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DICOMDIR

DICOMDIR は、非常に特殊なDICOMファイルです。

よく、CDなどのメディアでDICOMデータをやりとりすると、画像と一緒に入っています。このようなフォルダになっていることがよくあります。

  • Rootフォルダ

    • アプリケーション実行ファイルなど

    • DICOM

      • DICOM画像フォルダ

      • DICOMDIR:DICOMDIRデータファイル

他のDICOMファイルが、それ自身のDICOMデータオブジェクトを格納するのに対し、DICOMDIRは、与えられたディレクトリ(フォルダ)内のDICOMファイルに関する情報を格納します。

したがって、DICOMDIRは、DICOMデータフォルダに置かれた小さなDICOMデータベース、またはDICOMファイルのインデックスの役割を果たします。

ファイルのインデックス作成

ファイルのインデックス作成は、多くのソフトウェアで非常に一般的なタスクです。インデックスファイルは、特定のフォルダー内にある複数のファイルに関する情報を含む特別なファイルです。インデックスファイルには、ファイルとそのファイルのキーとなる用語の対応付けや、ファイルの位置を示すパスとの関連付けなどが記録されます。

オペレーティングシステム、電子メール、マルチメディアソフトウェアはすべて、コンピュータ上のファイルのインデックスを利用します。

ファイルのインデックスは、ユーザーが指定した検索キーによるファイルの検索など、ファイルデータへのアクセスを高速化することに役立ちます。

DICOMDIRの中身

インデックスファイルの作成・管理では、インデックス対象フォルダーに変更があるたびにインデックスファイルを更新する必要があります。したがって、汎用のDICOMデータベースと同様に、DICOMDIRはすべてのディレクトリデータを、患者、スタディ、シリーズ、イメージの4つの原則的なDICOMレベルで整理しています(このようにDICOMレベルで規則的に整理されたDICOMファイルのセットは、DICOM File Setといいます)。

DICOMDIRの概念

DICOMDIRは、DICOMDIRが格納されたフォルダをRootとして、Root内の各DICOMファイルに対して、患者フォルダ、スタディフォルダ、シリーズフォルダ、そして最終的なDICOMファイルとなるイメージの、4つのエントリーを記録することになります。

サンプルデータによるDICOMDIRファイルの例を示します。

DICOMDIRの例(PS 3.10 Table A.1-1. Directory Content Exampleより一部抜粋)

長く複雑に見えますが、よく見ると、すべてのDICOM項目(患者、スタディ、シリーズ、イメージ)のリストは、Directory Record Sequence 属性(0004,1220)へのエントリーとして、DICOMDIRオブジェクトに挿入されていることがわかります。

Directory Record Sequence 属性 (0004, 1220) シーケンスの各エントリに対して、DICOMDIRは2種類のデータを格納します。

  • アイテム固有のセレクションキー
    アイテムというのは、DICOMオブジェクトのことと思ってください。
    セレクションキーはDICOMDIR内の項目(アイテム)検索を容易にするために用意されています。例えば、Modality (0008,0060)属性は、シリーズを検索する際に最も頻繁に使用される選択基準の一つですから、DICOMDIRのインデックスにセレクションキーとして保持すると便利でしょう。こうしておけば、与えられたディレクトリにどのモダリティが存在するのかが分かります。ほとんどのDICOMソフトウェアは、DICOMDIRがあった場合は、DICOMDIR内のエントリーのリストをユーザーに提示するような仕組みを提供しています。ある種のDICOMDIRブラウザのようなものです。例えば、DICOM CD をPCで読み込むと、通常、DICOMDIRから抽出されたCD内の患者および検査のリストが表示されます。そのとき、患者名、検査日、モダリティ、その他の有用なデータは、セレクションキーとしてDICOMDIR内に保管されているので、そこから取得されるという仕組みです。

  • ベーシックディレクトリ情報オブジェクト
    DICOMDIRには、DICOMグループ(0004)の属性も格納されます。グループ0004は、ベーシックディレクトリ情報オブジェクトのために確保されています。上の例からわかるように、DICOMDIRの各アイテムに関連するディレクトリ情報(Directory Record)を格納します。File IDなどです。要するに、どのDICOMDIRオブジェクトもベーシックディレクトリIODのインスタンスであるということです。

DICOMファイルにDICOM画像のみを保存する必要がないように、DICOMDIRファイルに記録される項目を、DICOM画像のみとする必要もありません。

DICOM画像以外のIODもDICOMDIRで扱えますし、DICOMDIRにはDICOM以外の非DICOMファイルをエントリに含めることができます。DICOM規格は、DICOM以外のデータを処理する手段を提供できないのですが、ここではあまり気にすることはないでしょう。

ベーシックディレクトリIODの詳細については、PS 3.3 Annex Fで見つけることができます。


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