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FUNDING FACTBOOK「エール株式会社」

「FUNDING FACTBOOK」では、資金調達ニュースの対象となった非上場企業の調達情報を、登記簿謄本を確認し、その調達内容を詳細にスキームまで解説する。
この記事では、2021年01月25日に資金調達を発表した「エール株式会社」の資金調達内容について取り扱う。

1. エール株式会社について

エール株式会社は2013年6月4日に設立された会社で、オンライン1on1サービス「YeLL」を提供している。

現在展開しているサービスを展開するまで、エール株式会社は何度かサービスの変更やサービス内容の変更を行っている。それらのサービスは、組織づくりや働き方といった「HR」の分野に関連したビジネスという意味では創業時から現在に至るまで一貫している。

組織の大きな特徴として、創業から2021年までの9年間で3回代表取締役を変更していることに着目したい。エール株式会社は、創業時から2021年1月に発表した資金調達まで、4回の資金調達を重ねている。代表者の変更とサービスの変更を重ねながら、Valuationを上げながら資金調達を行って組織拡大を行っている、(これが適切な表現か悩む所だが)かなりタフな会社だ。

この記事では、エール株式会社のこれまでの変遷から発表した資金調達の内容の確認、それまでに行った資金調達の内容を確認する。

2. これまでのサービスの変遷

(1)創業〜創業者の退任まで(2013/6-2016/11)
アクセンチュア・伊藤忠等を歴任した興良 昌浩氏が、当時所属していた株式会社ステラ・コンサルトの社内ベンチャーとして「株式会社もくてき(現エール株式会社)」を設立した。興良氏は、個人のプロジェクトとして、学生と社会人が「何のために働くか」について話す場「ハタモク」を2011年から立ち上げている。個人で行っていた「ハタモク」に加え、家族から事業を引き継いだ二代目社長のための起業塾「後継起業家フォーラム」が、創業当初の事業だった。 2014年には研修事業・コンサルティング事業を開始している。

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