第877回「14歳少年が父と祖母を毒殺」豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"
本日の記事：
「14歳のベトナム人、父親と祖母に致死量の毒を盛った疑い」
原題：
"14-year-old Vietnamese suspected of fatally poisoning father, grandmother "
【本日のポイント】
（１）ベトナム南部ティエンザン省の警察は、先週、父親と祖母を毒殺した容疑で14歳の少年を拘束した。
（２）父親のYさん（45歳）には飲酒の習慣があり、容疑者の少年が父親にお酒を控えるように頼んでも、叱られることが何度もあり殺害を計画したと供述。
（３）野良犬対策の毒薬を祖母と父がよく飲んでいた粉ミルクのパックに入れ犯行に及んだ。当初、家族は父親の男性が病死したと思い、地元当局に死亡届を提出していなかった。
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【解説】
アジアゲートベトナム代表の豊田です。
さて、今日の記事について。
一般に、日本人はベトナムや他の東南アジアに行くと
「家族の絆が強いなぁ」
と感じるのではないでしょうか？
私自身、語学留学していたフィリピンや駐在していたインドネシア、そしてベトナムでも、それはすごく感じました。
それは単に「仲が良い」というよりも、家族、一族が「運命共同体」として支え合って生きているなぁ、という感じで。
ただ、やはり、今回のような「身内の殺人事件」というのも、もちろん起きるわけで、今回は14歳の少年が父親（45歳）と祖母（83歳）に致死量の毒を盛って殺害
ちょっと複雑な家庭のようで、この14歳の容疑者は、両親の別居に伴い、6歳の頃から近所の母親と母方の祖父母と暮らしていたそうで、2021年、ということは、まだ11歳くらいだと思うんですが、学校を辞め、母親と一緒に叔母さんの果物農場で働き始めていたそうです。
ベトナムでも小学校はさすがに１００％近く通っているので、これを中退するというのは、かなり生活がしんどい感じだったんですかねぇ、、
ところが、その後、母の実家から、父の実家で寝泊まりするようになったそうで、ここで、父親がかなり酒を飲むようで、何度も酒を控えるように頼んでも、叱られることが何度もあり、殺害を計画したそうです。
家族が不和の上、おそらくアルコールに伴う家庭内DVのようなこともあったんではないでしょうか？
そして、学校にも行っておらず、そういう逃げ道、もない、と。。。
14歳にして、かなり厳しい環境に置かれていた彼は結局、この父親と祖母を
毒殺する道を選んでしまったようです。
ベトナム一般には非常に家族の絆は強いんでしょうが、かなり特殊な事情ながら、やはり、こうした事件は避けられないところもありますね。
以上 豊田英司
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