Real Voice#02 路地を抜けた先で、癒しのプロフェッショナルと出会いました。
ーーコロナと戦い続けて、どれくらいの時間が過ぎたでしょうかーー
皆様の心の中では様々な思いや声が溢れているかと思います。
私たちVithは、コロナ禍で働く方々の思いを全国に届けるReal Voiceプロジェクトを発足しました。
コロナと戦い、働く人のリアルを伝えます。
お話を伺ったのは、福岡市中央区平尾にある古民家の中に店を構える。
「マイカイハナマナ」の下釜さん。
OLから販売員を経て、マッサージの世界に飛び込み20年以上。
常に新しいことに挑戦し学び続け、お客様の癒しをサポートして来られた下釜さんですが、人との接触が制限される中でマッサージの仕事は苦境を強いられました。
その状況は今も続いているのでしょうか？
コロナ禍での歩みや、お店を開業するまでの経緯などにも迫ります。
ーこれが続くようだったら、食べていけないー
ーー先ず、コロナが流行り出した、2020年の状況からお聞きしたいのですが
下釜：(2020年)3〜4月までは、そんなに影響が無くてすぐに終わると思ってた。
4月になって少しずつ何かお客様が緩やかになってきたなと思ったら、
5月のゴールデンウィークが明けて、お客様がピタッと止まったんです。
ーーその時の心境は、どうでしたか
下釜：うん。どうしようこのまま（この状況が）続くのって思って、
何か別の仕事を探そうと思った。
ちょっと不安になってしまって、（今まで）こんなことなかったので。
これが続くようだったら、食べていけないなと思って。
自分の気持ちを安心させるためにも、アルバイトできるようなところを探した方が良いと思って。家の近所のコンビニが募集してるか（確認したり）
家の近所にマクドナルドがあったので、マクドナルドだったら夜お店が終わってからでも、何時間か行けるかなと思って探したら求人の募集があったので。
ーー応募できる仕事があると言う意味では、精神的に安心はできたんでしょうか
下釜：なんとか。お客様にも言っていましたね。
私、いざとなったらマクドナルドかコンビニで頑張りますと。
背に腹は変えられないよね。と思っていたから。
でも、去年からずっと（お店で）お紅茶を始めたいと考えていたけど、バタバタしていて断念したから、この機会に時間が取れたから取り組んでみようと思って、それで7月にお紅茶をお店に出し始めました。
↑取り扱うの茶葉は、全てスリランカ産にこだわっている。
ーーコロナ禍で始められたんですね。
始めようと思ったきっかけは何だったんでしょうか
下釜：今のお店のメニューとして、ハワイのロミロミマッサージというアロママッサージと薬草オイルのアーユルヴェーダ、スピリチュアルのカウンセリングとか手相などを『お客様の心と体の癒しをサポートする』というテーマでやっていて。
心と体が作られるには結局、口にするものだってアーユルヴェーダの教えがあるので、じゃあ食べ物を何か出したいなと思っていたけど、すぐにフードを出すのは難しいので、それでお紅茶から始めました。
ーーコロナが発生してから新しく始められた事は、他にもあるんでしょうか
下釜：紅茶に合わせられるようにスコーンを始めました。
それからスクールも始めました。占いの鑑定士のスクールをzoomでも出来るようにカリキュラムを作りました。
ーーそういったことは、いつかやりたいと思っていたんですか
下釜：いつかやれたらいいなとは思ってました。
コロナがきっかけになったかなと思います。
ーー取り扱うメニューが多いので、勉強量がすごいですよね
どこからそういった学ぶ意欲が出てくるのでしょうか
下釜：宿題とかに追われてる笑
新しいことを学ぶこと、それが楽しいこと。そして、生徒さん同士とか先生とのコミュニケーションですね。
ーー同じことを学んでらっしゃるからお互いに高め合っていけるんですね
新しいサービスを始めて、お客様の反応はどうでしょうか
下釜：紅茶だけを目的に来られるお客様もいらっしゃいますね。
今日はマッサージじゃないけど、お紅茶だけ良いかしらとか、
後は、飛び込みで男性のお客様も来るようになりました。
ーー元々やっていたマッサージの評判はいかがですか
下釜：ぐっすり寝れるとか、リラックスできたとか（言ってくださる）
お店にいらっしゃる期間が1年2年空いていても、また来てくださる方もいらっしゃいますね。
ーー（コロナ禍で）お客様の存在は、励みになりましたか
下釜：もちろんです
心配してくださるっていうか大丈夫かな、やってるかなみたいに（気にかけて）
ーー１年前と比べて、現在のコロナの影響はいかがでしょうか
下釜：今の状況としては昨年(2020年)の5月ほどではないですけど、
少しお客様が止まったように感じます。
ーー今は、気持ち的な焦りは無いんでしょうか
下釜：あの時ほどまでは無いです。お勉強してるからだと思うんです。
ーーコロナによって生まれた時間を有効的に活用されてるんですね
今は何を勉強されてるんですか
下釜：アーユルヴェーダを取り入れたお料理を勉強してます。
体質や季節によってどんなものを食べた方がいいとか、今みたいな暑い時期に、
みんなの体の中が同じような状況になるわけではない。
じゃあ、どういうものを食べたらいいか。アドバイスができるようにお料理を勉強してます。人によってメニューが違ってくるんです。
ーーその体質っていうのは、どうやって見分けるんですか
下釜：アーユルヴェーダ式の体質チェックがあるので、それを見たら分かります。
でも大体は、外見を見たただけで体質が分かりますね。
アーユルヴェーダ的に言うと、人は三つの性質を持っていて、そのどれかが多いんですよ。
ーーその三つの体質とは何でしょうか
下釜：バータって言って風の体質。ピッタって言って火の体質。
カパって言って水の体質の三つがあります。
ーーその体質が多いから不健康と言うことでしょうか
下釜：元々、持っているものですね。生まれ持ってきた性質。
カパの性質を持っている人だったら水だから、雨が降ったりするとその水の領域が増えていつもより体が重くなるイメージです。
お尻に根が生えたような感覚になるんじゃないかなと思います。水の領域が少ない人でも、普段少ないのに一気に増えてしまったらそれはそれで体が重くなったりしますね。そうすると代謝が緩やかになっちゃって、内臓の働きも緩やかになる。
だからといって頑張って動こうっていう気持ちにもならない。
アーユルヴェーダ的に言うと毒。未消化物が多くなるんです。
それは体に良くないから、未消化物を体に残さないような食事をしましょう。
ライフスタイルを過ごしましょうっていうようなことが出てくるんです。
ーーアーユルヴェーダのお料理は、どういうものがあるんですか
下釜：スパイス料理と思っていただいたらいいと思います
ーー例えばカレーとか
下釜：カレーも入ります。お野菜とスパイス。豆のスープとか、スパイスって昔は薬として扱われていたものだし。
ーーだからスリランカなどのスパイス先進国はアーユルヴェーダが盛んなんですね
実際にお店でお料理を食べられるのはいつ頃になるのでしょうか
下釜：今はアーユルヴェーダの料理教室に通っていて6月でそのカリキュラムが終了するのですが、実際に何をお店で提供しようかっていうのがまだ頭の中で構成段階なので遅くても秋くらいにお客様に提供できるようにしたいなとは思ってます。
ーーランチのようなイメージですか
下釜：ランチボックスを作ろうと思ってます
沢山はできないけれどご予約制で。
ーーそれはいいですね
コロナ禍でも前に進められているんですね
ー開業しようとは思っていなかったー
ーーずっとマッサージのお仕事をされていたんですか
下釜：元々は OL です。
ーーこの業界に入るきっかけは何ですか
下釜：OL 時代に海外旅行に行ってマッサージを受けた時、気持ちよかったことを覚えていて、その後OL を辞めて、あるメーカーさんに入ったんですね。
メーカーさんに入ったらデパートに派遣されたんです。
ショップを出すから、高級ブランドのコーナーに派遣されて、
そしたら、そこで働いていた違うブランドのお姉さんが
「OL をやっていたのに何で売り子に来たんだ」と
売り子って言ったら失礼だけど、販売の仕事は何歳になってもできるから
OLに戻りなさいって言われたんです。
でも違う世界を見たくて辞めたからまた戻る気はないんですって言ったら
「それだったら手に職をつけなさい」って言われて。
じゃあこの歳から勉強するんだったら、興味があることが一番いいかなと思って
なんだろうなと考えた時に、（印象に残っていた）マッサージだったんです。
ーー自分の体験からくるもので、自然と出てきたのがマッサージだったのですね。ですが、すぐに行動に移すのは難しいような気がします。迷いはなかったのでしょうか
下釜：今みたいにインターネットが広く普及していたわけではないから調べられる範囲で調べて、そしたら東京にマッサージの学校があったのでじゃあ東京に行こうかと思っていたんですけど、福岡にその学校が出来たばっかりという情報が入ってそこの説明会に行ったら、学校のスケジュール的に缶詰め状態になる感じだったので、勤めていたメーカーさんを辞めて、派遣会社に登録して仕事しながら学校に行ったんです。
ーー昼間に働いて夜学校という感じでしょうか
下釜：いや、平日の昼間に授業があるからその合間に仕事をして授業を受けて週末は働いてっていう感じで
ーーどれくらいで卒業されたんですか
下釜：3ヶ月から半年ぐらいだったと思います。
ーー短期間にぎゅっと詰め込んでっていう感じなんですね
その後はどうされたんですか
下釜：その後は学校が福岡にサロンの１号店を出すと募集があったので、
面接に合格して、それから実地の研修があって
これから生徒ではなく、スタッフとしてのカリキュラムに入りますかと聞かれて
もう入るしかないと思ったので入って、20日間ぐらいだったかな。
みっちり朝から夜まで研修で、スクールではないプロの技術を目の当たりにして。
ーー学校では、なかなかそこまでは学べないですもんね
研修は、つらかったですか
下釜：きつかった。
でも、あれがあったおかげでスクールとプロの技術が違うことを知りました。
ーー研修を終えて、そこからプロとして始められたんですね
独立をされたのはいつ頃なんでしょうか
下釜：18年前ですね。
18年ここに通ったの笑
ーーサロンに入った時から、いつか独立しようとは思っていたんですか
下釜：思ってなかったです。
何で独立しようかと思ったかと言うと、サロンのお友達と一緒にスキーに行ったんです。私、スキーが初めてで滑り方が悪くって、膝を痛めちゃったんです。
病院に行って検査してもらったら前十字靭帯が切れてるということで、
それから入院をして手術となって。
治ったとしても、サロンの馬車馬のような労働環境には耐えられないんじゃないかと思って。
あの時代のエステ関係って、ブラックだったので、あそこには肉体的には戻れないだろうなと思って。じゃあどうしようかなーと思った時に
1年ぐらい（自分で）お店をしてみるか と思って。
ーーサロンにいた時は、普通のマッサージをやってらっしゃったと思うんですが、
アーユルヴェーダなどの技術は、独立する前に勉強されたんですか
下釜：独立した後です。南インド、スリランカに行って勉強して、その後も海外に行って数日間のワークに参加して勉強したり
後は東京に行ってスクールなどで単発で勉強をしたりとか
ーーお店で始めた最初のサービスは何だったんでしょうか
下釜：ロミロミです。
ーーロミロミは、どのようなマッサージなんですか
下釜：ロミロミはハワイの伝統的な癒しと言われているマッサージで、
王室の人だけに伝えられていた「治療方」なんです。
普通のマッサージと何が違うかと言うと、
分かりやすく言えば肘を使ったマッサージなんです。
通常のマッサージは指だったり手のひらを使うんですが、
ロミロミは、肘や前腕を使ってマッサージをするんです。
下釜：それともう一つ。
ハワイでは、石にも魂と言うかエネルギーがあると考えられているんですね。
自然のエネルギーをマッサージをする人がちゃんと込めて、そのエネルギーをお客様に伝える。自然治癒力とかパワーをちゃんと体の中に送るっていうのがロミロミのマッサージです。
ーー自然がもつエネルギーを込めてマッサージをすることで治癒力が高まったりするんですね
ロミロミは何がきっかけで勉強されたんでしょうか
下釜：働いていたサロンがハワイにロミロミの姉妹校を作ったんです。
その勉強に行くんだったら2週間休みをくれると笑
一緒に働いていた後輩が行きませんかと誘ってくれたんですけど、
でも興味ないって言ったんですよ。
だけど、せっかく海外行けて休みも貰えるし、技術も学べるし、下釜さん行きましょうよって（誘ってくれて）
じゃあ行くかってなったんです笑
休みが欲しいだけ笑
ーーでもその当時からしたら切実ですよね
下釜：そうです
それで学びに行ってみたら、興味を持っちゃったんです。
ーー最初にロミロミを体験してみた時にはどう思ったんですか
下釜：日本では、技術と時間が徹底されているんです。
時間内にする技術もここまでと決まっている。
でもハワイの先生が言うには、癒しって『心』なんだっていうこと教えてくれたんです。
マッサージも時間と技術だけがあればいいっていうものではなくて、心からマッサージをすることが大事なんだと思ったんです。
ーーマッサージをする側の思いも伝えるのが大切
下釜：そうです
仕事としてやるのは当然だけども、それ以上に大切なのは
心から『お客様の心と体の癒しをサポートする』ことだと思っています。
店舗情報
マイカイ ハナマナ
TEL 092-525-6665
住所 福岡県福岡市中央区平尾2-14-21
取材にご協力いただける事業者さまがいらっしゃいましたら、下記HPよりお気軽にお問い合わせ下さい！
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
初めましてVithです。
Vithは「動画でみる、新感覚の地図」です。
様々な場所を15秒動画で紹介しています。
HPでは全ての動画を地図で見ることができるので、よかったら遊びにきてください♪
HP ▶︎ https://vith.jp
Twitter ▶︎ https://twitter.com/vith_channel
Instagram ▶︎ https://www.instagram.com/vith_channel/
Facebook ▶︎ https://www.facebook.com/Vith.jp
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？