VIS_TATSUAKI

診療放射線技師からキャリアをスタートし、現在は医用画像処理エンジニア兼研究者、ときどき…

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診療放射線技師からキャリアをスタートし、現在は医用画像処理エンジニア兼研究者、ときどき技師をさせていただいております。Noteでは、ゆる~く、関連技術について、技術解説、画像処理HowTo、画像処理プログラミングなどを紹介していきます。マジになるなよ。

マガジン

  • RadiomicsJで実践するRadiomics特徴の算出

    テクスチャなどを含めて170種類以上の画像特徴を計算することができるRadiomicsJというライブラリの紹介を目的としたマガジンです。 Radiomicsに興味はあるがやり方がわからない、あるいは、実際に特徴を得てもその特徴がどのような意味を持つのかわからないという自分のために文字に起こしました。IBSIリファレンスマニュアルを元にした内容で構成されています。 RadiomicsJはこちら:https://github.com/tatsunidas/RadiomicsJ 作製:Visionary Imaging Services, Inc.

  • DICOMアプリケーション開発入門編

    コンピュータ・プログラムからDICOM画像を開きたい、DICOMアプリケーションを実装したい方向けの解説まとめです。初級編です。開発言語はJavaです。オープンソースのdcm4cheライブラリを用います。 対象読者: ・医療関係者として、知識として知っておきたい方 ・将来、勉強や研究で使うかもしれない方 ・DICOMアプリケーションを開発したい方(まったく知らない~初学者) ・人工知能の開発でDICOMをデータセットとして扱いたい方

  • 惑星DICOM

    まったくDICOMが分からなかった医療従事者経験のあるプログラマーが、DICOMの概念や仕組みについて学んだことを共有させていただきます。DICOM入門レベルの内容です。

最近の記事

Radiomics超入門:Neighboring gray level dependence matrix 特徴

[Sun1983]は、GLCMに代わるテクスチャの指標として、Neighboring gray level dependence matrix(近傍グレーレベル依存行列, NGLDM)を提案しました。NGLDMは、全体的なテクスチャの粗さを捉えることを目的とした指標であり、回転不変です。 計算に用いられるグレーレベルは離散化を前提としています。 NGLDM は、他のテクスチャ特徴と同様に、近傍領域という概念を利用します。チェビシェフ距離$${\delta}$$以内のすべて

    • Radiomics超入門:Neighbourhood gray tone difference matrix特徴

      概要[Amadasun1989]は、グレーレベル共起行列(GLCM)に代わるNeighbourhood gray tone difference matrix(近傍グレートーン差行列, NGTDM)を提案しました。 NGTDMは、離散化されたグレーレベル$${i}$$を持つボクセルのグレーレベルとチェビシェフ距離$${δ}$$内の近傍ボクセルの平均グレーレベルの差の合計を考慮します。 3D については、AmadasunとKingによるオリジナルの定義を拡張することができま

      • Radiomics超入門:Gray Level Distance Zone Matrix 特徴

        概要Gray Level Distance Zone Matrix(GLDZM)は、グレーレベルごとに計算されたボクセルのグループ(ゾーン)が、ROI エッジ(ROI の端)からどのくらいの距離に存在したかをカウントした行列です [Thibault2014]。GLDZMは、位置とグレーレベルの関係を捉えることに役立ちます。 グレーレベルは、離散化されていることが前提です。 GLDZM を計算するには 2 つのマップが必要です。 1 つ目は、グレーレベルゾーンマップです。

        • Radiomics超入門:Gray Level Size Zone Matrix特徴

          概要Gray Level Size Zone Matrix (GLSZM) は、繋がっているボクセルのグループ(ゾーン)の数をカウントすることで得られる行列です[Thibault2014]。 隣接するボクセルが同一のグレーレベルを持つ場合、ボクセルは繋がっているものとして扱われます。ボクセルが繋がりのあるグループ(ゾーン)として分類されるかどうかは、近傍の定義によります。テクスチャ解析の3次元アプローチでは、中心ボクセルから、26 個の近傍ボクセルに同じグレーレベルを持つボ

        Radiomics超入門:Neighboring gray level dependence matrix 特徴

        マガジン

        • RadiomicsJで実践するRadiomics特徴の算出
          29本
        • DICOMアプリケーション開発入門編
          13本
          ¥4,480
        • 惑星DICOM
          26本

        記事

          Radiomics超入門:Gray Level Run Length Matrix特徴

          概要Gray Level Run Length Matrix(GLRLM)は [Galloway1975] によって、テクスチャ特徴として導入されました。GLCMと同様に、GLRLMも画像または画像スタック内の離散化されたグレーレベルの分布を評価します。そのため、入力画像は離散化されていることが前提です。ただし、GLCMが隣接するボクセル内のグレーレベルの共起を評価するのに対し、GLRLMはRun Length(線の繋がりの長さ)を評価します。Run Lengthは、方向ベク

          Radiomics超入門:Gray Level Run Length Matrix特徴

          Radiomics超入門:Gray Level Co-occurence Matrix特徴

          概要テクスチャに関する特徴は従来、2D 画像の表面のテクスチャを評価するために設計されていました。しかし、近年では、テクスチャ解析は 2D 画像に限定されるものではなくなり、3D オブジェクトにも拡張可能になっています。 GLCMの計算に用いる画像の信号強度は、一般的に、GLCMを計算する前に離散化されます。 Gray Level Co-occurence Matrix(GLCM)は、テクスチャを表現する特徴の一つです。 どのように信号強度がペアで並んでいるかを、角度と距

          Radiomics超入門:Gray Level Co-occurence Matrix特徴

          Radiomics超入門:Intensity-volume histogram特徴

          ROI 信号強度マスク内のボクセルの集合$${X_{gl}}$$の(累積)信号強度-体積ヒストグラム(Intensity-volume histogram, IVH)は、離散化された信号強度$${i}$$に対して、$${i}$$を含むボクセルの体積の割合$${\nu}$$の関係を表します[ElNaqa2009]。 画像モダリティによっては、IVH 特徴を計算するために$${X_{gl}}$$を離散化し、離散化ボクセルセット$${X_{d,gl}}$$を作成する必要があります

          Radiomics超入門:Intensity-volume histogram特徴

          Radiomics超入門:Intensity histogram feature(信号強度ヒストグラム特徴)

          信号強度ヒストグラムは、ROI 信号強度マスク内にある信号強度分布$${X_{gl}}$$をヒストグラムのビンに離散化した強度分布$${X_d}$$から計算されます。 $$ X_d={X_{d,1},X_{d,2},...,X_{d,N_v}} $$ これは、$${N_v}$$個の離散化された信号強度のボクセルからなる集合(離散化されたボクセルセット)です。 ヒストグラムは、ある離散化信号強度$${i}$$ の頻度をカウントして得られた度数$${n_i}$$を、信号強度

          Radiomics超入門:Intensity histogram feature(信号強度ヒストグラム特徴)

          Radiomics超入門:Intensity-based statistical feature(信号強度に基づく統計的特徴)

          信号強度に基づく統計的特徴は、関心領域(ROI)内のボクセルの信号強度がどのように分布しているかを説明するための統計量です。 この特徴は離散化を必要とせず、連続的な信号強度分布(離散化していないボクセルセット)から計算できます。 ROI マスクに含まれる $${N_v}$$ 個のボクセルの集合は次のように表すことができます。 $$ X_{gl}=\{{X_{gl,1}, X_{gl,2},...,X_{gl,Nv}\}} $$ この特徴は、3D ボリュームを用いて計

          Radiomics超入門:Intensity-based statistical feature(信号強度に基づく統計的特徴)

          Radiomics超入門:Local Intensity特徴

          概要中心ボクセルの周囲にある近傍ボクセルの信号強度は、局所の信号強度の特徴を計算するために使用されます。 他の特徴とは異なり、Local intensity 特徴(局所信号強度特徴)は、ROI 信号強度マスク内のボクセルのみで計算されるわけではありません。ROI 信号強度マスク内のボクセルは中心ボクセルとして使用され、その局所の近傍領域は、ROI に関係なく、元のボクセルセットすべてが計算対象になります。 Local intensity 特徴は、3Dボリュームを用いて計算

          Radiomics超入門:Local Intensity特徴

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#Geary’s C measure

          Geary's C measureは、Moran's I indexと同様に、空間的な自己相関を表す指標です[Geary1954][Dale2002]。 Moran's I indexとは対照的に、ボクセル間の信号強度差を計算に組み入れることで局所的な空間自己相関に鋭敏な指標となっています。 この指標は次のように定義されます。 $$ F_{morph.geary.c} = \frac{N_{v,gl}-1} {2\sum_{k_1=1}^{N_{v,gl}}\sum_{

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#Geary’s C measure

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#Moran’s I index

          Moran's I indexは、空間的な自己相関の指標です [Moran1950][Dale2002]。 $$ F_{morph.moran.i} = \frac{N_{v,gl}} {\sum_{k_1=1}^{N_{v,gl}}\sum_{k_2=1}^{N_{v,gl}} w k_1 k_2} \frac {\sum_{k_1=1}^{N_{v,gl}}\sum_{k_2=1}^{N_{v,gl}} w k_1 k_2 (X_{gl,k_1}-\mu)(X_{gl,

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#Moran’s I index

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#Integrated intensity

          Integrated intensity(積分信号強度)は、ROI 信号強度マスクの位置にあるボクセルの平均信号強度に体積をかけたものです。18F-FDG-PETでは、この特徴を病変の総糖代謝量(Total Lesion Glycolysis)と呼ぶことが多いです[Vaidya2012]。 $$ F_{morph.integ.int} = V \frac {1} {N_{v,gl}} \displaystyle\sum_{k=1}^{N_{v,gl}} X_{gl,k} $

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#Integrated intensity

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#VolumeDensityとAreaDensity

          Volume Density(体積密度)Volume Density(体積密度)は、ROI 体積と比較体積の割合です。 $$ F_{morph.v.dens} = \frac {V} {V_{comparison}} $$ Area Density(面積密度)Area Density(面積密度)は、ROI 面積と比較面積の割合です。 $$ F_{morph.a.dens} = \frac {A} {A_{comparison}} $$ 比較体積と比較面積比較体積・比較

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#VolumeDensityとAreaDensity

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#PCAから得られる特徴

          主成分分析(Principle Component Analysis, PCA) は、3D ROI オブジェクトの主な方向(向き)を決定するために使用できます [Solomon2011]。 3 次元のオブジェクトでは、PCAにより 3 つの直交する固有ベクトル(eigen vectors)$${\{e1,e2,e3\}}$$と3つの固有値(eigen values)$${(λ1,λ2,λ3)}$$が得られます。 これらの固有値と固有ベクトルは幾何学的な 3 軸の楕円体を表

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#PCAから得られる特徴

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#CenterOfMassShift

          "ROIボリューム(3 DなROI オブジェクト)の重心"と"信号強度によって重み付けされた ROI ボリュームの重心"との距離は、ROI 内の低/高信号強度領域の空間分布を抽象化した特徴量として解釈されます。 $${N_{v,m}}$$ をモルフォロジカルマスクのボクセル数とすると、ROIボリューム重心は、モルフォロジカルなボクセル位置のセット$${X_c}$$から以下のように計算されます。 $$ \overrightarrow{CoM}_{geometry} = {\

          Radiomics超入門:モルフォロジカル特徴#CenterOfMassShift