第1030回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ベトナムのコメ輸出業者、インドネシアの汚職疑惑でブローグ社との関係を否定
本日の記事：
「ベトナムのコメ輸出業者、インドネシアの汚職疑惑でブローグ社との関係を否定」
原題：
" Vietnamese rice exporter rejects connection with Bulog amid corruption allegation in Indonesia "
【本日のポイント】
（１）ベトナムの米輸出業者Tan Long Groupは、インドネシアで起きている汚職疑惑に全く関与していないと断言しました。
（２）インドネシアの市民団体がベトナムからの輸入米をインドネシア食糧庁が相場よりも高値で購入したという汚職の疑いを報告し、調査が進行中です。
（３）この汚職疑惑はベトナムからインドネシアへの米購入に深刻な影響を与える可能性があります。
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【解説】
アジアゲートベトナム代表の豊田です。
さて、今日の記事について。
インドネシア食糧庁が相場よりも高額にベトナムの米を購入して、何らかの便益を得ているのではないか、という疑惑がインドネシアの市民団体から起こされ、騒動になっているようです。
ただ、金額自体は、他国への輸出よりも安いようですし、まぁ、何だかよくわからないですね。
それにしてもインドネシアって、米を輸入してることに驚きました。
私はベトナムの前は駐在員でインドネシアにいましたので、「いくらでもコメが取れる国」に印象がありましたので。
（外務省ウェブサイトより）
これを見ていただければわかるようにインドネシアは世界第4位の米生産国で、5位のベトナムよりも米の生産量は多いですので。
まぁ、でも、インドネシアの人口は現在、２億８千万人で、ベトナムの１億人と比べるとはるかに多いので、その点からするとお米が足りなんでしょうね。
ベトナムの農業農村開発省によると、今年最初の6ヶ月間にベトナムは468万トンの米を輸出し、29.8億ドルを稼ぎ、前年同期に比べ数量で10.4％、金額で32％増加し、ベトナムの米輸出の新記録を樹立しているそうで、絶好調ですね。
日本の米生産量が1000万トンなので、ベトナムって、それと匹敵するくらいのコメを世界中に輸出してると思うと、すごいことですね。
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【記事の日本語訳】
輸出準備のためベトナムで船に積み込まれるベトナム米。
ベトナムのコメ輸出業者、インドネシアの汚職疑惑でブローグ社との関係を否定
ベトナムの米輸出業者Tan Long Groupは、ベトナムから米を高値で購入し、1億8000万米ドル以上の損失をもたらしたとして告発されたインドネシアの2つの機関のうちの1つであるインドネシア国家物流庁（Bulog）とは何の関係もないと断言しました。
ハノイを拠点とするベトナムのアグリビジネス企業Tan Long Groupの会長Truong Sy Ba氏は、インドネシアの市民団体People's Democracy Study (SDR)がBulogとインドネシアの国立食糧庁に対して行った汚職疑惑を受け、水曜日にTuoi Tre（Youth）紙とのインタビューの中でこのように断言しました。
在インドネシア・ベトナム貿易事務所によると、SDRは最近、ベトナムから米を高値で購入しているとして、インドネシアの汚職撲滅委員会（KPK）に上記2団体を訴えたとのこと。
SDRによると、Tan Long Groupが5月に10万トンの米を市場価格より82ドル高い1トン当たり538ドルでインドネシアに販売したとされることから、汚職疑惑が持ち上がったとのこと。
このような価格差に基づき、SDRは、インドネシアが1月～5月に様々な供給元から220万トンの米を輸入したため、国家の損失は約1億8,040万ドルに達する可能性があると主張。
一方、Ba氏はTuoi Tre紙に対し、Tan Long社は昨年から韓国のPosco社を通じてインドネシアに3万トンの米を1トン当たり620ドルで輸出する入札を1件落札しただけであると説明。
同グループはBulog社からインドネシアへの米輸出の入札パッケージは直接落札していないと主張。
「ブローグが何なのか知りません。ここ数日、汚職疑惑に関する情報が飛び交っていますが、私はブローグとは何の関係もありません」と強調。
この疑惑に反論し、ブローグは「ベトナムからの米輸入に関する『値上げ』疑惑の被害者であり、KPKに報告された」と主張していると、インドネシアの雑誌『テンポ』が今週初めに報道。
Bulog社のサプライチェーンおよび公共サービス担当ディレクターであるMokhamad Suyamto氏は、タンロン社が今年インドネシアに米を輸出する契約を結んでいないことを確認。
在インドネシア・ベトナム貿易事務所は、この汚職疑惑は2024年末まで、あるいは少なくともこの件が調査・解明されるまでは、インドネシアのベトナムからの米購入に深刻な影響を与える可能性が高いとコメント。
ベトナム税関総署の統計によると、インドネシアは今年1～5月のベトナム産米の輸入量第2位で、輸入量・取扱高ともにベトナム全体の17％近くを占めています。
農業農村開発省によると、今年最初の6ヶ月間にベトナムは468万トンの米を輸出し、29.8億ドルを稼ぎ、前年同期に比べ数量で10.4％、金額で32％増加し、ベトナムの米輸出の新記録を樹立しました。
同省によると、同期の米の平均輸出価格は1トン当たり636ドルと推定され、前年同期比19.5％上昇。
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以上 豊田英司
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