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「他人の言行を
 
 常に心の鏡として
 
 他人に対処するなら
 
 それで
 
 立派な交人態度が決定される」
 
 (中村天風師 『箴言注釈』)
 

 
 
 
むかし、わたしの知り合いの人で、
 
わたしにとって、どうも不可解な人がいた。
 
「なんか、よ~わからんなあ。この人」
 
さっぱり意味がわからない。
 
 
わたしに対して
 
その人が行動される意味が不明だった。
 
 
たまに不気味なときもあった。
 
「なんでやろなあ?こんなこと、しはるのは」
 
「変わってはるなあ、何でこんな反応をするのやろ?」
 
「ストーカーでもないやろし、気色悪いやっちゃな」
 
 
レスポンスが、とんちんかんで、ちぐはぐだった。
 
 
当時、
 
そんな経験は初めてだった。
 
 
しかし
 
 
ある時、わかった!
 
 
この人、わたしに頼ってるのとちゃうか!
 
頼りにしてくれているのだ。
 
なついている感じもする。
 
わたしに対して甘えているのだ。
 
 
表現方法が的を得ていないだけで。
 
 
そして、
 
私の【心の鏡】であるということも。
 
 
この人の言動は、
 
わたしの心の中の一部分の反映なのだろう。
  
 
私もまた、知らずしらずに、
 
その部分と同調していたのだと思う。
 
 
まだまだ修行が足らんなあ。
 
よしっ、もっと精進しよう!と思った。
 
 
また、その人は
 
ある意味では反面教師なのだと。
 
 
そう考えれば、非常にありがたい存在だった。
 
 
こんなことをすれば、人の心を煩わせたり、
 
不快な気持ちにさせるのだという、
 
逆説的な見本を見せてくれるのだ。
 
 
俺は、こんなことをしたくないな。
 

逆の見本を見せてくれていた。
 
 
そう考えると
 
ありがたいなあ。
 
 
【他人は変えられない】
 
他人は自分の思い通りにならないものだ。
 
それが当たり前と思うと気分的にラクだ。
 
 
 
すると、
 
自分が変わるしかない。
 
いや、今の自分より向上、成長することだ。
 
それを教えてくれてるんやな。
 
ありがたいな。
 
 
 
 
「いかなる場合にも、
 
 他人の心を消極的にするがごとき言行は、
 
 絶対になすべきでない・・・
 

 特に病に犯されている人や、
 
 運命に悩まされている人は、
 
 よほどの修養のできている人でない限り、
 
 おおむねはその心が極度に消極的になっているのが
 
 普通の傾向であるから、
 
 
 その種の人々には、
 
 一段とその心を積極化するための努力を、
 
 真実の人類愛をもって働きかけてやらねばならない」
 
                  (中村天風師)

 
 
ほんまやなあ。
 
 
「『他人の言行を、常に、心の鏡とする』ということは、
 
 他人の言行を、仔細に注意深く看察して、
 
 それが果たして積極か、かつまた消極であるかを
 
 検討することなのである」(中村天風師)
 
 
そういえば、その人は、いつも消極的なことばかり
 
言ったり書いていたなあ。
 
 
いつも、それで、あっちこっち病になったり
 
人間関係や仕事のトラブルにあっているなあ。
 
 
ほんま、反面教師やなあ。
 
こういう言動をしてたら、こういう結果になることを
 
わたしに教えてくれてたんやなあ。
 
 
ありがたい存在やなあ。
 
 
当時、その人からの気づきと学びのチャンスを

天からわたしに与えられていた。
 
 
なんと、ありがたいことやなあ。
 
 
これからも、もっと
 
他人の言行から学び、
 
自分の言行を省みて、
 
軌道修正及び改善をしていこう!
 
よしっ、やるぞ!
 
 
 
「たちむかふ 人のこころは 鏡なり
 
      おのが心を うつしてや見ん」
 
             (中村天風師)
  
 

(写真 acworksさん)

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