・・・さらに、日常生活で大事なことがいくつかあるが、
その中でも重要なのは【取越苦労厳禁】だ。
「取越苦労」とは、何か？
「将来のことをあれやこれやと考えて、
つまらない心配をすること」と広辞苑にある。
簡単にいえば、
「取越苦労」とは
【心配しなくていいこと心配する】ことなのだ。
さらに、
「取越苦労をすればするほど、
その心の
消極的反映が即座に運命や健康のうえに
まざまざと悪い結果になってあらわれる」
と中村天風という。
「およそこの取越苦労という位下らぬものはない。
それは徒らに、心のエネルギーの消耗率を高めるだけで、
何の得る処もない全損的行為であるからである」
つまり、
百害あって一利なし。
「みだりに、未だ来たらざる将来のみに、
振り向けて、
肝心の現在を疎かにしたのでは、
到底、
心そのものの働きさえ完全に行われぬことになる」
とも中村天風はいう。
古訓や古歌に
「心は現在を要す、
過ぎたるは逐うべからず、
来たらざるは逐うべからず」
「さしあたる、
その事のみをただ思え、
過去は及ばず、未来知られず」
という言葉もある。
では、どうすればいいか？
「取越苦労」になりそうになった時は、
それは消極的観念であるから、
消極的観念で考えることは断然止めて、
考えねばならぬ場合は、
積極的観念で思索すべし。
言い換えれば、
積極的観念で行われた思索は、
おおむね整然として、
無駄なエネルギー消耗を招来するような
「取越苦労」にならないからである。
以上のことを
私は約40年前に
中村天風師の名著『真人生之探究』から学んだ。
以来、取り越し苦労は、少しずつ減り
【心の安定】が得られやすくなってきた。
【心の安定】のためには、
前述のような、いくつもの具体的な方法があるが、
他にも、とっておきの秘策が・・・
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