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私があまりにも浅はかで愚かだった話【ザ・ミュージック・マン感想】

ミュージックマンを二度観劇した。
これを書いているのは、二度目が終わったあとの電車だ。
私はあまりにも浅はかで愚かだった。

一度目の観劇で、複数疑問点があった。
「幕間の短い時間でマリアンのハロルドに対する感情変わりすぎじゃないか」
「なんか終わりがしっくり来ない」
「楽器も衣装も届いているのになぜ詐欺師なんだ」
「詐欺師なら楽器も衣装も楽譜も届くわけがない」
「マリアン急にハロルドに惚れてるけどどうした」
「ハロルドがカッコイイのは分かるがマリアンどうした」
「司書のおじょぉ〜〜〜〜〜さんっ?」

正直、一度見ただけではこのミュージカルの面白さが分からなかった。
全部なあなあにされて宙に浮かされた気分だった。


帰ってすぐ、Twitterを見た。
ふと目に入ったツイートは、このようなものだった。
「若者が元気だと街全体が明るくなる」
私はエンタメ好きを名乗るのが恥ずかしくなった。
こんなことにも気付けなかったなんて!!!

マリアンは物語のお約束でハロルドを好いたわけではない。
ちゃんと理由がそこにあるじゃないか!!!

二度目の観劇で、すべてが理解できた。
そしてフィナーレでバカみたいに泣いた。(それはいつものことである)

家族にもたった3つしか言葉を発しない少年が、ハロルドと出会い、歌う楽しさを知った。

少年の笑う姿を願った家族が、ハロルドと出会い、これ以上ない喜びを得た。

頑固で愛想のないアイオワの住民が、若者が、ハロルドと出会い、街に明るさをもたらした。

音楽が、ひとつの街を照らした。



(泣)



ハロルドが詐欺師と呼ばれるのは、「ボーイズバンドを作り、披露する」ことを【約束】したからであって、それが達成されなければ、いくら楽器が届いても、衣装が届いても、約束を破ったことになる。だから、詐欺師。なるほど。


そう思うと、ハロルドとマリアンが交互に歌うシーンもよかった。
「君とあの娘、どっちが営業マンなんだ!」
間違いねえ〜っ。ハロルドはいつの間にか営業マンではなく、ひとりの女性に惚れたただの男性になっていったんだねえ。
最初にハロルドが歌っていた方の曲はいわば「人を騙すための歌」であり、マリアンが歌うのは「愛する誰かのための歌」なので、それが逆転したということはハロルドが誰か(マリアン)を愛した証拠だし、マリアンがハロルドのために嘘をつく(自分を騙して本音を隠す)証拠だと思う。

自分の素性が明かされることよりも、マリアンを侮辱したことに怒りを見せ、マジトーンの「ぶっころすぞ」が出ちゃうハロルドさん(私の趣向から来る回想)


あぁ〜私も坂本さんと激アツな恋愛がしたい。ああやってゆっくり近寄られて手を取られてキスされたい。いや、されなくていい。されなくていいから、早く坂本さん主演の50代遊びまくりしょうもな男と仕事に生きてきた40代後半女の恋愛ドラマをやってくれ。キュンしたい。毎日をキュンで生きたい。現実と向き合えと言われても、私は坂本さんでキュンがしたい。いつまでも。
坂本さんがステージを歩いているだけで世界がキラキラしていて、別次元のスタイルで私を魅了する。もうこの人から逃げられないんだなって、何度も運命を悟る。

この人についていけば、世界が広がる。

音楽は素晴らしいものだと思い出させてくれる。

今日、掴んだ確信。

あーーー幸せ。いい作品に出会えた。

私はあまりにも浅はかで愚かだった。

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