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竈炊飯治郎 第15話 知恵を買う金持ちと物を買う庶民

苦労して貯めたお金は一瞬で無くなり、楽しい事の共有は一瞬で大金になる。

あずきさんに起業資金1000万円のお金を使われてしまった飯治郎ですが、良い師匠に巡り合い、最近は起業に関してもだいぶリカバーできてきたと思います。ご飯のことばかり書いてきましたが、今日は起業についても少し考えて行きたいと思います。

さて、嫁のあずきさんはなぜ、食費を驚くほどに使うのに、飯マズなのでしょう?あずきさんはいつもインターネットで色々検索しては、あれが欲しい、これが欲しいと言い出します。今までは湯水のように買い与えていたのですが、1000万円の件があって以来、財布の紐をキュッと引き締めています、もちろん、私がですがw

先生に可視化が重要と言われて以来、家にあるものを可視化するため、全て並べて写真に取りました。写真に撮って分かったのですが、うちにある物の80%はあずきさんの物で、しかもその80%は使わずにしまってあります。買っても使わないので、見た目には、私より少し多いだけに見えます。しかも、同じものをいくつも買います。驚くことにホッチキスは7個ありました。なんとヘアピンに至っては100本以上ありました。

以前偽物のストウブの鍋のことを書きましたが、鍋も同じサイズの琺瑯が3つありました。よくよく問いただしてみると、これにはがあるのです。

あずきさんは、ネットや雑誌などで有名人が使っているものを見ると、例えばストウブの鍋などですが、とってもカッコよく思えて、それを使うとなんだか自分が料理上手になったような気になるそうです。道具も可視化して分かったのですが、本当に料理を作るのに必要な道具はほとんど無く、今回食事を作るために、かっぱ橋でかなり散在しました。必要な道具をそろえず、鍋や包丁ばかり、しかも同じサイズを買うので、いつまでたっても美味しいものが作れません。ストウブに憧れては小さめのストウブを買い、ル・クルーゼに憧れてはストウブと同じサイズのル・クルーゼを買うのです。

建築業界では成果物という言葉を使います。本来、鍋を買う目的は美味しいものを作る事です。そして鍋によって出来てくる「美味しいもの」が成果物です。でも、あずきさんにとっては鍋を買うこと自体が成果物になってしまっているのです。知識にお金を払うという概念がなく、物に固執して、料理なんかクックパッドで調べればいいじゃないか的なことをよく言います。美味しい料理を作るのにどんな道具が必要で、どうやって作るのかにはまったく無関心です。調味料を計量しないばかりか、作ってる最中も味見すらしません

今回料理をするに当たって、親方から基礎的の道具の重要性計量の重要性手順の重要性を学びました。そして実際に作って試行錯誤してみることの大事さを学びました。余談ですが以前、私が先生にデザインを上達するにはどんな本を買ったらいいですかと尋ねたところ、君は病気になっても、家庭の医学書で勉強して病院には行かないのか?と言われました。本やテレビ、インターネットで得られる情報には限りがあるから、専門家に聞けと言うことだったんだろうなと思います。実際、その話の半年後にあずきさんは癌になり、先生にいろいろお世話になってがんを克服するのですが、あずきさんはそのことに関して一切感謝していません。あずきさんにとってアドバイスや知識といった「無形のもの」はタダで当然なのです。しかも手柄は全て自分で、悪いのは全て他人だという考えなので、結局自分が孤立してしまい、2度目からは誰からも教えてもらえなくなるのです。ストウブを買って美味しく出来なければ、それはストウブが悪く、ル・クルーゼで美味しく出来なければル・クルーゼが悪いのです。

その結果、着ない服、付けない宝石、使わない鍋に収入の大半をかけることになり、ものは多いけれども必要なものがまったくない状態です。まさに裸の王様です。そして目的が達成できない(本来の成果物を得る事ができない)ため、買っても買っても満足できず、次から次へと買うのです


ここで私は、株で財をなした祖父が言ったことばを思い出しました。
「学ぶことに時間とお金を投資しなさい。」

これは祖父の考えですが、自分にとって有益になる人との付き合いには、時間とお金を惜しんではいけないという教えです。

私が好きな言葉にも、
“どの分野でもいい。本当に成功したいなら、目指す年収の5%は自分に投資するくらいでなければダメだ。”(「リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間」より)

1億円なら500万円、5000万円なら250万円です。祖父の考え方はまさにそれでした。人より抜きんで何ができるわけでもない自分が、大阪で投資家として成功できたのにはそういった秘密があったのだと教えてくれていたのです。(先生に教えてもらうまでは自分では気が付きませんでした。)

それにはまず、成功に導いてくれる師匠をきめる。これが自分には先生だったのです。先生は雲のような方で、好きなときに、好きなところで本当に楽しそうに仕事をしています。その姿に対する強烈な憧れが、私の未来の目標となったのです。(はたから見ると遊んでる?ようにしか見えませんが。)

もしあなたが、デザイナーとか建築家(どんな仕事でもいいのですが)として、年5千万円以上稼いで自由に暮らして行きたいのであれば、人の力を借りる考えが重要になります。
これまでと違った結果や、大きな成果を出すためには、自分が知らない知識や知恵が必要になるからです。デザインの世界に限らず、成功している人は、専門家の意見をよく取り入れます。そしてその専門家に喜んで高額のお金を支払います。

事実、祖父も自分より知識が豊富で社会的地位のある人たちとよく交流し、惜しみなくもてなしていました。なぜなら、専門家がかけてきた、時間、お金、労力を、わずかなお金と時間で学ぶことができるからです。自分でやるとなったら、どれだけのお金や時間、労力がかかるか想像してください。お金でそれが埋められるなら、これほどありがたいことはないはずです。

ですから、私は先生を通じて知り合った、私をサポートしてくれる専門家の方には、できるだけ惜しみなくお金をお支払いするようにしています。

あずきさんのように感謝もせず、そこをケチれば、最悪の事態が訪れたとしても、誰も助けてくれません。昔話の教訓のようですね。

目指す先にいる先生のような師匠が見つかれば、かなりの時間と労力を短縮できます。そして信じられないような結果を出せるはずです。

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