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第1回 同人イベントおしながき選手権

みなさんは、「おしながき」というものをご存知ですか?

そうそう、食堂とかにある……。

フリー素材

いえ、違うんです。
今回お伝えしたい「おしながき」は、こういうやつではございません。

フリー素材

違います。
これでもないんです。

我々が伝えたい「おしながき」は、同人イベントで使われる「おしながき」……。
すなわち、これです。

2019年作成のおしながき

上記は、同人サークルv!v!t(びびっと)が2019年に同人イベント(コミティア)にて作成した「おしながき」です。

そう、いわゆるコミケなどの同人イベントでは、このように「頒布物の情報」を画像にまとめることがあります。それを「おしながき」と呼ぶことが多いのです。

ところで、もうすぐ同人サークルv!v!t(びびっと)では、およそ3年ぶりに同人イベントにサークル参加します。

普段は、その時に時間のあるメンバーが作っています。
しかし、メンバーのひとり、anじぇらは今回の原稿で大忙し。
いつもであれば、他のメンバー(須賀まこと・藤宮南月)のどちらかが作る流れです。

そのとき、藤宮は思いつきました。

「二人で作ったらいいんじゃないか……?」

つまり、須賀と藤宮、両方でおしながきを作り、どちらが「よりすぐれたおしながき」かどうかをanじぇらにジャッジしてもらうのです。

須賀は常日頃から闘争心でみなぎっています。
藤宮の話を聞くと、「おもしれーじゃん」と不敵に笑いました。

そうして「おしながき選手権」が開催されたのです。

おしながき選手権ルール

  • おしながきの作成は、ひとり1枚まで。

  • おしながきのサイズは、1200 x 900ピクセル。 拡張子はPNGファイル。

  • お題はなし。自由に作っていい。ただし必要な項目(イベント名や頒布物、開催日など)は入れること。

  • 新刊「小僧あんちんと蛇の娘1-道浄寺編-」はまだ作成中のため、金額は決まっていない。そのため「1500〜2000円」であると記載すること。

「小僧あんちんと蛇の娘1-道浄寺編-」のサンプルは、下記でご覧になれます。

参加者

須賀まこと(以下、ばぶ)

選手権参加者。赤ん坊のような言動を繰り返しているため、他のメンバーからは「ばぶ」と呼ばれている。帽子やサングラスが異様に似合う。

藤宮南月(以下、藤宮)

選手権参加者。デザイナーでもないのに毎月Adobe Illustratorにお金を支払っているのがもったいないので本大会に参加を決めた。口癖は「七つの大罪の八つ目は正義」

anじぇら(以下、じぇら)

審査員。今回は原稿で忙しいため、審査をつとめる。僧侶とドールに目がない。最近「ゴールデンカムイ」の菊田特務曹長に心を乱されている。

本編

はじめに

なお、下記の会話ですが、こまかい調整はしているものの、ほとんど本当にあった会話です。今回の打ち合わせはオンラインでおこなったため、おしながき選手権も通話とチャットで実施しました。

注意書き

同人サークルv!v!t(びびっと)では、不定期で打ち合わせをしています。
今回はその打ち合わせにて、お互いのおしながきを発表することになっています。

藤宮 「さて、やろうか。どっちから始める?」
ばぶ 「なるほど。あなたにとって、おしながきとは?か。面白い質問ですね……」
じぇら「いやあの何も聞いてないけど……」
ばぶ 「おしながきは、わたしにとって、『人生』、ですかね。これを作るたびに『ああ、イベントの時期が来たな』と思います」
藤宮 「どっちから始めるのって、ねえ」
ばぶ 「じゃ、先攻いかせてもらおうかな」
ばぶ 「じつはちょっと仕事が忙しくてですね……今回、とある方々に協力をお願いしました」
じぇら「なるほど。では、おしながきをお見せください」

ばぶのおしながき

須賀(ばぶ)のおしながき

じぇら「ん?」
藤宮 「ん……?」
ばぶ 「こちら、あんちんの新刊に出演している方々が書いてくださいました」
じぇら「出演している方々……?」
藤宮 「anじぇら先生、何か気になることあれば、どんどん質問していっていただいて……」
じぇら「ええ、そうですね。じゃあ、まず……」
じぇら「このぼやけた部分っていうのは、あんちんの和風な世界観に合わせて、墨っぽくしているんですか?」

この部分

ばぶ 「ええと……そうですね」
ばぶ 「この、協力していただいた方々は、ペンタブレット(絵を描く道具)などを使わない文化圏の方々だったので、これが一番描き味が似ているかなと」
じぇら「なるほど……」
藤宮 (納得するんだ)

じぇら「あと一番気になってたんですけど、この上のはなんですか?」
ばぶ 「上の……?」

この部分

じぇら「この相合傘じゃないほう。左の……」
藤宮 「ジャーマン・スープレックスみたいな」
じぇら「そうそう」

ジャーマン・スープレックス

ばぶ 「ああ、これは……」
ばぶ 「今回の新刊には出演されないキャラクターの方です」
じぇら「こんな方、出演されてたっけ……?」
じぇら(わたしが知ってる出演情報と食い違っている……?)
藤宮 「ちなみに、この相合い傘のところにいるのは誰ですか?」
ばぶ 「たぶん……ええと、あんちん様(主人公の少年)です」
藤宮 「なんで把握してないの」
藤宮 「あれ……これ待って」
藤宮 「ずっとこれ、ジャーマン・スープレックスもしくは映画エクソシストの名シーンを描いたやつだと思ってたけど……」
藤宮 「もしかしてポニーテールでは?」
ばぶ 「おっ」
じぇら「え……?」
藤宮 「丸いのが顔で、下向きの三角が頬の横の髪で、右側のがポニーテールでは?」
じぇら「え……? え……?」(※若干混乱したちいかわみたいになっていた)
じぇら「わたしずっと、こうだと思ってたんだけど……」

じぇら画

藤宮 (化け物だ……)
藤宮 「とりあえず右上の謎が解けてよかったね」
藤宮 「ところで、どんな経緯で、出演されている方々を呼んだんですか?」
ばぶ 「あんちんさまの本を出すなら、ぜひと頼まれまして……まあ、いろいろ、ね」
じぇら「時空が歪んでいる……?」
ばぶ 「いや、出演者の方なので、それはなんかそういう、ね」
藤宮 「さっきから、その禁則事項ですみたいな雰囲気かもしてるの、何?」
ばぶ 「いや、ほらね、ふふ……」
じぇら(なんなんだ)

藤宮 「でも、普通に色合いがおしゃれなのが腹たつんだよな」
じぇら「そうだね。色かわいいよね」
ばぶ 「これはですね、海外のカラーパレットのサイトで良さそうな色を探しました」
ばぶ 「ええと……出演されている坊主の方とふたりで」
藤宮 「もしかして、今設定を積み上げている……?」
ばぶ 「いや、ちがうの!最初から設定はしっかり決めてて」
藤宮 (設定って言ったな、明確に)
ばぶ 「出演されている……ああ、もうめんどくさい、あんちんさまときよちゃん(じぇら新刊「小僧あんちんと蛇の娘」の主人公+ヒロイン)と、三人で一緒に作ろうってなりまして。途中まではあんちんくんが作ってくれたけど、そこから先はきよがやります、ってきよちゃんがね。書いたり消したり、ずいぶん試行錯誤してくれました」
じぇら「なるほど……」
じぇら「ん……?」
じぇら「新刊の表紙のところに、ピンク色で何か描いてあるけど、これもきよが描いてくれたのかな?」
ばぶ 「え?」

中央にピンク

ばぶ 「本当だ!」
ばぶ 「これは全然知らないです」
ばぶ 「きよちゃんの置き土産ですかね」
藤宮 「ダ・ヴィンチコードか?」

じぇら「やや込み入った世界観でしたが、ユーモアもありつつデザインもよくできていました」
じぇら「続いて、藤宮どうぞ」
藤宮 「ばぶの後、大変やりづらいですが……」

藤宮のおしながき

藤宮のおしながき

ばぶ 「めっちゃいいじゃん」
藤宮 「これ、鳥獣戯画風フリー素材を使ってみました。なぜか同人イベントと親和性が高かった」

ばぶ 「フォントもかわいいね」
藤宮 「なんかPCに入ってました」
じぇら「既刊いろいろ持っていきます、ってなんか、古(いにしえ)のサークルっぽくていいな」

この部分

ばぶ 「後ろの背景画像もかわいいね」
藤宮 「これはイラストACさんです」
じぇら「夏休み感あるかも」
藤宮 「ちょっと花火っぽくもあるよね」

じぇら「釣りはいらないわ、のところが好き」
藤宮 「それくらい良い本ですよ、人気ですよ、ってことを伝えたくてね」
じぇら「まあそれはそれで困るので、イベントに来る方々は、お釣りはちゃんと受け取ってください」

釣りがいらないカエル

じぇら「なんかこの列、あんちんさまのサイン会みたいになってる。本を持ってるからそう見えるのかな」
ばぶ 「たしかに」
じぇら「これ壁サークルなら、最後尾持ってるの作者だな」

壁サークル

じぇら「ばぶのせいで、結構ふざけてるはずの藤宮のおしながきがまともに見えるね」
ばぶ 「へへ」
藤宮 「順番って大事だね」

結果発表

じぇら「どっちもユーモアがあってよかったな……」
藤宮 「でも、これは選手権だから、優勝者を決めてもらわないと」
ばぶ 「そうだよ。勝った方のおしながきが使用されるんだから」
じぇら「うん……」
じぇら「でもやっぱり」
じぇら「どちらのおしながきも、とても素敵だった……」
じぇら「優劣をつけるなんて、よくないよ」
藤宮 「じぇら……」
ばぶ 「じぇら……」
じぇら「というわけで」
全員 「ふたりとも優勝!!」

藤宮 「今回のおしながき選手権は第一回でした」
藤宮 「つまり、二回目があるかもしれないし、ないかもしれない……」
藤宮 「次のおしながき選手権をやるとしたら、あなたの街で」
ばぶ 「やるかもしれない……」
ばぶ 「(かぼそい声で)ぬ〜べ〜……」
藤宮 「なんでも鑑定団のつもりだったのに、ホラーになっちゃった」
じぇら「おつかれさまでした」

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おしながき選手権、楽しんでいただけましたでしょうか?

同人サークルv!v!t(びびっと)は2022年9月4日(日)にコミティアへ参加します。

詳細はこちらの記事をご覧ください。

また、今回のおしながき選手権には、anじぇら作「小僧あんちんと蛇の娘」のキャラクターが多く登場しました。
気になる方は、ぜひanじぇらのTwitterもチェックしてみてくださいね。
こちらにもいくつかピックアップしました。

また、新刊のサンプルも公開となりました。
こちらもあわせてご覧ください。

ぜひぜひ、9月4日はコミティアにてお会いしましょう!

更新履歴

2022年8月15日 記事公開

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