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噓日記 11/26 たまには赤ワインでも

根っからのウイスキー党でウイスキー以外の酒を飲むことがほとんどない私だが、今日は珍しく赤ワインを買ってみた。
最近ただ単純に生きるための飯ばかり食べていたせいもあってか突然肉が食べたくなり近所のスーパーにローストビーフを買いに行ったことがことの始まり。
無事に惣菜売り場のローストビーフをカゴに入れてレジへ向かう道中、目に入った酒売り場から目が離せなくなった。
そういう酒好きのための動線がこのスーパーでは敷かれている。
シームレスに酒売り場に導かれていく。
ただ、ここまでは普段の買い物と変わらない。
普段と違うのはここからだ。
どうせローストビーフを食べるならハイソな雰囲気を味わうためにワインと一緒に楽しむべきだ、と突然天啓を受けた。
普段の私からすると考えられない心の動き、これは正しく天からの啓示と言って他ならないだろう。
さて、ワインを選ぶといっても普段ウイスキー党が故に美味しいワインなんて知る由もないものだから、酒売り場でチョチョイとスマートフォンをいじくり回して安くて美味いと評判のワインを探してみる。
売り場にも丁度そのワインが。
瓶を手に取りエチケットを眺めてみる。
チリワインらしい。
何処の産地がいいのかなんてもちろん知らないが、フランスやチリやジョージアなんかはよく聞くのできっと美味いのだろう。
普段飲むウイスキーの価格から適当に予想して安いと言っても1500円程度だろう、と思ったのだがネットで人気のそのワインはなんと驚くことに1000円以下の値段で販売されていた。
私が小学生の頃の小遣いでも買えるではないか。
また小学校に通うことがあれば、このワインを水筒代わりに持とうと思う。
そのワインをむんずと掴み、カゴに入れ、ローストビーフと一緒にレジへ持ち込む。
2つしか買わないならカゴを使うなという目を店員がしていた。
被害妄想だと思うが、私もそう思うので甘んじて受け入れる。
家に帰り、ローストビーフを皿に移し替える。
私はそういう丁寧さをたまに発揮して人間性を保存している。
普段はパック寿司の蓋を醤油皿にして人間性を唾棄している。
その間にワインは冷蔵庫へ。
少し冷やしたほうが美味いとインターネットに書いてあった。
インターネットはなんでも教えてくれる。
その後少し待ってから夕食へ。
ローストビーフを口に放り込み、その肉肉しさを感じる。
もちろん美味い。
ワイングラスから冷えた赤ワインが口内に流れ込んでくる。
美味いかは分からない。
あたしウイスキー党だから
あたしウイスキー党だから

どりゃあ!