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出資先のベトナム企業といかに「良い関係」を構築するか

最近、ご相談が増えているのが

「ベトナム企業へ出資した日系企業からの悩み相談」

です。

非常にラフな言い方をしてしまうと

「出資先のベトナム企業がいうことを聞かない。勝手なことばかりする」

という悩み相談が99.9%と言って良いと思います。

ただ、私の場合、自分自身が徒手空拳でベトナム企業との合弁、ベトナム人企業家とのパートナーシップでの経営ばかりしているので、むしろ、

「日系企業と組んだベトナム事業家からの悩み相談」

も聞くんですよね。

で、この悩みはいろいろあるんですが、あまり指摘されていないこととして

「日系企業はベトナム企業側を”ビジネスパートナー”と思っているが、ベトナム企業は日系企業側を”投資家”と思っている」

という根本的なずれを、本当に、よーく感じます。

これ、ビジネスっぽく綺麗に言ってますが、もっとわかりやすくいうと、彼らの心の声は

「ベトナムのことは俺らに任せてろ。お前らは金と技術だけ出してろ」

なんですよね。

そりゃ、口では

「日系企業の高い技術力が必要」

とか言ってますが、心の中では、

「どうせ、あんたら、ベトナムに来たら、右も左もわからんで、私らに負んぶに抱っこなんだから、黙って見てろ」

ですよ、はっきり言って。

「日系企業」という看板を使いたいだけ、という企業も多いですから。

でも、これって、私が日本で外資系企業で働いてる時、アメリカとの合弁企業なんかだと日本人側でも

「アメリカ人は黙って見てろ」

的なことを言ってる人いましたけどね。

だから、まぁ、合弁における現地側というのは、総じて、そういう気持ちになりがちなんだろうな、と思います。

やっぱり、出資してる・技術を提供してる、とは言っても、

「もらっちまえばこっちのもん」

で、結局は現地で実際のオペレーションしてる側が絶対強くなってしまいますから。

ですので、私はベトナム人と合弁やパートナーシップでやる場合には、相手に対して、

「私は、このくらいの情報を持っていて、さらにあなたたち以外にも情報源がありますよ」

ということを示しまくることで、信頼を勝ち得る、というと、きれいですが、要するに、

「こっちもアホちゃうぞ。なめとったら痛い目に遭うで」

というのを見せつけて、こっちの意向も飲ませるぞ、という「勝負」ですよね。

こういう感覚がなくて、本気で

「いやー、いいベトナム側のパートナー見つかったなー。こっちは金と技術だけ出してたら、あとはウィンウィンだー」

という感覚なら、自分のお財布で生きてるベトナムの零細自営業者の私には、夢のような話に見えてしまいますねぇー。

(アジアゲートベトナム代表 豊田英司)

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