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ベトナムで人事を行う上で1つ気を付けることを挙げてください、に対して

ベトナムの人事制度についてセミナーなどでお話しさせていただいて、その後の懇親会などでよく聞かれるのが、やはり、


「ベトナムで人事を行う上で気を付けることは何か?」


というご質問だと思います。

まぁ、これはあげるとキリがないですが、1つだけ言えと言われたら、いつも

「あなたの従業員が、あなたがその方に期待している成果が何で、それを実現するための手段(行動)はこれだ、ということを私が質問した時、即答でき、かつ、あなたとぴたりと同じ、という状態が作れているか?」

とにかく、これを常に考えること、というお話をします。

「いや、そんなん、日本でも一緒でしょ」

で、まぁ、そうなんですが、やはり、外国に来ると、文化の壁、言葉の壁もあって、まず、会話量(および、伝られる量)が母国にいるより少なくなってしまうのは仕方のないことです。

ですので、自分の期待を相手に伝えるための努力は母国以上に必要ということになります。

いくら、いい評価項目を作ったり、昇給額を知恵を絞ってあれこれいじっても、そもそも、

「こちらが考えていることを相手と半分くらいしか握れていない」

状態というのは、高性能のドローンを電波激弱で操作しているようなもので、、、、

こう考えると、人事部が作った無茶苦茶いっぱい評価項目がある人事考課表を半年に一回しか見ない、引き出しから出してみないと評価項目がなんだったか上司も部下も覚えていない、という状態は、もう完全に、

「人事考課でABCをつけるための手段」

でしかないという、とっても不毛な状態にあるように思います。

そんなことなら、2、3個だけでも、「絶対、やって欲しいこと!」を上司と部下がA4のペラ一枚に書いてデスク前に貼っておいて、できてるかどうかの進捗を週一(必要なら毎日でも)で話し合う方がよっぽど意味があるのでは?といつも思ってます。

以心伝心を、いかにシステムとして、確実に行えるようにするか、ですよね。

ちなみに我が社は基本的には、そういう原理原則で動いてます。

手段でしかない「人事評価制度」が「すごいのを作らなければいけない」扱いになってしまうのは本末転倒な気がするんですが、、、、

まぁ、会社が大きくなると、どうしても、ABCをつけるための「理由」として、いっぱい評価項目を作って、「どっかでケチつけられる」状態を作らないと上司もやってられない、という現実論もあるんですけどね。

まぁ、複雑怪奇な人事評価制度に「振り回されてしまう」ようにならないで、こっちが使いやすいものを使いこなす、という意識が肝心ですよ、ってことで。

(アジアゲートベトナム代表 豊田英司)
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