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相手を大切にすることは、自分を二の次にすることじゃない

こんにちは、自分らしい幸せなキャリア実現パートナー、佐藤千鶴です。
NOTEでは、30年以上にわたって日本企業や外資系企業で働いてきた私の経験から、「先にこれ知ってたら、もっと楽しく仕事やれてたのに」という、自分らしい幸せなキャリアづくりのヒント100を紹介しています。

第5回目のテーマは「自分も相手も大切にするコミュニケーションとは」です。


優しさと自己犠牲のはざま

仕事や人間関係において、「優しさ」や「思いやり」がある人がいることで、どんなに助かるか、そして成果を上げるために重要かを私は実感してきました。例えば、落ちたボールに気が付き、すぐに拾ってくれる人。その存在は本当に貴重です。

しかし、長い間「周りの人がいい気分になるように」ということを意識しすぎて、自分の気持ちを抑え込みすぎることが、かえって自分を疲弊させることに繋がることもあることに気づいた時のことをお話しします。


自分を後回しにした結果、疲れ果てた同僚

ある時、私の同僚がチームリーダーとして大きなプロジェクトを担当していました。彼女はメンバー全員が気持ちよく、不満なく働けるようにと、彼らの要望をすべて叶えようと奮闘していました。しかし、どれだけ努力しても全員の希望を満たすことは不可能です。さらに、上司との板挟みも重なり、彼女は次第に自分の意見や要望を抑え込むようになってしまいました。

結果として、彼女は疲れ果て、体調を崩し、仕事への意欲もなくしてしまいました。彼女が「少し仕事を休もうと思う」と連絡してきた時、私は彼女の苦悩に何も気づいていなかったことがショックでした。「私はどうしたらよかったんだろうね」彼女が最後に言った言葉です。


「自分の気持ちを伝える勇気」こそが新たな道を開く

その時、私は彼女の問いに何も答えることができませんでした。なぜなら、私もまた彼女の思いやりに甘えていた一人であり、彼女のつらさに真正面から向き合うことを避けていたからです。彼女の「どうしたらよかった?」という問いは、私にとって深く刺さる棘となり、今でも時折思い出しては考え続けているテーマです。

今、もし彼女に答えるとしたら、こう言います。他人を大切にすることと、自分を犠牲にすることは違うということを忘れないでほしい、と。

相手に対して優しくするためには、自分を抑え込むのではなく、まずは「自分の気持ちを正直に伝えること」が重要です。リーダーとして、助けが必要なときはそれを求め、一緒に考えてもらうことも大切なコミュニケーションの一環です。


正直な対話が生み出すもの

私自身も、時には自分の意見を言うのをためらったり、あいまいな表現でごまかしてしまうことがあります。そうすることで、相手に決定権を渡し、自己保身を図ろうとしているのかもしれません。

しかし、私が彼女から、そしてこれまでの経験から学んだのは、自分の気持ちを正直に伝えることが、相手との信頼を築くための第一歩だということです。そして、その過程で相手の反応を受け止め、繰り返し対話を続けることが重要です。一度の対話で全てが解決することは滅多にありません。でも、これを避けてしまうと、相手の本当の気持ちを理解するチャンスを失ってしまうし、相手も私のことを理解する機会を失ってしまうのです。

この「正直な対話を繰り返す勇気」こそが、自分も相手も大切にするコミュニケーションの核であり、それを実践することで、チームメンバーとの信頼関係が深まり、プロジェクトの成果が高まるだけでなく、自分自身も楽しく働けるようになるのです。


まとめ:自分と他人を同じように大切にする

他人に優しくするためには、自分を犠牲にする必要はありません。相手に優しさを持ちつつ、自分の気持ちを正直に伝え、対話を繰り返すこと。それが本当の意味での「自分も相手も大切にするコミュニケーション」だと思います。

私自身まだ完全にできているわけではありませんが、この方法を続けることで、職場での信頼関係が深まり、仕事が楽しくなるのを感じています。自分も相手も大切にするコミュニケーションができれば、自分自身も心から満たされる日々が増えていきます。そこから自分らしい幸せなキャリアを築いていけます。一緒に進んでいきましょうね。

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