みんなで考えるベトナム人事マネジメント 第92回:経営参画意識を高めて、離職を防ぎましょう
こんにちは。ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です。
ベトナムでは概ね2月前半〜中旬にかけて、旧正月である「テト休暇」となり、国中、お祝いムードとなります。
一方で、この「テト休暇」が終わった後から、4月くらいまでが、ベトナムの転職のラッシュ期間となります。
これにはいくつか理由がありますが、主要な理由としては
と、いうようなことが考えられます。
ですので、この時期、突然、重要なスタッフから
「他社から声をかけられているから、給与アップしないなら転職する」
という話をされて、やむなく、臨時の昇給をした、なんていう話もよくお聞きします。
まぁ、上げられるうちは、それも良いと思いますが、そのような
「対処療法」
ばかりを続けていては、他の従業員の給与もどんどん上がってしまいますので、別の角度からの対応も必要かと思います。
私が経験上、費用対効果としておすすめしている人事施策の1つは、
「主要なスタッフをできる限り、会社の年間計画を決めるプロセスに巻き込んでいく」
というものです。
ベトナム法人の年間目標や実行計画作成プロセスに、どこまでベトナム人幹部が参加するかは会社様の業界や社風にもよると思います。
ただ、できる限り参画してもらって、一緒にワイワイガヤガヤ、意見を出してもらったりすることを薦めします。
実際に案を採用するかどうかとは、また別に「参画意識」という意味合いがありますので。
やはり、人間、計画の「末端」にいるよりは「中枢」にいる方が、色々な施策が必要な「理由」が見えますので、当然、「我がこと意識」が醸成されます。
そうなると「責任感」「愛社精神」も強くなってくるのは、まぁ、概ね、ご共感いただけるのではないかと思います。
逆に、「なんで、この会社は、この計画を掲げているんだろうか?」というのが、よく見えない状態では、やはり、どこか「他人事」意識になりますので、会社への愛情というのはなかなか湧きにくいのかな、と思います。
日系企業は、経営計画や人事計画の全体像をベトナム人幹部にすら、あまり開示・共有しない傾向が強いように思いますが、これを共有することでの上述のような好影響を考えれば、一向の価値はあるのではないかと思います。
ご参考になれば幸いです。
今回の教訓!!
目指す場所と到達方法を一緒に考えることで参画意識を高め、離職を防ぎましょう!
以上 豊田英司