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YouTubeとコンサートへの想い

こんにちは、ヴァイオリニストの宮城弦です。

演奏家は演奏を披露する場所と、聞いてくださる聴衆がいて成り立ちます。2020年から始まった感染症によって、演奏家は数ヶ月に渡り職を失いました。

そんな2020年から始めたYouTube
元々は、地元でも開催される東京オリンピックによる交通規制によって外出に制限が出てしまうであろう子供たちに何か出来ないか?という、ちょっとした地域貢献の想いから始まりました。

オリンピック期間に行うコンサートの下準備として、1回春休みにコンサートを行おうと計画し、準備を進めていたところ
2020年2月に予定されていたオペラがいち早く中止になるなど、なにやら雲行きが怪しくなってきました。

緊急事態宣言によるホールの休館により、コンサートは中止を余儀なくされます。

しかし、このオリンピックに向けたコンサートは子供たちにアコースティックの楽器の魅力を伝えたいという想いから「季節ごとには開催したいね!」「せっかくだからYouTubeもゆくゆくはやりたいね」なんて話をしていました。

そんな話もしたので、
「コンサートが開催できない」→「子供たちも外出できず退屈している」→「じゃあ配信コンサートをやればいいよね」と、すんなり配信コンサートをすることが決まりました。

YouTubeもそのうちやりたいね!なんて話していたこともあり、有料配信ができるTwicasなど他のサービスを使うのではなく、YouTubeでやろう!

しかし、YouTubeはチャンネル登録1000人を超えないと収益化できません。必死に宣伝しましたが、集まったのは約80人。

この配信コンサートを準備している間にどんどん来るキャンセルの連絡
翼をもがれた我々は「何か表現をしたい!」「社会の役に立ちたい!」「仕事をしたい!」という欲求と、強い絶望に揺れ動いていました。

これはなかなかコンサートが難しそうだな…
こういう窮地のときに仕事を作れる人間でありたかったな…

と思い、配信コンサートを発展させ「こどものうたチャンネル」を開設することにしました。

おかあさんといっしょの放送がない日曜日の朝8時に毎週公開しよう!とハードル高めの更新ペースで始めます。

なかなかコンサートができる状況にならず、オンラインレッスン以外の仕事がない不安な日々の中、音源制作を含む動画制作に勤しみます。

収益化まで程遠く大赤字のチャンネル運営も、幸いにも色々な支援金や補助金があり続けることが出来ました。

徐々にコンサートも再開されつつある2020年秋
文化庁の補助金で配信コンサートを開催することにしました。

この時のチャンネル登録者数は250人。まだ収益化の1000人まで程遠い状況です。

YouTubeの規約上、チケット購入者だけの限定配信ということが出来ないので、「投げ銭」という形をとります。

数十万円をかけた配信コンサートでしたが、知名度もまだ少なく投げ銭の売上0…

2020年は、「こどものうたチャンネル」だけでなく、新卒の音楽家の活動の場をつくりたい!とクラウドファンディングも行いました。

2021年2度目の緊急事態宣言発令中に、文化庁の補助金による宮城楽四重奏団 音楽物語「てぶくろを買いに」を開催します。

これらの反動や3度目が出たら音楽家をやめよう!と思っていた緊急事態宣言が発動され、再び不安な時期だったこともあり、その後は主催公演をするという活力が湧いてきませんでした。音楽をやめるという決心がつかないまま、数少ない演奏活動をし、YouTubeを制作し続けます。

2022年になり、コンサートも対策をしながら多く開催されるようになってきました。3月には念願のチャンネル登録1000人を超え、収益化することが出来ました!

そうこうしているうちに、感染者数が減り落ち着きを見せてきます。
そろそろ「こどものうたチャンネル」の有観客コンサートをやりたいな!
けど主催公演だと、キャンセルになった場合の負担が大きいな…
という葛藤を繰り返します。

2020年に年長さんだった子は、2023年には3年生となり、「おかあさんといっしょ」「みいつけた!」「いないいないばあっ!」など童謡のコンサートは物足りなくなっている頃です。

1番伝えたかった子供たちに生演奏を届けられなくていいのか?
子どもの1年は大人の1年よりも影響が大きいので7月中にコンサートが出来れば、もし万が一再度感染拡大し始めても夏休みの影響が出始める前にコンサートを終えることができるだろう!よし、開催するぞ!

と準備期間2ヶ月という突貫工事でコンサート開催することにしました。

YouTubeは世界中に音楽を届けることができるけど、有観客コンサートだと病気の子供たちは足を運ぶことが出来ない…
私たちに出来ることはないかな?と考え、難病の子供たちへの支援の方法を考えました。

コンサートの収益の一部を寄付します!というコンサートがありますが、赤字の場合は寄付しなくてよくなります。
一部って?という疑問も出てきます。
なので、チケット代の一部おとな200円こども100円を公益財団法人難病医学研究財団に寄付します!ということにしました。

そして、まだ小さなお子さんを連れて出かけるには感染症が不安という方もいらっしゃるので会場の定員50%に制限することにしました。

しかしチケット発売直前から、またじわりじわりと感染者が増えてきます。
会場が使えなくなれば、ホール代は返金されますが、チラシなどそのコンサートの為に用意したものは無駄になります。

どうにか開催させてほしい!
少しでも多くの方に聞いてほしい!

そんな想いの中、コンサート当日を迎えることになります。
残念ながら、午前午後の2公演で合計70人程度の少し寂しい集客となってしまいました。

しかし、大赤字は大赤字ですが、難病医学研究財団へ6,650円を寄付することができました。子供向けYouTubeは色々な制限があり、その中で「コメントが書けない」というのがあります。なので、視聴者の皆さんにどう届いているか不安なところも多いのですが、YouTubeやコンサートを通して少しは誰かのお役に立てたかな?と思っています。

2019年までの音楽活動と比べてしまうと、すごく苦しい状況が続いていますが、負けじと頑張っていこうと思っています。

2023年7月29日(土)にさいたま市大宮のレイボックホールで、また「こどものうたチャンネル」のコンサートを計画しています。
同時開催で、色々楽しい企画も計画していますので、この日は多くの方と何の心配もなくお会いできると嬉しいです。

YouTubeへの高評価やチャンネル登録、そしてお友達へのシェアなどで是非応援してください。

#誰かの役に立てたこと

▼筆者はこんなことをしています▼
「こどものうたチャンネル」https://youtube.com/c/songs4kids/
おうちで過ごすお子さん達に音楽を!とYouTubeを始めました
楽器での生演奏と歌という今までになかった新しい子供向けチャンネルです
毎週日曜日あさ8時に新しい「こどものうた」を公開しています

皆様からのサポートは、次のイベントやコンサートの企画や準備のための貴重な経費や機材購入の費用とさせていただきます!