しなくてもお会計の傍からスマートフォンで家計簿の記録を付けられるのは、とても便利です。

様々な家計簿アプリが登場する中でも二分する人気の家計簿アプリが「マネーフォワード(MF)」と「Zaimザイム」でしょうか。

私はどちらも利用したことがあってどちらも使い勝手の工夫がされていると評価していますが、私は断然「Zaim」派です。

Zaimしか勝たん!(。・ω・)

間もなくZaimで家計簿の記録を付け始めて10年になります。

私が「MF」を使わず、「Zaim」を利用している一番大きな理由ですが、

「MF」は1年以上前の記録は有料会員にならないと見れない


過去の履歴は記録者個人の情報です。

これをお金を払わなければ見られないという点がビジネスとしては収益化を目指すために必要だとしても、家計簿というアプリの性質上の設計思想コンセプトがどうにも相容れなかった点は最も大きかったと言えます。
それはサービスを提供する側の論理であって、利用者側に立ったらこれほど残念な設定はありません。


「Zaim」にも上図のように有料会員(Zaimプレミアム月額480円/年額48,000円)があります。しかしこれは必ずしも使わなければいけないというものではなく、また常時有料会員である必要性も高くないため、より便利に使おうとすれば有料ということで家計簿の基本である記録を付けるという機能に制限を設けていない点に私は好感を持てたためです。
(MFだって履歴を観る時だけ有料会員にすれば…)


この他にも世の中には様々な家計簿アプリがあり、こういってはなんですがお財布の持ち主が続けられるのであればどの家計簿アプリでも良いと私は考えています。

この2つの家計簿アプリ以外にも、利用者にとって使い勝手の良いアプリはきっと無数にある事でしょう。
しかしあれがいいか、これがいいかなど迷っている時間があるのであればまずは始めることの方が大切です。
そして継続できること、家計簿を付ける目的に活かせないのであればどれも意味がありません。

尚、家計簿アプリは近年とても進化していてレシート撮影による自動記録や銀行・クレジットカードとの連動機能などの大変便利な機能が付いていますが私は一切使っていません。

理由は単純で自動記録、連動機能を使うとお金の流れが”結果”という点でしか見えなくなってしまうためです。

家計簿は単に収支の記録をつけるだけが目的ではありません。
スーパーで食料品を買った、クレジットカードで〇〇の決済をした…
こうした一つ一つを明細を観ながら「手入力」することで「今月は使いすぎているな…」という”お金の収支バランスを常に意識する”ことが家計簿という記録を付ける事によるもう一つの目的であると考えています。

もはや10年近くもこうしたことをしていますので、今や殆どの場合にレジでお会計を待っている間に手早く入力をしてしまいます。

一見すると面倒くさい事、アナログな事をしているように思われるかもしれません。
しかしこうした日々のちょっとしたことの積み重ねが家計管理という点においてはとても大切な事であることを近年、多くの方が見落としている傾向にあると感じており、楽して便利なものお得なものに飛びついて大きな代償を支払っていることを危惧しています。


家計簿を何のためにつけるのか

実際問題として「家計簿」を何のためにつけるのかという目的があいまいなままでは正直、家計簿をつけることは続けられないと私は考えています。

また自動記録や銀行・クレジットカードなどとの連携機能で放っておいて記録を付けられていたとしてもそれが何のためにやっているのかを理解できていないと月の収支が分かったところで、本当に見直すべき点に着手できない(問題を放置)という課題があります。

便利だからと機能の上に胡坐あぐらをかいて良いのではないのです。

家計簿は記録を付けることが目的ではなく、手段です。

家計簿を付ける目的は、家計の収支を管理して記録者が何をしたいのか次第なのです。

ちょっと考えてみてください。
皆さんが学生時代、たとえば大学や専門学校等への進路を選ぼうと考えた時に何をしたいのかを考えもせずに入試に臨むことがあるでしょうか?

自分の実力も把握せずに、例えばそれは模試や定期試験などを受けずにいきなり本番の受験をするなど考えられるでしょうか。
何も筆記試験だけでなく、偏差値や内申点などが考慮される受験もあります。

自分は何が得意で何が苦手なのか。自分がしたいことを実現するためにはどんな勉強が必要なのか。

目的が決まれば、それに向けた対策が取れます。

ただ目の前にある問題集と参考書をこなせば良い訳ではありません。

多くの日本の学校というのはひな形のような場所です。

型にはめ込み、それほど考えなくても中学の卒業証書程度はくれます。
しかし高校は義務教育ではありませんし、大学・専門学校などは自分が選んで希望して進学する場所ですよね?

段階的に自分で選ぶという選択肢が与えられているのに、殆どの人は選択を他の大多数の人と同じように高校へ進学する、大学や専門学校へ進学をするということで選んでいます。

本当に自分が希望して選んだと言える人がどれくらいいるでしょうか。

家計簿は「お金の管理」方法の一つですが、言ってしまえばこうした進路と同じく誰かが教えてくれるわけではない、一人一人違った目的や目標を実現するための模試や定期試験・通信簿のようなものです。

記録を付けて終わりではなく、実現したい目的のために収支のどこを見直して改善していくのかを考えるために必須のデータ収集とも呼べます。


またダイエットに喩えるとどうでしょうか?


何のためにダイエットをするのか分からずにダイエットが続けられるでしょうか?
自分の現在の体重や食生活、運動の状況を把握せずにどこが改善するべき点かを見つけられるでしょうか。

人は目的・目標*がないと、行動を変えることが容易にはできません。
また締切を設けないとダラダラとその実現を先送りします。
(夏休みの宿題と同じですね?)


*目的と目標が違うことは改めて解説するまでもないでしょう。


つまり家計簿は付けて終わりではないことが分かります。
大切なのは①目的・目標を持って、②記録を付け、③その結果を持って次の行動に反映させることです。


家計簿を続けられない人というのはただ無精なだけでなく、①目的がないことがほとんどです。
また②記録を付けることを煩わしいと感じています。
③行動を変えることが出来ないは、何が問題なのかを理解できていないという無知という最も大きな課題もあります。

自分でこれらを考えて①目的②記録③行動を起こせる人は10%くらいでしょうか。

私のお客様の中には就職をしてから全ての給与明細と収支の記録を付けている方が若干名いらっしゃいますが、何もそこまでやれとはいいませんが…多くの人にはこれをコーチするパートナーが必要でしょう。

自分にとって都合の良いことしか言ってくれない人はコーチにしてはいけない


年100万円を貯める人、貯められない人

よく書籍などでは「年100万円貯める方法」などがキャッチ―でタイトルになったりもしますが、この「年100万円」という金額にあまり意味はありません。

年収300万の方が年100万円貯めていたら、実家暮らし?何かお金を使えない事情があるの?大丈夫?お金の使い方を知らないの?となりますが、年収1億円の方が年100万円を貯めただと、だからどうしたと感じませんか?

お金のことは金額ではなく、比率(%)で考えるとその本当の価値が見えてきます。

すごく大雑把な感覚ですが、預貯金というのは次のように表すことが出来ます。

収入-支出=預貯金

なので収入が支出より多ければ預貯金を沢山蓄えることが出来ます。

しかし切り詰めて生活水準を落とし、支出を減らして貯金をするというのは家計簿をつける目的ではありません。

あくまでも目的を実現するための手段であり、収支のバランスをコントロールできるようになるお金の考え方の習慣形成こそがその本来の家計簿管理です。

あくまでも一般的な例ですが、預貯金というのは大体収入の30%程度できていればかなり頑張って貯めている方になります。
FPAの立場からは可能であれば20~25%は貯めておきたいという感覚です。
ちなみに25%というのは家賃等の住居費に充てられる水準と殆ど近い水準です。

これを読んでいる方の中にはそんなに貯められていないという方がいるかもしれませんが、これを年間の収支で考えるとどうでしょうか?

例えば夏冬のボーナスなどを含めて考えると、これをクリアするという方はかなりの割合でいます。

国税庁の2019年の調査によると日本人の給与所得者の平均年収は436万円
税・社会保険料や所得控除等を除いた所得で考えると350万円前後。ボーナスを含めてならした手取り(可処分所得)で月29.2万円(大卒・勤続5年超9年未満)ほどになります。

日本人の年齢の中央値は2020年48.4歳ですので、ほぼ年齢=年収と考えることができます。

「年100万円貯める」というのは言ってしまえば、このくらいの収入がある方を前提としています。
これよりも年収が高い方はもっと貯められないとすれば使いすぎていということになりますし、これよりも勤続年数を超えているのに低いとすれば年齢等にもよりますが早めに転職を含めて資格やスキルを磨くことを考えなければどんどん苦しくなると言えます。

もし年収436万円未満で年100万円貯められるとすれば相当頑張ったと言えるでしょう。しかしその一方でお金の使い方をもっと学ぶ必要があるかもしれません。

家計簿を続けられない人のためのサービス

結局、家計簿アプリを使って家計の収支を把握している人というのは自分から取り組もうとして既に行動に移せているという前向き(主体的)な人たちと言えます。

①家計簿をつけている正しい目的を認識できているか、③行動を変えられるかという確認すべき点はありますがこれからの日本において生き残れる可能性の高い人たちと言えるでしょう。

一方で家計簿をつけていない、または続けることが出来ない人たちは今後生き残っていけるかかなり微妙な状況に追い込まれている人たちと言えます。
いえ、追い込まれていることに気づいてさえいない人という意味では出遅れていると表現した方が本人のためかもしれません。

家計簿アプリは大変便利ですが、多くの給与所得者は月給での生活をしているため毎日のお金の収支よりも月次と年次における収支バランスを管理した方がライフプランとの親和性は高いと言えます。

そこで日々の生活で使った際のレシートを1か月分まとめて封筒に入れて投函。それをFPAがアカウントを共有した家計簿アプリに入力代行して、アドバイスをするというサービスを2022年1月分より開始することにしました。

一見すると原始的な方法ですが、これであれば日々の家計簿が付けられない人でもレシートを受け取って送るだけなのでどなたでも利用が可能です。

プランは12か月縛りで月額料金の割引があるコミットプランと、月払・年払での月単位契約の3パターンで2022年1月分の家計簿分から受付を開始いたします。

ご関心のある方は下記、特設ページまで。


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歴史・宗教・哲学・経済・思想・文学・心理学・科学・生物学・芸術…世の中の出来事を多面的に捉えるリベラルアーツは"与えられるもの"ではなく、"自らの頭で考えること"が何よりも重要です。 学習≠教育、本メールマガジンは教育に観点を置き定期的な学習機会とすることを目的に配信しています。

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