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魚遍歴

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松永暢史の子ども時代の回想録。落ち着かない男子をどう育てるべきかが分かる子育てエッセイ。
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記事一覧

「マンボウ」ー私の魚遍歴

14日夕、西空低空に大きな近地点直後の三日月。 今これを書き始めようとすると、思いがけな…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー手賀沼

手賀沼は、千葉県北部にある利根川水系の湖沼である。 あれは確か「マンボウ」に出遭う直前の…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー手賀沼2

午前4時30分。ハシは約束通りに野方駅にやってきた。 西武線始発に乗り、高田馬場を経て日…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー4

いや本当にいろいろなことを思い出してしまう。 小5の終わりに塾に入れられた。家から自転車…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー5

午前6時。我孫子駅を降りると、向こうにバスが一台止まっているのが見える。 表示を見ると、…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー6

魚が獲れることをその「経験」が上回る。 それは自分でも認識できないことで、大人にも伝えよ…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー7

明くる日の月曜日、学校が終わるとすぐマンボウに飛んでいった。ヤマギシも駆けつけた。 熱帯魚屋の店主は言った。 「キミたちが獲ってきたのは452匹。そのうち今朝まで生きていたのが186匹だった。つまり266匹が死んでいた」と言って、発泡スチロールの上の新聞紙に並べたタナゴの死骸を見せた。見ると、だいたい小さい順から大きい順に綺麗に並べられ、まるでミニ魚屋のようだった。 「1匹5円で186匹だから、930円ということになるが、1000円におまけしておこう」 「えっ、死んじゃった分

私の魚遍歴ー8

魚を生かして帰ってくるには、水替えができれば良い。幸い当時どの駅のホームにも水撒き用の水…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー9

マンボウの店主は言った。 「魚が死ぬのは酸欠のためだ。だから、ここにあるような酸素を入れ…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー10

午前7時。我々は目的の「漁場」に着いた。我孫子からは、回を重ねるたびにどんどん「学習」」…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー11

<私はもう、これをこれ以上書き続けるのは止めようと思いかけているが、これを書くうちに、実…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー12(続き)

父は何気ない口の利き方で言った。 「お前、まだベーゴマっていうのやっているのか?」 「ああ…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー13

自室に戻って机に座り、散乱した部屋を見回すと、なんとも意味がないものばかりがあるように思…

松永暢史
9か月前
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私の魚遍歴ー14

私は机の上にスケッチブックから剥がした紙を置いて、そこにクラスで自分より成績が良さそうな者の名前を書いてみた。 それはあっという間に10人以上になった。その中でも特に優秀と思われる生徒名の下に赤線を敷くと、それはどうやら3名と言うことになった。 そこで閃いた。次回のクラス壁新聞の特集は「各クラス成績優秀者の研究」と言うことにしよう。そうすれば各クラスの優秀者を把握することができる。 次の日学校で、各クラスのトップではないがそれなりにできると思われる知り合いの生徒に、「壁新聞の