指導者養成講座について

今年も早々に中学受験が終わってしまった。
今年担当した生徒は2名だけだったが、最初の生徒は、1月下旬に第一志望の寮生の中高一貫校に合格した。筆者推奨する表現活動的歌も楽器もぶっ飛びで上手く、それにスポーツ、自然体験が十分な彼は、都会から逃げて、景色のいい学校設備で気持ちよく成長しようと企んでいる。イケイケ、イケる限り自己成長するのだ。
もう一人は、まだ都立の中高一貫校の発表が残されているが、すでに第1志望の私立に合格してしまっているので、最早その合否は関係ない。この生徒は、焚き火好きで、奥多摩古民家に、中高生に入り混じって「お泊まり」を楽しみ、その縁で小学生なのにリベラルアーツに参加するようになった。実は奥多摩古民家連は「作家」たちの集団なので、この生徒も物語を書くようになっている。物語が書けるようになると、単なる体験作文の一枚「上」を行くようになり、その結果、「ウソでもいいからテキトーに書く」ことができるので、設問の意味さえ読み取れれば、合格答案を書くことができる。もちろん学校が欲しいのは、その「技術」を有する者である。
彼らは第一志望に1発で受かるのではない。2回目か、3回目の試験で文章力を試されると合格するのである。これはここのところ毎年定型のV-net合格のさせ方になっているが、実はこれは、他の受験者の文章力がよほど低いためだからだと想像される。みんな全然文章が書けないのである。そして学校はすでに文章が書けるようになっている子が欲しいのである。その理由は、学校教育では作文が書けるように教えることができないから。
えっ?なんで?
私の生徒ばかりか、V-netに通う生徒たちは皆文章が書ける。V-netでは書けることが当たり前になっている。「当たり前」になっているから、他の子たちも当然文章が書けるようになっているかと思うと、全然そうではないらしい。
ほとんど塾に通わず、つまりほとんど受験勉強しなくても、文章が書けるということそれだけで志望校に合格してしまう。これは今年で5年以上連続のことであるが、第一志望合格率は圧倒的に高い。
ゆえに、他の教育機関もやがてそのことを知って、文章力のある子どもに育てて合格率を上げるという作戦を取るかと内心ややヒヤヒヤしていると、そんなことは全然ない。今年も「ラクラク」とその作戦で成功である。
塾に通わず、自然体験の蓄積と文章力で合格する。
つまりあまり受験勉強しないで合格する。
もちろん「過去問対策」はより綿密に行う。
「偵察」のために、名高い中高一貫公立進学コースに顔を出した生徒は、ひとクラス約二十人を担当する講師に、予め、「個々の添削をすることはできない」と伝えられたという。「添削」すらできないのであるから、対面指導的「抽象構成」は教えようがない。このことは、集団授業では、ギター演奏習得よりも簡単な作文力が身につかないことを示していると言えるのかもしれない。もちろん「ギター」だって、教室で習うのではない。直接誰かに弾き方を習うのが普通であるが。またこの講師は、文章末尾を、必ず「と私は考える」とするように指導しているそうだが、それではかえって末尾をどう収束させるかを臨機応変に変える文章の表現術を捨象させることになる。金を払って文章力向上の逆をされる。でも仕方ない。講師が悪いのではない。そもそも営業目的の「多人数制」なのだから。「添削」すらできないのであるから。「引っかかる」方が悪いということになる。
ここまでくると、ひょっとすると塾は添削能力のない人間を教師として雇っているのではないかという「疑い」も生じてくる。牛丼屋の店員と同じ。味がわからない客に「エサ」を供給するだけの仕事。
実は作文力には十分な日本語古典の音読体験が必要である。
音読指導、作文指導のできる「教師」を増やすこと。
そうすれば、ガンガン日本語で文章を書く者が現れてくる。
そしてそれだけで大学も合格できる。
今日は昼から、Zoomオンラインサロンを兼ね合いながら、そのことを煮詰める議論をしたが、若い人たちの「協力」には、本当にアタマが下がる。坂道を、電気機関車を連結されて進まされている「汽車」になったような気分にさせられる。この時現れるのは、電動アシスト自転車で得られる効果と同じような「効果」である。
ありがたい。
我々は、「利潤」を追求しない。そうではなくて多くの子どもたちを「救う」ために、未来的に良い教育方法を提示し続けようとするのだ。
みんな惜しみなく公開するよ。
「カタカムナ音読法」も、「抽象構成作文法」も、「サイコロ暗算術」も、「リベラルアーツ」も、この方面インストラクター=後継者を名乗り出る人は、ぜひ前田さんの展開する「EDORG」にアクセスして欲しい。個人塾の先生などぜひアクセスしてきて欲しい。これを習得して教えられるだけで、まるで「産婆さん」のように生活の「糧」を得ることも可能になるよ。
これに接する全ての子どもの言語能力を推進する運動。
我々は4月より、本格的な指導者養成講座を開講する。
これによって、指導者を育成し、全国の子どもたちの国語力を伸ばす活動を開始する。
繰り返すが、我々はこのメソッドに確信的正しさを見出している。
そして、それがあまりに良いから、これをより多くの人に伝えたいだけ。

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