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ヴィジュアル系の仕切り文化を本気でまとめてみた



仕切りは有能な中間管理職(無報酬☠️)


■はじめに

悪いイメージしかない「仕切り文化」
けれど"機能していれば"これほどヴィジュアル系で生まれた画期的なシステムは存在しません。

包丁や車のようにモノやシステムは使う人間しだいなので、正しく理解してから否定したりシステムに手を加える(例:Sチケット)助けになれたら。
そしてなにより、バンドではなく仕切り文化のせいで揉めて上がるファンがいなくなりますように。

■専門用語のガチ説明

<交渉>

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ヴィジュアル系の対バンの場合、前列にいる他バンドのファンに目当てのバンドの出番で位置を変わってもらえないか頼むこと。
他バンドのファンも、目当てのバンド以外は振りがわからない、後ろでゆったり見たいなど承諾してくれる場合が多い。

<仕切り(連絡係)>

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出演数の多いイベントではいろんなファンに最前交渉された結果、トラブルに陥るケースが多発したため、その煩雑さからいっそのこと各バンドの代表者最前を取りまとめてしまおうという行為。
「目当てのバンドが出たときに最前のどこに誰が入るのか」を紙またはスマホに整理番号で記入して、ステージの転換中に予約されたとおり最前列が交替するように最前管理している。
仕切りとの交渉では、整理番号を確認して早番の人が優先して予約される番号順を採用している。
ちなみに一つのバンドの仕切りとの交渉を終え、次のバンドの交渉の列に並ぶことも可能。

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主にライブやインストを全通して、毎回一桁を独占して、目当てのバンドのタイテをなぜか把握している常連の一人がおこなっている。
イベントの出演バンドすべてを取りまとめる「総仕切り」というポジションもある。主催イベントなら主催バンドの仕切りが総仕切りになり、イベンター主催なら動員の多いバンドまたは長く活動しているバンドの仕切りが総仕切りとなる。

<最前割>

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最前に入れる人数場所を表したもの。

「下手○人・真ん中(ドセン)・上手○人」

ライブハウスの最前に入れる総数を上手と下手でわけて、313(3割)、414(4割)、515(5割)など数字で人数を表す。
もし最前割の人数より若い整理番号を持っていれば「(最前)割内」といって最前が保証される。
ちなみに早番を持っていても整理番号によっては最前交渉がベストとは限らないケースもあるので、最前は諦めて2列目を確保する、ステージが見やすい2柵目で暴れる、開場前に最前交渉を済ませて2列目を確保するなど、各ライブハウスの情報を調べてからどうするのか考えよう。

○●○○☆○○○○

最前割が414(4割)で、☆をドセンとした場合、●の位置は下3というように場所を表す。
「…←下3←下2←下1←ドセン→上1→上2→上3→…」とそれ以降も続いていく。
これは最前交渉のさいにボーカルはドセン、上ギは上3、ドラムは上2、ベースは下2、下ギは下3のように本命のド前を予約するときに使う。
ちなみにステージの広さやセッティングによって本命の位置が変わってしまうので、ボーカル以外のド前についても数字が変わる。そのため各ライブハウスの情報を調べてから交渉にのぞもう。

<身内埋め>

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整理番号を無視して最前を仲のいい身内で埋めてしまう迷惑行為。
仕切りと整理番号1番を交換したのに最前に入れてくれない、割内なのに「もう埋まっています」と言われるなど揉める原因となる。
これは仕切りは整理番号一桁が必須であるため、他バンドの常連とチケ発を協力しあったり何枚も買い占めてくれた常連へのお礼の場合が多い。
ヴィジュアル系の暗黙のルールであった仕切りの悪用により、バンド側がわざわざ「仕切り禁止」をアナウンスすることもある。悪質な場合は「出入り禁止」になることもある。

<個人交渉>

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主に2列目や柵前にいるファンとの個人間の交渉のこと。
整理番号の早い遅いは関係なく、先に交渉してきた人が優先される交渉順を採用している。
ちなみに交渉したはいいものの、目当てのバンドの出順を気にしておかないと転換中の交替ができないので、最前の常連の交替で確認しよう。
また、元いたファンが戻ってくるまで勝手に場所を移動することはルール違反となる。

■ヴィジュアル系はなんで交渉するの?

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①振り文化があるから

ヴィジュアル系のライブの特徴として、振りという文化があります。ファンの振りやヘドバンは激しく動きが綺麗に揃っているほどその光景は圧巻で、他バンドのファンや関係者はその姿に惹かれて勢いのある人気バンドと認知されていきます。
この理由から他バンドのファンが振りのわからないバンドの最前で見るのは非常に居辛いことが多く、目当てのバンドのファンから嫌がられます。

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②暴れ方を知らないと危険だから

ヴィジュアル系の暴れ方はさまざまです。
モッシュ曲のとき、棒立ちだと邪魔なだけではなく最悪コケて雪崩れがおきてしまいます。
ループ曲のとき、最前が布団に慣れていないと逆ダイでお互いに痣ができてしまいます。
とくに新規は体力を消耗して怪我をしやすいので、慣れるまで後ろで見ることを勧められます。

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③掲示板で叩かれるから

ヴィジュアル系の特徴として、悪目立ちをすると掲示板で叩かれる文化があります。
そのため他バンドの振りがわからない、暴れないときはライブハウスの後ろに下がるという暗黙のルールが徹底されています。

■仕切りさんの相関図

仕切りvs新規

暗黙のルール(交渉や仕切り)を知らないため、揉めることが多い。交渉しないで最前に居座った新規を仕切りがどかしていたなんてことも。
ただAチケットをとらない限り関わることはない。

仕切りvs通い

早番を手に入れたとき、仕切りと交渉したり、チケットを交換して最前の確保に協力する。
仕切りと仲良くなったり媚びを売って「最前埋まっていないので最前入りませんか?」と声を掛けられやすくなる人もいる。

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仕切りvs常連

最前を独占するため仕切りや常連同士、他バンドの常連と協力しあって早番を回収している。
仕切りと麺被りしている常連とその友達は、表面上は仲が良いが、裏では喧嘩している人もいる。

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仕切りvs他バンドの仕切り

遅い番号のチケットしか取れないでいると、他バンドの仕切りから「あそこの仕切りは使えない」と言われる。
仕切りが禁止されているバンドの仕切り(連絡係)は、他バンドの仕切りに自分のバンドの紙を渡して、自分は仕切っていないという体裁をとる。

■さいごに

ハッキリ言えばワイは仕切り肯定派です。
個性の強いバンギャたちを管理できる仕切りはすごいので、いろんな職業で才能を発揮できそう笑
人間関係がダルそうだけど、優しい仕切りさんのいるバンドってなんかいいよね!

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