小田急利用大全(無印)
直近で小田急に乗る・小田急沿線で生活することを計画してるような人にとって役立つ、小田急の利用心得になればと思い記事を作成しました。列車の種類や大きな駅の特徴など、覚えて損はない実用的な豆知識をなるべく分かりやすく解説します。
小田急という路線の性格
『小田急電鉄』は東京都の新宿と、神奈川県の観光都市かつ西湘地域の中核である小田原・小田原から少し足を延ばして温泉地箱根・海沿いの観光地(片瀬)江ノ島・多摩ニュータウンのほぼ西端唐木田を結ぶ私鉄です。
新宿~小田原・箱根湯本を結ぶ「小田原線」
新宿~(相模大野)~藤沢・片瀬江ノ島を結ぶ「江ノ島線」
新宿~(新百合ヶ丘)~唐木田を結ぶ「多摩線」
という区別です。
あと
代々木上原を起点とした地下鉄千代田線・JR常磐線【小田急⇔千代田線⇔常磐線という位置関係】
新松田を起点(※)としたJR御殿場線
小田原を起点とした箱根登山線
と線路が繋がっており、それぞれ直通運転も行われています。
※厳密には新宿方面から御殿場線に直通する際、線路配置の関係上小田急秦野駅を発車後はJR御殿場線の松田駅に到着します。小田急の新松田駅とは直線距離で50m離れていますが、乗車券等はシステム上新松田駅と同じ場所として扱ってくれます。
目的地は分かっているけど、どの行先の列車に乗ればいい?
小田急は実に色んな行先案内が表示されます。ただし理屈は至ってシンプルで、新宿から下りなら3方向、上りなら2方向のいずれかに向かうことを示しています。
【下り】
小田原・箱根方面の行先:【経堂、成城学園前、向ヶ丘遊園、新百合ヶ丘、相模大野、】海老名、本厚木、伊勢原、秦野、新松田、小田原、箱根湯本
江ノ島方面の行先、【経堂、成城学園前、向ヶ丘遊園、新百合ヶ丘、相模大野、】大和、藤沢、片瀬江ノ島
唐木田方面の行先:【経堂、成城学園前、向ヶ丘遊園、新百合ヶ丘、】唐木田
御殿場方面の行先:【経堂、成城学園前、向ヶ丘遊園、新百合ヶ丘、相模大野、】海老名、本厚木、伊勢原、秦野、御殿場
【上り】
新宿方面の行先:新松田、本厚木、相模大野、町田、新百合ヶ丘、新宿
千代田線方面の行先:綾瀬、北綾瀬、我孫子、松戸、柏、取手(全列車が小田急線代々木上原駅から地下鉄千代田線へ乗り入れ=新宿へは行かない)
上記の画像を保存して頂けると、土地の位置関係・行先の判別が容易になるかと思います。ぜひご活用ください。
どの種類の列車に乗ればいいの?
小田急には7種類の列車が同じ路線を走っています。
停車駅が少ない順に
特急ロマンスカー(乗車賃とは別に特急券を買う必要があります
気前のいい関西私鉄と違ってちょっとでもいい椅子に座ろうとすると金をせびるのが関東私鉄の風習です)快速急行
急行(朝ラッシュ時間帯には急行より早い『通勤急行』が別に走ります)
準急(朝ラッシュ時間帯には急行より早い『通勤準急』が別に走ります)
各駅停車
です。
小田急の運行形態(どんな列車をどこに走らせているか)は、上の図のようなイメージになります。路線の一部分でちまちまと全ての駅に止まるタイプと、停車駅が少なく路線を踏破するタイプの二種類です。
結論から言うと利用者の大半は急行系運用に乗ります。新宿~小田原、藤沢、唐木田を一本で結ぶのは、基本的に急行系(速達系とも)電車です。通勤通学、帰宅、休日の観光利用だと最も混む部類の列車になります。特に小田原、藤沢(江ノ島)方面は平日でも観光地に小田急を使って移動する人が多いです。JRに比べて圧倒的に安く、日帰り観光で満足できる地域というのが首都圏在住者からしたら自然と絞られてくるので。
小田急のリアルな混雑事情を具体的にイメージするなら、この動画を一度通しで視聴されることをオススメします(投稿はコロナ開始直前期ですが、なんだかんだ大して通勤事情は変わってないと思います)。
ロマンスカーに乗るには?
まず覚えて頂きたいのが、ロマンスカーは「特別な座席に座れる急行」列車(略して特急列車)です。所要時間短縮というよりは、ゆったりとした移動空間が欲しい人向けの列車です(※)。新宿発の平日帰宅時間帯のロマンスカーは常に満席なので、仮にそのタイミングで乗るのだとしたら早めに予約と決済を済ませておくべき。
2022年10月からは、世の流れを汲んで特急券システムが大幅に変更されました。特急料金は平均して従来比の110%に。最も肝心なのは、オンライン決済と現地購入で価格が異なる点です。
オンライン決済(チケットレス特急券)の方が7~8%安いです。逆に言えば、駅の券売機で紙の特急券を買うと高くつきます。
チケットレス特急券はここから買えます。電話番号とクレカ情報が必要です。なお、オンラインで予約だけして駅で紙の特急券を発券する際の料金は、単純に駅の券売機で最初から買うのと同じだけ料金がかかります。
駅の券売機で最初から買おうとすると、料金が高くなるのに加え、座席が窓側or通路側としか指定できません。紙の特急券が欲しいという人以外には、あまり勧められませんな…。
※例外として『スーパーはこね』号:土日の新宿駅9:00,10:00発車の便だけは速達性も重視されています。
混まない列車・車両は無いの?
小田急は割と路線の端から端まで乗る人がかなり多いです。小田原・箱根方面は観光・温泉客、江ノ島も観光客、唐木田方面は多摩ニュータウンの住民が多く利用しているからです。平日朝の上りは小田原発新宿行き(所要時間100分ほど)の列車でも小田原出発前に椅子がほとんど埋まります。
ただ、全員が新宿を目指すのではなく、小田原線なら途中の新松田・伊勢原・本厚木・海老名・相模大野・町田、江ノ島線なら湘南台・大和・中央林間・相模大野・町田、新百合ヶ丘より新宿方面でも登戸・下北沢・代々木上原で、乗客の3~5割が入れ替わります。それぞれの駅が大きな都市圏、乗換駅としても機能しているからです。
悪く言えば小田急はどの路線・どの時間帯も慢性的に混んでいます。車内に数人しか乗ってないなんて、小田原線の秦野より西か終電・始発帯の各駅停車くらいでしょう。(だから多少サービス悪くてもロマンスカーは稼げる)
電車遅れてる気がするんだけど…
い つ も の こ と で す 。
小田急は誇張抜きに、2~3日に一回のペースで遅延が発生します。遅れない方が珍しいレベル。ましてや3分程度の遅れなら案内が無いこともしばしば。時刻表はいつから目安時間になったんですかねぇ…って言いたくなるくらいに、サイレント遅延をかましてきます。
遅延自体厄介ですが、サイレント遅延が悪質なのは、乗客一人一人の他路線への乗り換えを考慮していないという点です。乗り換え時間は我々にとって1分1秒を争うほどの貴重な資源ですが、小田急からしたら「知ったこっちゃないね」と言わんばかりの放置主義です。乗り換えに間に合わなかった乗客の方に非がある構図を推しつけています。そんなんでよく鉄道会社やってんな。小田急には時間に余裕をもって乗りましょう。幸いにも運行本数だけは他の会社に引けを取らないレベルで充実しています。
定期遅延を報告してくれる公式アカウントが存在しますので、ツイッターを利用している人はフォローしておいて損はありません。
今回はこの辺でおひらきにします。また良いネタがあったら掲載しますね~
ご覧いただきありがとうございました。
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