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どっちが強いか

猫舌のバリスタが新しいカフェマシーンを試すのに、カフェオレとコーヒーを一杯ずつ作った、はいいが中々飲まない。テーブルの上で刻一刻と温度を下げていく淹れたてのドリンク。

猫舌バリスタは、カウンターから送られる恨めしげな視線にも気づかず、何やらマシンのダイヤルをいじっている。


HC「いや、もうこっちなんかとっくに冷えてますけどお?」

SC「はっ。そんな風に熱くなってると中途半端に生ぬるいまま結局どっちつかずで誰からも選ばれないってわかんないかな。」


バタン


急に冷蔵庫から牛乳が取り出され、冷めたコーヒーに必要十分注がれた。

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前のつぶやきで書いたオレンジマグの絵に、「とっくに冷えたカフェオレ」というタイトルをつけようとしていたけれど、よく考えたら【冷えたカフェオレ】って普通に暑い時飲んだら美味しそうなドリンクで、しかも絵を見たらカフェオレじゃなくてコーヒーになってるし、そうなると「とっくに冷えたコーヒー」?

飲み物に使うなら冷えたというより冷めたのほうが語用として正しいのかと、今度は「とっくにさめたコーヒー」。これはだいぶ拗ねた感じになってきて気に入った。折角なら最初の「とっくに冷えたカフェオレ」も登場させたい。カフェオレのほうがミルク入っててマイルドなのに、とっくに冷えてるせいでどこか好戦的な響きになるのがおもしろい。そういうわけで、冷えてるカフェオレHCと、さめたコーヒーSCの会話が生まれました。

結局ミルク注がれた、さめたコーヒーは幸せだったのか。


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