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京春日


京春日は、長岡京から北西に約7㎞の小塩山の麓にある、大原野神社を中心とした地域です。現在は京都市西京区に属しています。

❶大原野神社

(京都市西京区大原野南春日町)
784年、第50代 桓武天皇が平城京から長岡京に遷都した際、皇后の藤原乙牟漏が奈良の春日大社から藤原氏の氏神を、鷹狩が行われていた大原野に勧請した。平安京に遷都した後も、外戚という立場を望んだ藤原氏は女子が生まれると皇室に嫁げるよう祈願し、願いが叶うと行列を作って参詣した。第55代 文徳天皇によって壮麗な社殿が造られた。

大原野神社
神使の鹿

❷ 十輪寺(腹帯地蔵尊)

(京都市西京区大原野小塩町)
850年 第55代 文徳天皇が女御・藤原明子との世継誕生を最澄作と伝わる延命地蔵に祈願して清和天皇が誕生した。その後、勅願所となった。

十輪寺
寺院裏手には在原業平由来の塩竈がある

❸ 正法寺

(京都市西京区大原野南春日町)
鑑真の高弟の智威大徳が、750年頃ここに隠棲。その後、最澄や空海が入寺し寺院となった。大原野出身の江戸幕府第5代将軍 徳川綱吉の母・桂昌院が帰依し徳川家の祈願所となった。

正法寺

【その他の藤原氏の拠点】

❶ 中臣氏の本拠地・山科

山階寺跡(京都市山科区御陵大津畑町)
645年 中臣(のちの藤原)鎌足がゆかりの地で大化の改新の成功祈願をしたのが始まり。

❷ 「春日野」と呼ばれた日野

日野の地は藤原冬嗣の兄・真夏が第49代 光仁天皇より賜ったといわれる。春日野から一字を取って、後裔が日野氏を名乗り鎌倉時代に台頭した。

❸ 吉田神社

(京都市左京区吉田神楽岡町)
859年、藤原山蔭が春日神社を勧請。吉田神道を創始した神職・吉田兼倶が1484年斎場所大元宮を建立し全国の神々を祀った。


【全国の藤原氏関連の史跡】

● 枚岡神社(大阪府東大阪市出雲井町)
● 鹿島神宮(茨城県鹿嶋市宮中)
● 春日大社(奈良県奈良市春日野町)
● 興福寺(奈良県奈良市登大路町)山階寺から平城京に移された。