見出し画像

第935回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ベトナム企業、2024年も依然として採用に慎重姿勢

本日の記事:
「ベトナム企業、2024年も依然として採用に慎重姿勢」
原題:
" Businesses remain cautious about recruitment "

記事リンク:https://vir.com.vn/businesses-remain-cautious-about-recruitment-108766.html


(写真:不動産市況の厳しさは克服されず、雇用にも影響を与え続けている)


【本日のポイント】

(1)2024年に向けてベトナム企業は採用に対して引き続き慎重な姿勢を崩していない。

(2)ベトナム企業の37%が従業員規模は現状維持、35%が25%未満の増員予定としており、18%の企業は人員削減を計画している。

(3)求人側のベトナム人も予測不可能な雇用市場での転職には慎重姿勢の傾向にある。ただ、一方で、アンケート回答者の23%が現在の職務で20%以上の昇給を得ており、転職に際しても46%の回答者が20%以上の基本給のアップを期待する、と回答している。

=====================
【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

2024年のベトナムでの採用市場について、世界的な人材会社アデコ社のベトナ支社が実施したアンケート結果が取り上げられています。

まぁ、一言で言って

「景気が停滞しており、転職市場は低調で、求職者も慎重な姿勢」

ということでしょう。

調査によると、回答者の29%が転職の意志がなく、36%が新たな機会には前向きだが、今後1年以内の転職には積極的ではないと回答しているそうです。

数年前の機器のいい時だだと、よく7割以上の回答者が1年以内の転職に前向き、みたいな感じだったので、まぁ、やはり、ちょっと転職市場は落ち着いている感じなのでしょう。

逆にいうと、今、中途採用をするといい人材が採用できるかもしれないですね。

ただ、転職に際して46%の回答者が現在の基本給よりも20%以上のベースアップを期待している、とのことで、採用する企業側からしたら、

「んな、アホな」

という感じですが、まぁ、期待するのはタダですからね。

この辺りの

「転職=給与アップのチャンス」

という感覚は転職しても、あまり給与が高くなることが少ない日本の転職感とは大きく違うところだと常々思います。

==============
(記事の和訳)

企業は依然として採用に慎重である

25日に発表されたアデコベトナムの調査によると、企業の3分の1以上が従業員規模を現状維持するということで、2024年に向けて企業は採用に対して慎重な姿勢を崩していない。

昨年の世界的な経済不安は、世界的な雇用需要の減少につながり、生産コストや事業コストの著しい上昇と相まって、雇用の減少につながった。

ベトナムは、不動産市場と社債という2つの主要セクターの低迷により、大きな影響を受けた。

これらのセクターが直面する課題により、企業による資本吸収が減少し、不良債権が増加傾向にあるなど、さまざまな困難が生じた。

2023年の最初の10ヶ月間に、国内では183,500以上の新規事業が設立され、操業が再開された。

しかし、市場から撤退した企業の数は14万6,500を超え、20%増加した。

困難な状況にもかかわらず、ベトナム経済は政府の一連の施策に支えられ、前向きな軌道に乗っている。

計画投資省の評価によると、投資、輸出、消費の3つの原動力はすべて、今後1年間で有望な成長の可能性を示している。

特に輸出は昨年末から徐々に勢いを増している。

小売業と消費は2桁成長に近づいており、投資部門は国や民間からの投資、海外からの投資、特に再生可能エネルギーや半導体などの新興分野での好機を示している。

しかし、アデコ・ベトナムの調査では、74%の企業が2024年の成長は限定的か緩やかなものになると予想しており、慎重な姿勢が明らかになった。

従業員規模を維持する予定の37%に加え、さらに35%が25%未満の増員を予定している。

小売、教育、IT分野の企業は、より大幅に採用を増やす計画を持っている。

とはいえ、調査対象となった企業の18%が人員削減を計画しており、これは主に製造業と不動産業で、2023年の開始時と比べて8%増加している。

採用担当者にとっての最優先事項は、調査対象となった雇用者の47%が選んだように、チェンジマネジメントとリーダーシップのスキルを持つ候補者であり、技術やデジタルのスキルも高く評価されている。

従業員から見ると、予測不可能な雇用市場の影響で、新たな機会を探すことへの慎重さが増している。

調査によると、29%が転職の意志がなく、36%が新たな機会には前向きだが、今後1年以内の転職には積極的ではないと回答している。

給与が最も重要な要素として選ばれた昨年の調査と比較すると、従業員が最も重視しているのは、福利厚生と並んで能力開発の機会であった。

アジア太平洋地域全体の人材移動の要因の上位を分析したところ、報酬と福利厚生も最も重要な要因として浮上し、67%が職務を変更する際の主な検討事項として選んだ。

同地域内の他国と比較すると、ベトナムは57%で、香港(88%)、シンガポール(82%)、韓国(78%)など、より給与の高い国に遅れをとっている。

その結果、アジア太平洋地域全体の給与への期待は高い。

現実には、ベトナムがトップで、回答者の23%が現在の職務で20%以上の昇給を得ている。

これとは対照的に、雇用者を変える場合、ベトナムでは46%、インドでは91%が20%以上のベースアップを期待している。

このような高い給与期待を考えると、組織は2024年に向けて給与戦略を見直す必要がある。

従業員の給与を市場の需要に合わせることは、優秀な人材を惹きつけ、維持するために極めて重要である。


以上 豊田英司
=====================


「アジアゲートベトナム 」はベトナムにおける人事・ 労務のアドバイスに特化して、あらゆるご相談を承っております。
まずはお気軽にご相談ください。


(主なサービス内容)
(1) ベトナムにおける人事、労務、法務のご相談、調査、 セカンドオピニオン提供

(2) 就業規則、賃金テーブル、雇用契約書などの作成サポート

(3) 人事評価制度作成サポート

(4) ビザ・就労許可証(WP)、一時滞在許可証(TRC)の取得代行

(5) 会社設立ライセンスの新規・追加手続き代行

(6) ベトナム市場調査、ベトナムローカル企業の与信調査

(7) その他、ベトナムでの事業運営に関わる各種相談対応
============================== ==============

ASIA GATE VIETNAM CO., LTD
(ウェブサイト)
https://www.asiagate-vietnam.com/

Managing Director /代表
豊田英司(Toyoda Eiji)
TEL : +84(0)94 653 2425
Email: toyoda@asiagatevn.com

【会社所在地(Office Location)】
ハノイ本社(Hanoi Head Office)
4 Floor, B220 Vinhomes Gardenia, Ham Nghi, Cau Dien, Nam Tu Liem, Hanoi, Vietnam

ホーチミン支店(HCMC Office)
1F - Somerset Chancellor Court,
No. 21-23 - Nguyen Thi Minh Khai street, Dist. 1 Ho Chi Minh city ,Vietnam

ハイフォン出張所:(Hai Phong office)
No.12/116 Vinh Cat str, Vinh Niem ward, Le Chan Dist,Hai Phong, Vietnam

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?