噓日記 12/27 マーモット怪談
みんなは好きな動物っていますか。
僕にはいます。
それがマーモット。
先日の合コンで好きな動物はマーモットと答えて死ぬほど滑ったんですが、それでも僕はマーモットが好きです。
あの蠱惑的なボディ。
プリティーというより、ぷりちー。
むっちむちの赤ちゃんおじさん、そんな生き物がマーモットなのです。
さて、本日はそんなマーモットにまつわる怪談をひとつ。
この話を聞いたのがヨーロッパからの留学生であるA君からなのですが、A君の祖国にはマーモットが普通に生息していたそうです。
生息地に足を運ぶと群れを成したマーモットを見かけることも珍しくなかったとか。
マーモットと生活の距離が僕たちよりもグンと近かったわけですね。
そんなA君なんですが子どもの頃、友人に乱暴者のB君という子がいたそうです。
ある日、A君とB君は喧嘩をしてしまったんです。
きっかけはB君の足をA君が踏んでしまったという些細なこと。
B君はA君をボコボコに殴った後、やりすぎてしまったと感じたのか逃げるように遠くの山の方へ走っていってしまいました。
その山というのが少々いわくのある場所だったそうで、噂では邪悪な精霊コボルトが住む山とされていたのです。
喧嘩をしてやられてしまったA君なので、そこに立ち入ったB君に対してざまあみろと最初は思っていたそうなんですが、このまま一人で家に帰るというのもなんだか気持ちが悪いということでB君を連れて帰ろうと思ったそうなんです。
どうにか山に入ってはみたものの、普段は歩かないゴツゴツとした山道なものですから幼いA君は歩き疲れて少しの間、岩に腰掛けて辺りをそっと観察していました。
その時聞こえた、風が山肌を撫でて吹き抜けていくヒューという高い音が今でも耳に残っているそうです。
いや、正確にはその風に乗って聞こえたB君の悲鳴が耳から離れないそうです。
悲鳴を聞いたA君は、棒のようになった足に鞭打って悲鳴の元へ急ぎます。
そこには凄惨な光景が広がっていました。
八匹のマーモットがB君の周りを取り囲んで襲いかかっているではありませんか。
B君は裸に剥かれ、それでも靴下だけは履いていました。
あと身につけていたメガネもそのまま。
ついでに首から下げていた社員証もそのまま。
A君はそのとき、設定のあるAVも見習ってほしいと思ったそうです。
コスプレものかと思ったらすぐ全裸になるだとか、眼鏡っ娘ものかと思ったらすぐメガネを外すだとか、女性上司ものかと思ったら社員証とかのディティールを見せてくれないだとか。
そういう欺瞞に対しての呪いがその山には漂っていたそうです。
あと、B君は普通に死んだそうです。