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もう一度読みたいお話

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100円放送部

ときどき、どうでもいいようなことを思い出す。 うっとりするような思い出でもない。記憶の澱と呼べるほど小説的でもなく、夕陽に映える鉄塔のシルエットほどエモくもない、ただの記憶だ。 たぶん中学1年か2年ぐらいだったと思う。 その頃、僕は放送部に所属していて、お昼の校内ラジオ放送とか校内ラジオドラマだとかをつくっていた。 べつに、すごく熱心にというのでもなく、学校でクラスの教室以外に放送室という別の空間に籠れるのが好きだったのだ。サードプレイスだな。 だから全国中学校放送