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vol.544「仕事とは〇〇と『ありがとう』を交換すること」



爽やかな季節になりましたね。

ウォーキングが趣味の私は、朝陽に輝く新緑の光景を見るたびに「日日に新たなり」の気持ちなります。そのとき、よく見かける景色のひとつに農協や郵便局の職員さんが店の周りを掃除している光景があります。

掃除はお客様をお迎えする大切な準備です。ただ、見慣れてることもあって、私はそれを見て「感心だな」とは思いますが、特段感動するわけではありません。

一流企業の当たり前

ところが、私のクライアントのA金庫の○○支店は違います。同金庫のある職員が、自分が通っている床屋の店主のお母様(ご高齢)から次のことを言われました。

「朝、病院に行くときにバスを利用しています。バスがA金庫の○○支店の前を通るときに、男性職員が店の周囲や道路の清掃をしている姿をいつも見かけます。見ていて非常に良いことだと思いました。また、散歩で○○支店のそばを通ることがありますが、その時にも金庫の車両がキレイに並んでおり、これも見ていて気持ちがいいです。掃除は大変でご苦労も多いと思いますが、続けていただければ幸いです」

この話は、A金庫内で毎月1回行われている行動指針に則った職員の行動を発表し、承認するワークの中で、報告されたものです。私はそれを聴いて、「これはすごい」と思いました。

物流企業の生き残り作戦

先日、別のクライアントのB物流でも同様のことを痛感しました。B物流は、社員数約100人の物流会社です。現社長が18歳の時にトラックに乗って以来40余年。自分と奥様の行動力と人間力で、トラック一台からこの規模にまで成長してきました。

同社が他の運送会社と違う点は、名だたる大手企業の荷主から下請けではなく、直で仕事を受注していることです。

昨今、物流業界では2024年問題が話題となっています。2024年問題とは、物流業界の働き方改革のことで、長時間労働の規制や深夜の割増賃金の増額の法制化です。この物流改革により、利益の出ない会社は淘汰され業界の再編が進みます。

私は、上記の2024年問題にB物流がどう立ち向かうのか、気掛かりでした。が、それは杞憂でした。上記のように大手企業直需の仕事が多いため、物流費の値上げに成功したからです。

では、同社はなぜ他社にはできない荷主(大手企業)直需ができるのでしょうか?B社長のお話を聴きながら、「なるほど」と得心することがいくつもありました。

B物流の強みの源泉

まず第一に、依頼主が発注先を選ぶ基準は「ドライバーの態度」だと社長は考え、それを磨くことにチカラを入れていることです。社員は「自分は大事にされている」、「社長から愛されている」を日々実感できています。

第二に、安全にとことんお金をかけることです。同社のトラックには、安全装置がフル整備されています。古い車輌を長く使うのではなく、どんどん新しい車輌に切り替えていきます。

第三に、洗車を徹底していることです。ドライバーに洗車を求めるのは、見た目を美しくするだけでなく、車輌の故障個所や不具合をいち早く発見するためです。

まとめ

挨拶、掃除、時間厳守、安全…一見同じに見える所作も、どのような意図でやっているのか、どのような思いを込めてやっているかで、見る人に訴えかける何かが違うのです。それが受注力の違いとなって表れているのでしょう。

「仕事とは、当たり前とありがとうを交換することだ」という言葉があります。当社にとっての『当たり前』が、お客様にとっては『有難いこと』である。だから交換する=ビジネスが成立する、という意味です。

ここに紹介したA金庫やB物流はお客様から見た当たり前レベルが高いのです。それが「あの会社、とことん真面目だね」の安心や「あそこなら、なんとかしてくれる」の期待を生み出し、「またあそこに頼みたい」の差別化要因になっています。

あなたの会社の当たり前のレベルはどうでしょうか?今一度振り返ってみましょう。そして、ちょっとずつ当たり前のレベルを上げていきましょう。

実践に役立つ動画の解説

このメルマガを読んで、「自社でも取り組んでみたい」と思われた方は、以下のような疑問や質問に答えていますので、ぜひこちらの動画をご覧ください。

質問項目

  1. A金庫の行動指針の内容や、指針を浸透させるためのポイントは?

  2. B物流が安全装置などへの投資の基準が高い理由はなんですか?

  3. 自社の「当たり前」のレベルを確認する方法はありますか?


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