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逆転裁判123の感想

他のなにもかもをほっぽり出して逆転裁判123を全部やりました。
discordに書きなぐったやつのコピー。無限にネタバレがあります


逆転裁判1

・とにもかくにも話の運び方が上手く、シロウトにも理解できる事件の真相と尋問中の巧妙などんでん返しを両立させた脚本が素晴らしい
・尋問パートの絶妙な難易度バランスが見事。各パートは長いものの、一度に突けるムジュンが各尋問につき1つづつなので思ったよりも混乱せずに済むのがほどよい
・最初は意外だったいかにもADV然とした捜査パートも、多種多様な反応が見られるおかげでキャラへの感情移入もできてかなりよい。それほど複雑でないのもいい塩梅かも
・キャラクターの表情と姿勢の変化に力を入れた恩恵は凄く感じる。恐らく差分を増やすのは大変な作業だったと思うけれど(実際キャラの立ち絵がこんだけ動くADVってあんまり名前挙げられない)、これが口元と顔だけだったらもっとつまらないゲームになっていたはず
・マップ移動の簡素さに起因する移動時のゴチャゴチャ感に関してはやや不便なような気がしないでもないけど、それを考慮したであろう単純さもあって気にはならなかった
・エアブラシを多用したHDグラフィックにはやや難あり。全部の色の輪郭がぼんやりしている
・矢張とトノサマンのオチは良い感じ。コナカは霊パワーのごり押しがやや難点か?御剣回はもっと真犯人が殺意と計画性を以てコトに及んでほしかった気持ちがあるものの、些細な疑問点から証拠を駆使してそれを追い詰めていく過程はアツい流れだったので好き
・白髪貴族意外と無実なんじゃね?と思ってたので一杯食わされました
・結局ナルホドくんもマヨイちゃんもイトノコ刑事もミツルギくんもヤハリもホシカゲさんもサイバンチョも最終的にはどの主要キャラにも愛着が湧いた。虱潰しに話しかけまくる捜査パートとそれによって見ることになる多種多様な寸劇のおかげだと強く感じていて、実際には弁護士の仕事ってそうではないだろというツッコミを入れたくなくなるほど捜査パートの内容は本当に素晴らしいと思う
・落ち込んだ相手への励ましの証拠品の突きつけ、弁護士バッヂを見せる仕草が糸口になるシーン、法廷証拠で無罪を晴らすシーンなど法廷バトルのシステムを活かした要素やキャラの性格を反映した意趣返しシーンがちらほらあるのが嬉しい
・いいゲームだった

・トノサマン編終盤でウワーッ!黒服ヤクザ!となってコナカ戦の既視感覚えた時にイトノコ刑事が飛び込んできてくれたシーンのアツさはコナカ戦での無力感あってこそみたいな感じがあった
・考えてみれば皆と仲良くなってなくて所長も助手もいない一番非力なタイミングだったんだなぁ


逆転裁判2

・ムズい
・面白い
・サイコ・ロックシステムは一見面倒なシステムながらも、意外とペナルティ事態が重くはなく途中撤退もできるので探偵パートの総当たりマン的にもツラくはない印象
・各人物に対して状況と証拠を整理して突きつける必要があり、それが結果的に背景情報と証拠品の持つ特性の理解に繋がっている
・初見時は分かりにくくて無駄なサイコロック解除作業に勤しんでいたものの、とりあえず移動と会話をしまくって何も起こらなくなれば解除のタイミングだというのに気づけば後は比較的簡単だった
・サイコロック開錠作業が毎回最初からなのはツライが、毎パターンごとに会話の要約差分を作れば労力が増すor容量を圧迫するし、かといって前提の要約を省くと尋問の流れが分からなくなってしまうのでこれは納期やGBAのスペックとしては仕方ない箇所かもしれない
・モロヘイヤ編はカスvs正義の戦いなので分かりやすく、単純に楽しい 
・オカルトバトル編はオカルトバトル要素が理解を阻害する部分こそ多かったものの、オチ自体は巧妙で優秀 結果的にオカンの真実には迫れなかったが続編を示唆する内容もあったので今後出てくるのかも?
・サーカス編はトリック部分にやはり問題はあるものの、話を進めるにつれ各キャラクターの印象が大きく変化するという点ではやっていて非常に楽しい回。初見の印象最悪な奴を好きにさせられるのはやはり脚本の巧妙さ故か
・トノサマン丙編はこれまでの成歩堂の態度がまったく逆の状態でどう揺れ動くのか?という点を緻密に描くことに成功していて、これまでのキャラが終結した内容も相まってなるほどくんへの感情移入がしやすい。予想外の真相やそれでも団結して方法を模索しながら抗う主要メンバー、それでいてどこかトンチキな要素の続く展開などまさに終盤にふさわしい内容だった
・前作が御剣がある結論に辿り着く話で、今作が成歩堂がその結論を理解する話、という構成はそれまで抱いていた逆裁1の印象が大きく反転する事実で(成歩堂が成長してないかというとそうでもないのだけど)、2作間の繋がりが感じ取れるのはかなり嬉しい
・なるほどくんが記憶喪失になったりファン人気が高い(であろう)御剣に対してぴりぴりしてたりと前半部分にプレイヤー目線との相違を感じる点があった
・御剣の失踪のくだりは4章序盤まではもやっとする場面ではあったものの、御剣の信念に基づいた確固たる行動自体には極めて道理が通っていたのでそこらへんは最終的にあまり気にならなかった
・オカルトバトルの状況提示や4章での選択肢の並び順などの随所にカンタンに当てられないようにしようという悪意を感じる部分がやっぱり多く、難易度の高さはやはり問題点

・難解さと意地悪さが足を引っ張るため一作目ほど素直にこれは良い!と言いづらいのは事実ではあるものの、遊んだ後の満足感という点においては一作目を遥かに凌ぐ内容ではあった


逆転裁判3

・全体的にマイルド…というか、2にあったような「悪意」のある選択肢がない
・かといって簡単になったかというとそうでもなく、きちんと「一筋縄ではいかないが、筋は通っている」矛盾で構成されていて遊んでいて理不尽感がない
・一作目からの伏線である家元問題がついに解決。長かったがそれに見合う良い締め方
・これまでの作品では基本的に検察側キャラと弁護側キャラのみでしか縦の繋がりが存在しなかったが(矢張などの証人連続登場はある)、そこに「被告」というもう一つの繋がりを加えることで一貫した繋がりが強調されていた
・各事件の顛末や人物も最終話で一気に繋がるため、最終話で全容を知る際の気持ち良さが生まれている
・新規システムは未登場だが、それ故かゲーム内容には安定感があるように思える
・各キャラクターを執拗に使いまわしているので一見こじんまりしたように見えそうなものだが、丁寧な人物像掘り下げと展開の面白さでそれを感じさせないのは見事。きちんとしたキャラクター描写のおかげで最終的に全員好きになれるという点は3作共通している
・ゴドー、ライバルキャラの癖に登場から最後まで一切株が下がることが無かった
・光落ち前のミッちゃん、服装はダサいけど検察としての態度はわりと真っ当で卑劣要素がなかったので過去編とはいえ上がった株を下げないように頑張って描写されてるなぁ
・なるほどくんタフすぎ
・カゼゴロシZとかいう物騒なネーミング考えた奴絶対トノサマンの歌詞も書いてる
・なるほどくんの目自体に狂いはなかったよ、という救いのある締め方、かなりいいと思った
・なるほどくんのCV
・狩魔vs御剣のドリームマッチ良かったし、2での共闘を経てついに御剣を操作できるという事実にカタルシス的ななんかを感じた
・GBAの少ない容量のままエピソード数を増やすためか過去編を全部法廷だけで済ませた点はちょっと残念というか、千尋さんで探偵パートも操作してみたい(そして先輩との会話を楽しみたい)という気持ちはあった
・ゴドーすき
・名作

・最後にあの曲を掛けるのとてもよかった
・一作目からの因縁と決着をつけるという意味でも最後に流すのはあの曲こそふさわしい
・ゴドーが一撃即死の最大限のペナルティ(ピンチ)を与えた直後に見せる姿がふてぶてしく笑う姿というのも意趣返しが決まっていて気持ちがいい
・家元という地位への病的な執念もそうだけど子供二人産んで捨ててました辺りの話も聞いていてうわぁとなった
・読めねぇ漢字まみれの計画書といい比較的愛せたであろうはみちゃんへの理解度すらも全然ないのキツイ
・あの事件が起こるまでは里の中でずっと暮らしてたのを事件後にマヨイちゃんとなるほどくんが連れ回して交流を深めていったわけだし、その後を知らないキミ子的にははみちゃんは無垢で従順なままだったのかもしれない
・先祖代々家元争いで暗殺しまくりってビキニが言ってたし舞子さんとその娘が例外なだけでキミ子やちなみみたいな性格が綾里家のデフォルトなんだろうか

蘇る逆転

・DS版における追加エピソードとはいえ一応は第一作目の二つ目の最終話、狩魔に代わる新たなラスボスがどういった人物かは気になっていたが、それにふさわしい強大な相手ではあったと思う
・科学捜査パートは2の探知機などの応用と言った感じで新システムのわりに手堅さがある
・確かに3までやってないと分からない小ネタが多い 3Dぐりぐり弄り回しシステムで弁護士バッジ調べた時は笑った
・今エピソードの恐らく最大の役割であろう「追い詰められる御剣の描写」はけっこう丁寧にやっていてかなり良い
・1でやったことは狩魔という個人とその信念の否定のみだったので、検察や警察組織という存在そのものを揺るがすという点では説得力が上がっているように思う。なるほどくんにとってはハッピーエンドでも御剣にとっては(直接の非がないとはいえ)検察としての仕事を全うした結果やってない相手に有罪判決を下して殺したことが判明したわけで、そりゃあ2でのあの行動に繋がるよなぁと思わせられた
・灰原はともかく検事、弁当屋、カウボーイ、ラスボスどいつもこいつも事件を扱うプロ揃い。尋問パートの一筋縄ではいかない雰囲気は他のエピソードにはない威圧感を感じ取れてよかった
・やはり法廷バトルの醍醐味は土壇場での意趣返しにあると再確認した
・指紋や壺回しの判定がやや厳しいのだけ若干の不満点


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