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2023年11月25日Premier League第13節Manchester City vs LIverpool



スタメン


個人的には左サイドバックにはゴメスを推していましたが、今回はツィミカスを採用しました。
そしてカーティスが復帰しこの3人で(ソボスライ、カーティス、マクアリスター)中盤を組むのはあのスパーズ戦以来となりました。

試合内容

リバプールのブレントフォード戦より

リバプールのビルドアップはブレントフォード戦の後半から採用されていた、GKビルドアップの時点からアーノルドが中に入って2ボランチを形成する3ー2−5を採用してきました。


今までは、GKビルドアップではアーノルドはサイドに張り、4−1−2−3の様な形でビルドアップをしていました。
ですが、これによりマクアリスターへの負担が減るというメリットがあります。

このビルドアップと前までのビルドアップの違い

前までのビルドアップではサイドの低い位置で嵌りやすくなってしまっていて質だよりのビルドアップになっていましたが、このビルドアップではそれが少なくサイドの低い位置で嵌ることが少なくなりました。
しかし、今節はシティのプレスによく嵌っていました。
その理由を考えていきます。

2ボランチのポジショニング

2ボランチのポジショニング、特にアーノルドが自由にポジションを取るためよく嵌められていました。
ファーストプレスの選手の背中を追うように、ボールから角度をつけてポジションを取れば良い感じになるのですが(これはレオザさんのいっている”ポイントに立つ”というのと同じ)、結構自由に動き回るためパスが通せなかったり、無駄な落ちが多かったり、FW(ハートランド)に背中で消されている状態が多かったです。

シティのプレスの練度の高さ

勿論、アーノルドがずっと良いポジショニングができていなかったわけではありません。
まずシティは4−1−4−1の様な形でプレスをかけてきました。
GKからビルドアップを始める(CBがボールをもつ)時はハーランドがコースをカットしてプレスをかけます、そして裏の2IHはリバプールの2ボランチをみてボールサイドのWGは中のコースを切りながらサイドにいる選手にパスを出したらすぐに行けるようにする。 そしてアカンジ(ロドリ)はボールサイドのリバプールIH付く。
そして後ろは逆サイドを捨ててボールサイドにスライドしてスペースを消すという感じです。


そして、ある程度リバプールが押し込んだ時はリバプールのCB、SBがバックパスをしたら、IHがそのCBへのパスコースを切りながらプレスをかけます。そしてハーランドはそのスペースを消し、後ろのロドリ(アカンジ)はそのIHの出たスペースを埋める様な形です。そしてそのロドリ(アカンジ)のスペースをアカンジが埋める。(スペースを埋めるより人に付きながらって感じ)
そして、リバプールに蹴らせるか、サイドに追い込み嵌めます。


それで押し込んだとしても、リバプールの中盤のポジショニングも曖昧さがこのシティ戦でまんまと仇になってしまいうまく攻撃できませんでした。

今節のリバプールのビルドアップの問題点

具体的にリバプールのビルドアップでの問題点を何個か上げていきます。

①CB広がりすぎ、広がらなさすぎ
②左サイドバック低い位置で張りすぎ
③IH自由に動きすぎ


CBが広がりすぎていてCB間でのパス回しの難易度が上がってしまい、距離があるためボールの移動中に相手によさられてしまいます。
CBが広がるため、せっかくSBが低い位置でハマる問題が解決したと思いきや殆どそれと変らない感じになっています。(低い位置で嵌められる)


右サイドバックの低い位置で嵌められる問題は改善したものの左サイドバックがまだ嵌る位置にポジションを取るためそこを狙われてしまいます。

③IHが自由に動きすぎていおり、降りなくて良い時に降りてしまいWGにボールが渡った時にライン間に人がいないためWG独力でどうにかしないといけないかバックパスをするしかないということが起こってしまいます。

前節、チェルシー対シティより

チェルシーは4−4−2でスペースを消しながら構えて中を切り、バックパスやシティがサイドに出したところをスイッチに一気にプレスをかけるという形でした。
このチェルシー戦のシティはウォーカー、グヴァルディオルが押し込んでも基本はサイドに張っており嵌りやすい形でビルドアップをしていました。
そして、チェルシーはSBを低い位置で張らしていたもののCB→SBにボールが移ると若干フリーになるタイミングがあるのでそこをテクニックや周りとのコンビネーションで突破したりカイセド、パルマー、エンソフェルナンデスの技術でプレスを剥がしていました。
シティは嵌めれると思い前から来ているのでチェルシーは疑似カウンターの様な攻撃を仕掛けることができました。

シティのビルドアップ修正

そして、シティはビルドアップを少し修正してきました。
ロドリ、アカンジがなるべく2ボランチを取り続けるのは勿論押し込むとアケ、ウォーカーは少し絞るり嵌りにくいポジション取りをしていました。

リバプールのプレスとシティのビルドアップ

リバプールはソボスライ、カーティスの2IHがシティの2ボランチを(ロドリ、アカンジ)見てヌニェスがパスコースを切りながらエデルソンやルベンディアスにプレスをかけ、サラージョタは張っているSBにパスが通ればすぐにプレスをかけれるような位置にいました。

エデルソンの質とシティのボランチ陣

しかし、そんなリバプールのプレスをいとも簡単に打開してきました。
それはエデルソンのキックの質とボランチの的確なポジショニングで回避していました。
リバプールの2IHがシティの2ボランチに付くぶん、マクアリスターの脇に広いスペースができてしまい、そこをエデルソンのパス精度で使われる場面がありました。

そして、ソボスライやカーティスがそれを気にしてしまうと、ヌニェスが背中でパスコースを消してもシティ2ボランチ(ロドリ、アカンジ)の的確なリポジショニングによりフリーになりそこを出口にされてしまいます。

もしエデルソンがIHへのパスコースがなく、2ボランチにも人が付いていて嵌められそうになっても完璧なパスをSB(ウォーカー、アケ)に供給されてしまいます。

これらによりリバプールのプレスが機能せず、掻い潜られてしまい高い位置でのカウンターができませんでした。

アーノルドとベルナルド

シティはIHが高い位置をとるため言ってしまえば5トップの様な形になります。その為ベルナルドにアーノルドが釣り出され大外のドクがフリーになってしまうことが散見されました。
そのドクの対応をする為にサラーがカバーに入らなくてはならなくなりカウンターの時に高い位置で受けれないことがありました。
サラーが前線に残れないため、ボールを奪ってもカウンターの火力は落ち、そして前線にはヌニェスしか残っておらず周りの上がりを待つ頃にはシティボールになっていました。

リバプールの美しい4−4−2ゾーンディフェンス

サラーがドクの対応で低い位置まで戻されるので4−5−1と言ってもよいかもしれません。
リバプールが素晴らしかったのは押し込まれた時の4-4-2のゾーンディフェンスでした。
ボールを中心にスライドとカバーを繰り返し全員がゾーンディフェンスのセオリーを理解しているからこそ、常に大事なスペースを閉じることができました。このブロックによりシティはライン間で自由にボールを扱うことはできなかったと思います。
そして、WGにボールが入っても常に縦と中を切りながら対応しCBはFWとボールを常に同一視野の中に入れれるようなポジションをとり危険なシーンを作らせなかったです。
このゾーンディフェンスをほぼ完璧に遂行できたからこそ、押し込まれ続けたもののアーノルドの得点に繋がったと思っています。

リバプールのカウンター対応

リバプールのカウンターの対応は素晴らしかったと思います。後ろに残っている選手はまず戻って遅らせることを優先し周りの戻りをまつ。
チーム全体で共通認識としてあるからこそこのような対応ができたのだと思います。

やっぱ俺等はカウンターサッカー

リバプールの良さが出る瞬間はスペースがあり、そこにチームのストロングでもあるスピードを活かした攻撃ができるときです。
しかし、持たされてそのスペースを消されたりすると手こずってしまいます。
クロップも守備とカウンターの仕方のデザインはすごいできているとおもいます。
なので、ボールを持つサッカーよりボールを蹴って回収みたいなサッカーの方が良いと思うんですよね。
恐らくですが、そいういサッカーをしていたけど持たされるようになりボールを持つサッカーにシフトチェンジしたんだと考えています。

リバプールの守備とカウンター

リバプールは相手によって守備のやり方を変えています。
例えば、前で嵌めれる相手だと一気にプレスをかけますし、ブライトンの様に疑似カウンターが得意なチーム相手にはゾーン気味に守ったりしています。
そして何よりカウンターのデザインがされていることです。
ボールを奪うと、前線の選手は広がるように動き、後ろの選手は中に入って行くように動きます。
これにより、ボールホルダーの選択肢が増えるのは勿論、その動きによりDF側も対応をしなければならなくなり、前にいる選手についていけば中が、中に入って行く選手に対応すれば外、何も動かなければボールホルダーがボールを運ぶ、とカウンターで後出しジャンケンできる状況を作れています。




この様にカウンター時真ん中の選手がボールを持つとそれより前の選手広がる様に動くのは局所的にも見られるためチームとしてのデザインされているのだと思います。
例えば、WGにカウンター気味の時にボールが渡った時、SBが外をIHがその横を駆け上がる。

こういうものや、2人でカウンターをする時はボールが持っている選手より前の選手は斜めに動き出し、ボールホルダーに選択肢を与えることができます。

これを象徴するゴールがこれです(1:40)

今シーズンになって、サラーがボールを持つとヌニェスがニアのハーフスペースに抜けだすのはこれが要因だと思います。

そして、これはリバプールのクロップ期のカウンターでのゴールの動画ですが、この様な動きからのゴールが多くしっかりと原則を落とし込んでいる様に思われます。


得点について

アーノルドの得点は素晴らしかったと思います。
それまでに、ドクにカットインさせないような対応の仕方、クロスへの対応、そしてカウンターの原則としっかり準備していたからこそ生まれた得点だと思います。(アリソンの神セーブもあるけど)
カウンターの原則に関しては、ルイスディアスとサラーが広がるためDFラインが広がり、そこを狙って中央に動き出すことからDFラインが下がり最後はアーノルドのシュートを打つスペースと時間ができたと思います。


遠藤選手について

85分辺りからマクアリスターに代わり交代で出場しました。
イエローカードを貰ったものの、あの場面をファールで止めると判断は良かったと思います。
そして、遠藤選手やカーティス、エリオット、フラーフェンベルフもそうですがawayシティで経験を積めた上に勝点を思って帰れたのは素晴らしいと思います。

雑感

今節はシティとのビルドアップでのディテールの差が出た試合でしたが代表戦もありみんなコンディションがあまり良くないように見える中、この内容でシティ相手にawayで引き分けは上出来だと思っています。欲を言えば、最後のシーン決めたかったな。
まだ過密日程ですが、勝ち続けていって欲しいです!!

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