見出し画像

ベトナムの労働許可証の取得を見ていて思うこと


最近、ベトナムでの労働許可証の取得について、何やらトラブルが多かったり、時間が以前よりかかっていたり、というご相談が増えていますね。

原因は人それぞれ、なんですが、まず、全般に思うのが、

「外国人に喜んで労働許可証を出す国はあまりない」

という前提があまり共有されていないよなぁ、、とは思います。

「出して当然なのに、グズグズして、けしからん!」

という話なんでしょうか、、、と言いますか。。。

基本的に自国経済が

「外国人がいないと回らない状態」

というのは、国としては望ましい状態ではないのは、誰でもお分かりと思います。

だって、同じ年間5万ドルの給与を渡した場合、自国民なら90%程度は国内に消費する=国内GDPの増加に貢献します。

が、外国人の場合、自国への仕送りなどもあり、自国民に比べると、その国で消費する額は減る場合が大半であろうとことは、まぁ、さほど、反論はないと思います。

そうなったら、そりゃ、政府からしたら同じ仕事やるなら、将来的な経済成長や税収を考えたら自国民にやらせたいでしょう。

こういうことを考えずに自国にどんどん安い外国人労働者を招いてしまうと、その瞬間、ある企業の人件費は下がるので、その特定企業の利益は短期的には上がります。

ただ、結局、国全体を見れば、自国民の給与が上がらない、どころか、雇用されず給与ゼロ、になると、

「自国でお金を使わない=その国のGDPはどんどん縮小」

していくので、将来的には

GDPの大幅縮小=お金ないから子供産めない、産んだとしてもお金ないから低レベルの教育機会しか与えられない=高度な人材が育たない=さらにGDP減少=GDP低下で、もう外国人は呼べない=自国民は教育レベルが低い=産業が育たない、衰退する=GDP低下、、、以下、このスパイラルが続く、、、

に入って結局、その国家、その民族は衰退していく、となるんじゃないかなーと私のような無学な人間は短絡的には思うんですが、頭がいい人がいろんな理屈を使うと、外国人を際限なしにじゃんじゃん自国に招き入れた方が経済は長期的にも成功します、という話になるんですかね??

ま、いずれにしても、どこの国でも、外国人への労働を許可するという行為は

・人手が足りない(=自分たちが提示する条件では自国人材が集まらない)
・外国からの投資や技術が欲しいので交換条件として

政府としては全体のバランスを見て「致し方なく」、許可される類のもので、「出して当然!」ではないので、我々、ベトナムで働かせていただいているものとしては

「ベトナム政府から見ると”致し方なく”やってもらっているのだから、こちらも、できる限り協力的に資料や情報を提供したりして、”私は怪しいもんではありません、ベトナム経済の成長にきっと役立ちます!”という熱意と誠意を示して、なんとかかんとか許可をしてもらえるとありがたいな」

というくらいの「感謝の気持ち」のマインドセットがいるのではないかなぁ、、と個人的には思っております。

(アジアゲートベトナム代表 豊田英司)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?