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『正チャンの冒険』読者投稿欄のご紹介(10)

正チャン連載全話を収録した書籍、その名も勇ましく『正チャンの冒険 ―ザ・コンプリート―』。その発売が再来週に迫ってきてしまっております。

viviON THOTH公式サイトでも、通販の予約が颯爽と始まっておりますので、気になる方はこちらからチェック!!

また、公式Xの方にリスがついに登場してしまいました。

文面から察するに、銀座の蔦屋書店におけるグッズの先行販売に関するお知らせに来たようですね。秋で木の実などを集めないといけないご多忙中にもかかわらず登場ありがとう!


さて話は変わって、皆様ご存知のことかと思いますが、朝日新聞誌上における『正チャンの冒険』の連載は、何度か休載期間を挟んでおります。

これまでメモ欄でも「なんで月曜に正チャンが載ってないんだ」との声が多数でしたが、本格的な休載となると読者の『正ロス』も大変なものがあったようで、連載が復活した際にはメモ欄がお祭り騒ぎとなりました。

朝日新聞 1924年10月8日朝刊

あツ!正チャンとリスが!私は思わず新聞を手にしたまま暫く振りの●合せに茫然としてしまいました。何だか二人の様子も変った様ですが、さぞ腕がうなっているでしょうね

正チャンに会った、嬉しかった。記者君、もう冒険をやめぬ様伝えてください、留守番なら僕が代わってあげるから

正チャン冒険を続けるのですよ、それで体を大切にしてね。リスちゃんも正チャンによく仕えて頂戴よ

連載の再開が10月6日で、その二日後にはこうしてメモ欄に、その復帰を喜ぶ投稿が大量掲載されました。10月6日の朝刊で正チャンの復帰を知り、その日に手紙をしたためて投函しないと8日の朝刊には載らない計算なので、本当にすごい熱意を感じます!

こういった復帰を喜ぶ声はその後何日もメモ欄に掲載されることとなりました。多くの方に応援してもらって本当にありがたいことですね(わたし当時の関係者ではないですが)。

ちなみに留守番に言及されているのは、復帰第一話の設定が「叔父さんの家で留守番を頼まれてヒマそうにしている」というものだったからです。この辺りも、しばらく冒険の話が掲載されていなかったのと関連づけられているようで、洒落っ気を感じます(個人の意見です)。


あとこのようなものも見つけました。

朝日新聞 1924年12月14日朝刊

「正チャン」募集
「冒険」創作を読者に開放します
【条件】(一)正チャンとリスの性格を変えざること(二)一話七回以上十五回以下、一回は四●(三)一●の説明片仮名三十字以内 ●中の会話は別に添付す(四)●●は東風人氏の自由とす(五)締切大正14年1月31日(六)住所氏名明記、東京朝日新聞社正チャン係宛
【付記】(一)小星氏選ぶ、ただし捕修することあるべし(二)紙上掲載せるものに●謝を呈す

なんと公式で正チャンの原作を募集しています!!!

わたしの考えたお話の筋が東風人先生(樺島勝一先生のP.N.です)の絵が施され、新聞に載る・・・・これはすごく夢のある企画ですね!このメモ欄のハガキ職人の方の中には、自作オリジナルの詩や物語を投稿されている方もいらっしゃいましたし、中には二次創作(全年齢です)を投稿されている方もいらっしゃったので、相当数の応募が来たのではないでしょうか??

わたし世代ですと、某有名格闘マンガの超人募集が思い出されます(わたしもせっせと応募しましたが、歯牙にもかかりませんでした)が、さすがにこの時代に読者参加型のこういった試みは珍しく、詳しく調べてないですが、マンガ史上初ではないでしょうか?


朝日新聞 1924年12月12日朝刊

正チャン全国で四万人からのお役人が淘汰されるのです この不景気にどこに就職口がありましょう 正チャンの天性を発揮しルパンの様な奇智を活かせて救済方法をたてて下さい

「ルパン」ってあのルパンでしょうか??

調べてみると、ルパンシリーズはフランスの小説家モーリス・ルブランの手によって1905年(明治35年!!)に誕生し、日本には1912年に初出版されていた様です。すごい!ちなみにこの投稿の年(1924年)の8月20日から朝日新聞の夕刊のほうにルパンシリーズの「カリオストロ伯爵夫人」が「ルパン怪奇探偵 妖魔の呪」のタイトルで連載されていたようです。

すでに朝日新聞読者やその他の日本国民に親しまれていたのですね。キャラクターとしては正チャンの先輩となります。


最後に小ネタ集で締めておきましょう。

朝日新聞 1924年7月18日朝刊

正チャン君の名前はマサチャンですか?ショウチャンですか?僕の弟はマサチャンと言います朝寝坊ですが正チャンがくると飛び起きます

マサともシャウとも呼んで下さる方が沢山ありますが本人はどっちでも返事を致します、好きな方で呼んで下さい(記者)

「ショウチャン」一択だと思っていたのですが、当時マサチャンと呼ぶ方も一定数いらっしゃっり、なおかつ本人はどちらでも気にしてなかったのですね。。。何気に衝撃でした。

朝日新聞 1924年7月24日朝刊

チリンチリン、モシモシ正チャンですか、僕は東京のKSというものですヨロシク、ちょっと伺いますが、リス君はどこの生まれです

江戸ッ子ですよ 京橋区瀧山町に籍があります(記者より)

リスの本籍が判明しています。江戸っ子なのですね。京橋生まれは石坂浩二さんと同じです。

朝日新聞 1924年7月30日朝刊

正チャン私の名は●子、正チャンの名はなんと言うの?おしえてね きっとよ

あの正って言うのです、ほんとです(記者)

ふりがなに「しょう」って書いてますね。正太とかでも正太郎とかでもなく、正の1文字で「しょう」が本名で確定です。呼び方は「ショウチャン」でも「マサチャン」でも良いです。

朝日新聞 1924年8月8日朝刊

何日の新聞を見ても正チャンのミョウジがない、本当にないの、どうして・・・●も正ちゃんよ、早く教えてね

朝日という苗字があります、何分よろしく(記者)

こちらは以前に既に発覚してましたね。おさらいですが、苗字は「朝日」となります。フルネームは「朝日 正」で確定です。

朝日新聞 1924年10月21日朝刊

正チャンにリス君はちっとも大きくならないが今は両君ともいくつですか?

正「僕は今年で恰度・・・」
リス「シーッ、言ッちゃいけない!子供だなんて馬鹿にされるから!」(記者)

リスによる情報統制で年齢までは判明しませんでした。。。ですが、「今年で恰度」ってことは10歳ってことですかね??正チャンの背格好から想定される年齢で「恰度」という修飾表現にふさわしい数字は10しかないと思うので。

今回判明した正チャンプロファイル情報をまとめておきますと

  • 氏名:朝日 正(アサヒ ショウ)

  • 年齢:10歳(1924年当時)

主人公の基本的な情報が今回の書籍発売前に判明して本当によかったです。これで安心して発売日を迎えることができます。ありがとうございました。