【読書】「左翼老人」(森口朗 著)(満足度6点/10点中)

【どんな本かを一言で言うと?】

・いわゆる「左翼的な志向」を持った人が多い日本の「団塊世代」の方について、それを批判する立場から著者の意見を述べた本

【読もうと思った理由は?】

一般的に「左翼」と呼ばれる思想志向がどんなものかを知りたかった。

【読後の感想を一言で言うと?】

・内容は新規の情報もあり、「左翼的思考とはどんな考え方のことを指しているのか」についてそれなりに参考になった。

が、「左翼的な思想を持っていたら幸せにはなれない」は、さすがに極端、というか「蛇足」なスタンスであると思う。

私自身が、思想自体の適・不敵はあって、それ自体で人間を判断したくないので、左翼思想を持った人は幸せになれない、という書き方はあまり心地よいものではなかった。

【どんな知識・情報が身についた?】

・戦後、日本の学生の間に左翼的な考えが広まっていく過程や左翼的な思想を持つ団体の現状について、新しい情報を得られた。

「うたごえ喫茶」や一部の学生演劇集団がそのような傾向を持った人々の意図によって形成されていたと言われている、と言うのは新しい見解であった。

【読後、行動のstart, stop, keep, changeへの影響は?】

・自分の主義主張と他人の主張の違いを述べる、分析することと、「だから、それを信じている人は不幸だ、憐れだ」と断ずることは切り分けないと、仮に内容が正しくとも、相手にも届かず、周囲からもその独善性を嫌われてしまうので自分も「事実」と「価値判断」をキチンと分けていこうと改めて思った。

【メモ】

内容の賛否を問う前に、「左翼思想を信じてる人は不幸です」というメッセージが強すぎて、あたかも、それを証明するために、論旨にあったエピソードを集め、そういう結論になるような解釈をしている、と思われても仕方がない部分があるかと思う。

当然だが思想的に「国家の経済発展に対して合理性が低い」かどうかと、「その考え方を信じる人の人生が不幸か」は、当たり前だが全く別のことなので、そのスタンスは余計かな、と思う。

以上


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