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society

彼らの家の炉には、いつも赤々と火が燃え続けている。

ぬらぬらと揺らめく欲情の火。

決してこの火を絶やしてはならない。
脅迫じみた観念に操られるように、
彼らは代わる代わる薪を焚べ続けている。

次々と激しく赤熱し、燻る灰へと変わる娯楽の薪。

彼らの表情が火に照らされる。
快活で満足げな笑顔。
しかし火の赤が映り込む彼らの両眼には、
蛇のように無機質で底知れない酷薄さがきらめいていた。

薪を持たない者は輪からはじかれる。
炉の火を好まない者は去っていく。
しかしそれでも、社会の中心はいつもそこなのだった。

炉を囲む輪には、王が現れる。
彼らの王は火を操る。
王が薪を焚べると、火は一段と強く美しく燃え立った。
彼らはその火に酔いしれる。

いつしか王は衰える。
彼らは酔いが醒めてしまわぬうちに、
王を薪として火に焚べるのであった。

決して火を絶やしてはならない。
最後の一人も薪となるまで。

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