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第1033回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ハノイ、故ジョン・マケイン米上院議員の記念碑を移転・拡大へ

本日の記事:
「ハノイ、故ジョン・マケイン米上院議員の記念碑を移転・拡大へ」
原題:
" Hanoi seeks to relocate, enlarge memorial of late US Senator John McCain "

記事リンク:https://tuoitrenews.vn/news/society/20240716/hanoi-seeks-to-relocate-enlarge-memorial-of-late-us-senator-john-mccain/80974.html


(写真:ハノイのチュックバック湖畔にある故ジョン・マケイン上院議員の追悼碑)


【本日のポイント】

(1)ハノイ市タイホー区はジョン・マケイン記念碑を移転・拡張し、歴史的価値を保存しつつ地域住民の精神的な生活向上を図ります。

(2)記念碑の前のスペースを広げ、イベント開催を容易にし、案内板や照明システムを追加する計画です。

(3)このプロジェクトには1兆9000億ドン(約7万4303米ドル)以上の投資が必要で、区の財源から調達されます。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

まず、そもそも、「ジョン・マケインて、誰やねん?」という方が大半ではないかと思います。

で、アメリカ政治にちょっと関心がある方は、

「なんか、大統領選挙のたびに候補になっては負けて撤退する人だよね?」

みたいな感じではないかと。
私はここですね。

(故ジョン・マケイン上院議員)



で、なんで、アメリカの政治家の記念碑がベトナムにあるのか?なんですが、この人、そもそも、有名になったのが、ベトナムとアメリカが戦っていた1967年に飛行機でハノイ上空を飛んでいる時に撃墜されて北ベトナムに捕虜として捕まってしまったんですよね。

そして、捕虜となったマケインさんは拷問に耐え、独房に何年も監禁され、
1973年にようやく解放されたわけです。

で、マケインさん、アメリカに帰国したら英雄として歓迎され、有名になり、その後、政治家になり、大統領選挙のたびに候補になるくらいまで成功した、という感じです。

でも、ベトナム側からしたら、別にただ、攻めに来て、捕虜になった人なわけで、なんで、この人の記念碑があって、それをさらに拡張までするのか、ですよね。

実はこの人、アメリカ帰国後、アメリカとベトナムの国交正常化に向けてすごく熱心に努力したんですよね。

なので、ベトナムから見たら、まぁ、恩人、とまで言えるかどうか別にして、アメリカとの友好を示すためのシンボル的な立ち位置の人ではあるんですよね。

特に昨今、アメリカとの交易が盛んになっているベトナムとしては、彼の記念碑の前を拡張して、イベントなどを行い、この記念碑を多くのベトナム人が知ることで

・アメリカの戦闘機を撃墜したベトナム軍の優秀さ
・その後、ベトナムとアメリカが友好関係になり、現在に至る

などを示す、絶好の機会になるから、というのがあるんではないかと思います。

戦争に関わる記念碑、という意味では、いろんな国がいろんなスタンスで利用、活用してますが、この辺り、ベトナムは外交上手だなぁ、、と思います。


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【記事の日本語訳】


ハノイ市タイホー区の行政当局は、現在チュックバック湖の端にある故ジョン・マケイン米国上院議員の記念碑の移転と拡張を計画しています。

移転と拡張の計画は、歴史的・文化的価値を保存する一方で、地域住民の精神的な生活を向上させるのに適した空間を作ることを目的としています。

区は、記念碑をチュックバック湖の手すりの近くに戻し、記念碑の前のスペースを広くすることで、イベントの開催を容易にする計画です。

また、慰霊碑も大きくし、土台には花を飾るスペースも設けます。

区は、記念碑の周辺を歩道と分離するために舗装し直し、木の鉢を並べ替え、案内板と照明システムを追加します。

このプロジェクトには1兆9000億ドン(約7万4303米ドル)以上の投資が必要で、タイホー区の財源から調達されます。

1967年10月26日、アメリカのベトナム戦争中にベトナム軍がマケイン氏の飛行機を撃墜。

マケインは飛行機からパラシュートで降下し、チュックバック湖の近くに着陸した後、そこで捕虜となりました。

この記念碑は、この出来事を記念して建てられました。

マケイン上院議員は2018年8月25日、脳腫瘍のため81歳で死去。

当時、ハノイの多くの住民がマケイン氏に敬意を表し、チュックバック湖に献花しました。

マケイン氏は60年に及ぶ政治家生活の中で、ベトナムとアメリカの関係の正常化と発展に30年近く貢献。

ベトナムは彼の人生に大きな影響を与え、最も重要な教訓を与えてくれたと主張。

戦後、何度もベトナムに戻り、ベトナムの人々や風景がますます好きになったと発言。
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以上 豊田英司
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