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第835回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ベトナムのサッカーチームが移籍金トラブルで敗訴し、スロバキアのチームに賠償金を支払い

本日の記事:
「ベトナムのサッカークラブが敗訴、スロバキアチームに選手のトレーニング費用として7万3000ドルを支払う」
原題:
" Vietnamese football club lose lawsuit, pay Slovak team $73,000 for player training expenses "

記事リンク:https://tuoitrenews.vn/news/sports/20230628/vietnamese-football-club-lose-lawsuit-pay-slovak-team-73000-for-player-training-expenses/74089.html


(写真:2019年ベトナムVリーグ1節のSHBダナン対タン・クアンニン戦でプレーするファム・タイン・ティエップ選手(左))


【本日のポイント】

(1)ベトナム サッカーリーグ1部SHBダナンFCは、スロバキアのサッカーチームFCバニク・プリエヴィッツァとの選手移籍に伴う裁判で敗訴し、罰金と選手トレーニング費用として約73,000ドルを支払ったことを報告。この訴訟は、SHBダナンFCがFIFAで定められた23歳未満の選手移籍時に支払うべきトレーニング費用を支払わなかったことが原因。

(2)SHBダナンFCの前会長は、「移籍に関する規則や法的手続きに精通した専門家を欠いていたことが根本的な原因」と語り、問題の解決が遅れた原因として、パンデミック中のコミュニケーション不足と選手の移籍を仲介したブローカーへの過信を挙げた。

(3)この事件から、国際ビジネスの難しさや、ベトナムでの不払い問題への示唆、そして協力パートナー(このケースではブローカー)との関係性リスクなど様々な問題について考えさせられる。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

私の専門は「ベトナムでの人事労務・人事マネジメント、および会社設立」なのですが、やはり、ご相談の中で、「ベトナム企業が支払いをしてくれない」と言う問題のご相談は後を断たちません。

私はこの分野には精通していないので、その道の専門の方とお話しすることもあるんですが、この手の問題の解決は非常に難しい、というのは、まぁ、その、手がないこともないのですが、それは日系企業には、中々、決断しづらいと言いますか、、、(以下、ご想像にお任せします)

で、今回の騒動ですが、

「ベトナムのサッカークラブが敗訴し、スロバキアチームに選手のトレーニング費用として7万3000ドル(約105万円)を支払った」

という内容なのですが、私は何に一番、目を引かれたかって、もちろん「支払った」と言うところですね。

お、ちゃんと支払ったんだ!と。

まぁ、ベトナムでの支払いの遅延・不払いは「通常運行」ですから、その中で外国企業との裁判で負けた費用をちゃんと支払うなんて、日々、ベトナムビジネスをやってる身からすると、なかなか奇跡的だな、と。

ちゃんとSHBダナンFCの会長が

「クラブは罰金と補償金を指定された受取人に送金することに成功し、この問題は終結しました」

と、お金を振り込んだことをちゃんと報告しております。

内容的には、スロバキアのチームでプレイしていたベトナム系の選手がベトナムのチームに移籍したんですが、FIFAの規定では、クラブが23歳未満の選手とプロ契約を結ぶ場合、その選手が以前所属していた練習機関に練習費を払い戻す義務があったそうなんですね。

そこでスロバキアのチームがSHBダナンに対し、2度にわたり、当時6万ドル以上にものぼるこの費用の清算を求める文書を出していた、という話だそうです

この裁判は3年以上続き、結局、SHBダナンFCは罰金の支払いと選手のトレーニング費用として約7万3000米ドルを支払った、ということです。

まぁ、今回、ちゃんと支払いがされた一因には「FIFA」という絶対権力があって、ルールを破る対象に対して、大きなペナルティーを課すことができる、と言うことと、FIFAが小さなレベルの「コネやカネ」では動かない、と言うことも大きいでしょう。

ベトナム企業がベトナムで不払いを起こした場合、この「絶対権力」が機能していないので、外国企業は極めて不利になりますよね。

日本政府はどうか?とか思いますが、まぁ、日本政府もいちいち民間の係争事案についてサポートしたりはしていないし、そんな専門組織ではないですからね。

私の経験上、ベトナムでの不払いを防ぐには1に人間関係、2に「・・・」(ご想像ください)、そして、何より、しつこく取り立てを継続できる熱情、これだと思います。

現在、ベトナムの経済成長に伴って、ベトナム企業との商談を進めている日本企業も多いですので、今後、ますます、この手の「債権回収」トラブルは増えるのは目に見えていますので、スロバキアの事例は考えさせられました。

以上 豊田英司
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