ボカロ史に残るボカロP、wowaka特集

 どうも。ボカロ曲を教えてくれるbotの中の人、アクアです。
 2024年5月11日に「wowaka 歌詞集」が発売されました。『ワールズエンド・ダンスホール』や『ローリンガール』を始め、数々の名曲残し、後のボカロPの方々にも大きな影響を与えた伝説のボカロPです。
 今回はそんなwowaka氏の全投稿曲を一挙にご紹介、メンバーそれぞれの想いと共にお届けします!

グレーゾーンにて。(2009)

【私のいない今日は楽しいでしょ?】

wowakaさんの初投稿作品でP名、現実逃避Pの由来になった曲。
イントロから聴いている人を惹きつけるピアノの音色が魅力。
wowakaさんらしい独特な音と高いミクの声で中毒性が高い曲だと思います。
皆さんも現実逃避したいことがあったらぜひwowakaさんの曲を聴いてみてはいかがでしょうか。
きっと元気になれると思います。

by天雲 鈴

テノヒラ(2009)

【君の手が,つかめますように。】

サイケなロックを作っていたらバラードが出来上がっていたという経緯で作曲された一曲。
綺麗なピアノと切ない歌詞がもういなくなってしまった人への思いをつたえてきます。

アップテンポなwowaka氏にしてはめずらしいバラード、本当にきれいな曲なのでぜひ聞いてください。

by白藤 群

ラインアート(2009)

【今、自由に。】

wowaka氏の3作目。
当時の作者コメに『オルタナ・ミーツ・ロボ声ミク的な。』と記されるように、当時の"初音ミクらしさ"と一線を画すような、新しい調声にチャレンジした歌声がとても特徴的です。
また、歌詞の文字数がとても少なく、最低限の言葉で曲を奏でています。
私はこの音楽から大空へ飛び立つ飛行機のような新しい可能性を感じました。
この線の先に、何が見えますか?

byアクア

とおせんぼ(2009)

【OFF LIMITS】

wowaka氏の4作目。勢いで作られたツンデレのテーマであり、寄稿者が初めて聞いたwowaka曲でした。
素直になれない心情が伝わってくるような歌詞と冒頭の不協和音が特徴的です。
是非聞いてください。

By.白藤 群

僕のサイノウ(2009)

【凡人たちが綺麗に見えた。それを自分に置き換えてみるだけだよ。】

wowaka氏5作目の楽曲。
作者曰く「「ふつう」って、良いよね!「ふつう」を想う歌です。」
そのコメントの通り、「ふつう」を尊く思い、羨む歌詞に、繊細なメロディーがマッチした素敵な一曲です。
初音ミクの調声は、敢えて機械声にされていて、その声の無機質さが楽曲の魅力をさらに高めています。
今年の4月5日には、稲葉曇氏によるカバーもTwitter上に投稿され、話題になりました。
皆さんも是非聴いてみてください。

by々

裏表ラバーズ(2009)

【今すぐあちらへ飛び込んでいけ】

 wowaka氏の6作品目であるこの曲。私個人な「ボカロと言えばこういう曲!」というイメージの大半は、この曲から来ているように思います。
 「良いこと尽くめ の夢から覚めた私の脳内環境は、ラブという得体の知れないものに侵されてしまいまして、それからは。」から始まる、圧倒的な勢いで叩きつけられるような歌詞が特徴的です。

……などと紹介してきましたが、この曲に関しては「聴けばわかる」の一言に尽きると思います。聴いたことがない方も、ある方も、今一度聴いていただきたいです。

by茶猫

ずれていく(2009)

【そう あなたのこと きらいになったのです】

wowakaの7作目。
タイトルのしりとりが終わった曲でもあります。
wowakaによると『行きっぱなしで帰ってこない、そんな感じの短い曲です。』コメントの通りwowakaによる楽曲の中で一番短くなっています。 
前奏の中毒性はすごく、ニコニコ動画での弾幕のことが印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

これからもあなたの音楽が伝わっていくことを願います。

by神凪未来

積み木の人形(2009)

【勘違ったって踊りましょうよ】

wowaka氏の8作目。
これまでの曲名しりとりの流れを断ち、後作に通じる音や歌詞がちりばめられているこの作品は一つのターニングポイントになったかのように思われます。
テンポのいいピチカートと当時の初音ミクらしい調声は、何度でも聴き返したくなる心地よさがあります。
抽象的な幾何学模様は人形を表しているのか、それとも・・・
視聴者の解釈によって様々な顔を見せる一曲です!

byアクア

ローリンガール(2009)

【永遠に回る少女とレコード。】

wowaka氏の9作目の楽曲。綺麗でありながら激しい旋律を奏でる切ないピアノとバンドサウンド。
歌詞の「ビックリマーク」が初音ミクの調声に反映されていて躍動感のある曲になっています。
永久に廃らない神曲と共に一体感のあるニコニコのコメントも合わせてお楽しみください。

by.りるくん。

ワールズエンド・ダンスホール(2010)

【wowakaさん、令和は綺麗ですよ。】

今回ワールズエンド・ダンスホールの文章を担当させて頂くwowakaさんの故郷、鹿児島出身のしちきです。

この楽曲はwowakaさんの10作目の作品で2010年5月18日にニコニコ動画に、2017年9月5日にYouTubeに投稿されました。
ニコニコ動画では34時間6分で殿堂入りを達成、そしてわずか1ヶ月足らずの2010年6月17日に100万再生という驚異のスピードで再生数を重ねていき2019年4月17日午後23時59分に神話入りを達成しました。

歌詞はどのフレーズを切り取って意味を解釈しても美しく、メロディーとの相性もこれ以上ないくらい綺麗な歌詞を際立たせてくれています。

勝手な解釈ですが時は流れwowakaさんの生前のご活躍を知らない世代も出てくると思います。
ですがそれを伝えていくのが我々ボカロ曲を教えてくれるbotの使命でもあると考えております。
VOCALOIDが大好きな皆さん、VOCALOID楽曲を作っている全てのクリエイターの皆さん、この記事を見てwowakaさんを知った方、並びに音楽を愛する少しでも多くの方にもっともっとVOCALOIDの良さ、魅力を伝えていきたいと思います。

さよなら、お元気で。

byしちき

アンハッピーリフレイン(2011)

【言うならそれは、それは】

音楽を続けて続けて続けても報われない、それでも手放せない苦しみの歌。丁度1週間ほど前に13周年を迎えました。
「撃ち込んだ音」、「やっとのこと手に入れたアンタ、手放す訳にいかないでしょ」「繰り返しの39秒」など、wowakaさんの音楽愛が感じられる歌詞です。
アップテンポで歌詞の光る一曲、お楽しみください。

by.黒野

アンノウン・マザーグース(2017)

【ねえ、あいをさけぶのなら あたしはここにいるよ】

wowaka氏のボカロ作品の集大成ともいえる、4分45秒の愛の唄。wowaka氏のTwitter(X)によると、氏にとって初音ミクとは、人生を変えた出会いであり、音楽を始めるきっかけになった存在。そして、バンドの仲間と出会わせてくれた、大切な存在とのことです。

そんな存在の10周年に曲を書き下ろすことになった時、彼は今想っているすべてをこの歌に込めてぶつける。もはや恥ずかしいくらいに全部吐き出す。それくらいの勢いで、バンドの仲間たちと制作したそうです。

こうして生まれた唄は、作品の何もかもを消費されるボカロ界隈、つまらなくなって去っていった者達、それでもなお歌い続けるその歌姫に、ありったけの想いをぶつけた「究極の愛」ともいえる作品に仕上がっています。痛いくらいの想いが詰まった曲は、心の底までピリピリと響くものがあるでしょう。

今、彼は何を想っているのでしょうか?それは誰にもわかりません。

by ウィリアムEB.

あとがき

 独自の世界観と時に激しく、時に優しい音で視聴者を魅了してきたwowaka氏の作品。
 彼が奏でてきた音楽は今もなお鮮やかに、私たちの想いと重なり、新しい視聴者へあの頃と同じ衝撃を届けていると信じています。
 まだ聴いたことがなかった曲もぜひ聴いていってくださいね!

それでは皆様、よきボカロリスナーライフを!

byアクア