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実践暗算AC/A比 トレーニング症例5【開散不全】の対応策

今回のトレーニング症例です。

■ 開散不全とは

遠くを見ている際、人の目は、ほぼ平行線の眼位になるのですが、開散不全は目が開ききりません。大きく内側に目が向いてしまうため耳側の筋肉で眼球を開き視線を平行に向けるのですが、日常の生活で大変苦労します。

◎遠見眼位(大きな内斜位)近見眼位(軽度内斜位)の目の人です。
遠方視で大きな内斜位があり常に開散力を使います。開散力とは、耳側の筋肉「外直筋」を使い目を開いて視線調整しますので非常に疲れます。

外直筋は、元々筋肉の力があまり強くないため内斜位が大きいと視線調整ができずに遠くのものが二つに見えます。
例えば運転において「センターラインが2本に見える」等の症状がでたり遠近感覚に苦手を生じます
スポーツアスリートは、(野球で例えると)素早い視線移動がうまくいかず手元から遠くの視線移動がスムーズに移行せずに守備ミスや送球エラーにつながります。

〇開散不全はカバーテストで確認しよう

〇米国式21項目検査で開散不全の斜位を数値で確認!


■トレーニング症例5【開散不全】

〇データ
●#7A(自覚的屈折検査 完全矯正値)
PD(瞳孔間距離)56mm
R  S ー4.50 D
L  S ー4.75 D

●#8 #13B(遠方水平眼位 近方水平眼位)
遠方 8△BO(ベースアウト)青ライン
近方 2△BO(ベースアウト)赤ライン

下記頭でイメージする眼図(虎の巻)
注意:PD56mm
なので下記眼図グリーン太字矢印数字「14△」となるので注意してください。

遠方視(青ライン)で大きな内斜位

●AC/A比 実践暗算計算方法
・14△ー8△+2△=8△  
・18△÷2.5または(×0.4)=3.2△
AC/A比 3.2△ Low

【計算解説】
PD56mm 1m(1D調節)先のものを見ると5.6△打ち寄せします
近方視は40cm(2.5D調節)します。そのため近方視での内よせは、14△になります。(5.6△×2.5△=14△)

遠方の斜位・・・8△BOです。目が安静位になると大きく内側に入ってしまうためマイナス(ー)します(上記イラスト・青ライン)

近方の斜位・・・2△BOです。目が安静位になると内側に入ってしまうためプラス(+)します(上記イラスト・赤ライン)

このように組み立てAC/A比を頭の中で計算します。

■ 解説(眼位からの処方度数の考え方)

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