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冬の秋田ぼっち旅

2022年のクリスマスは土日でした。特にこの年は予定はありません。
そして、たまたま12月の前半頃にJR東日本びゅうダイナミックレールパックのタイムセールが実施されていて、かつ全国旅行支援が適用できるということを知りました。
タイムセール対象の新幹線に秋田行きのこまち1号があったので、とりあえず東京駅~秋田駅の行程で、かつ秋田駅前のドーミーインを合わせて予約しました。ドーミーイン秋田は喫煙部屋だけ残り一部屋でした。滑り込みセーフ。

新幹線とホテルを合わせて旅行代金は合計 28,900 円になりましたが、これに全国旅行支援が適用されて 8,000 円引きの 20,900 円が主な旅費となりました。東京と秋田を新幹線普通車指定席で往復するだけで片道 18,000 円ほどなので、別にホテル代もかかるとすればこれは異常に安い。

さて、秋田に行って何しようと考えて、最初は男鹿半島でも回るかと最初は考えていました。
しかし、男鹿半島に行くにしても鉄道ではアクセスが悪い。

悩んでいると、五能線の観光列車リゾートしらかみが12/24に運転再開するというニュースを12/10くらいに知り、じゃあ秋田内陸縦貫鉄道の鉄印集めも入れて乗り鉄するかということで急遽えきねっとで空席を予約しました。この時点では車両の端の窓際や前面展望席以外はほとんど空席でした。
ただ、2号車にボックス席あったよなと気づいて考え直しました。ボックス席はえきねっとでは予約できないので、翌日品川駅のみどりの窓口に行って空席具合を聞いてボックス席を買いなおしました。

最終的には以下の切符を揃えました。
五能線の運賃の高さが際立ちます。乗車券は青春18きっぷでも良かったかもしれません。

そして当日、都内は晴天です。
こまち1号に乗るため早朝から東京駅に向かいます。山手線が始発から遅延していて割とギリギリで焦りました。

東京駅20番線

車内で比較的空いていて、朝飯など食べながらゆっくり過ごします。
東北新幹線で北へ向かっていくと、関東平野は晴天なのですが宇都宮を過ぎたあたりで急に空が曇ってきて、福島付近では雪がチラついて、盛岡を過ぎて田沢湖線に入ったあたりで景色は豪雪地帯に変わっていきます。3時間ぐらい乗車してるとこんなに景色が変わるので面白いです。

宇都宮付近で晴れと曇りの境界
福島付近
盛岡から田沢湖線内
田沢湖駅

定刻通り9:21着。田沢湖駅で降りました。駅前は積雪です。

たざわってまいりました…!

寒いです。

駅前

ダイナミックレールパックでは「指定列車以外に乗車時は、別途乗車券・特急券の購入が必要」ということなのでここで降りると切符は無効です。
勿体ないですが、1日目は冬の田沢湖でも見ようと思ってここで降りました。

駅前のバス停から事前にリサーチしておいたバスに乗ります。羽後交通の田沢湖一周線です。湖畔一周乗車券という観光向けの切符が駅舎内で購入できます。

田沢湖一周線のバスが駅前を発車するのは 10:45 なんですが、9:40 の乳頭蟹場温泉行きのバスだと先に田沢湖畔バス停まで行けるということをチケット売り場のお姉さんから聞いたので、それに乗ることにしました。一応観光はできるということと、暖をとれるところはある、という情報も得たのでとりあえず向かいます。
バスの時刻表もくれました。交通マニア系の人間と見た目で判断されたのかもしれません。いずれにせよ欲しかったので助かります。

降りたのは昔ながらのドライブイン風の田沢湖レストハウス前でした。御覧の通り雪がしっかり積もっており、道路を走る車はほとんどありません。ここで1時間ほど次のバスを待たないといけない訳ですが、折角来たのでその間に田沢湖を見に行くことにしました。

田沢湖レストハウス。駐車場に車はそれなりに止まっていますが人は全然いません。

道路を挟んで雪を掻きわけることで湖畔の遊歩道へ。ベンチにも雪が積もっており、一歩進むたびに足が20cmぐらい沈みます。スニーカーで来なくて大正解でした。スノーブーツは持ってなかったのでハイキング用のトレッキングブーツで来ましたがそれなりには浸水は防げて機能しました。でも滑ります。

湖畔の遊歩道

霧雪で湖の景色はほとんど見えません。冬のシーズンは当然ながら遊覧船も営業していません。

田沢湖の看板
遊覧船乗り場の小屋の横の某クマさんのボート

同じところにいても仕方ないので、Google Map 片手に周辺のスポットを適当に探して歩いてみました。まずは辰子観音像です。前もって調べた情報では湖の上にあると思っていましたが、こんなところにもあるんですね。看板も像もしっかり埋まってて見えませんでした。

辰子観音像

田沢湖白浜展望台とかにも行ってみましたが、何にも見えないのと、木に積もった雪がただただ落ちてくるのでレストハウスに引き返しました。
途中何度か地元の人の車や除雪車とすれ違いましたが、オフシーズンの雪の日に道路を歩いてるような頭のおかしい観光客、もしくは自殺願望を抱える不審者にしか思われなかったと思います。

田沢湖レストハウスに戻って適当にお土産でも物色して時間をつぶしました。とはいえ、まだまだ旅行の序盤ですので買い込むようなことはしません。秋田県のキーホルダーとご当地ちいかわキーホルダーと、行動食にチョコレートを購入して、ストーブの置いてある近くの椅子に座って時間をつぶします。
この天気なのでほかに客はいません。

店内の風景

15分くらいスマホ触ってこの後の予定や時刻表を確認して、バスのやってくる時刻3分前ぐらいに待合所まで出てきました。寒い。

田沢湖湖畔バス停

でかい犬小屋みたいなバス停の前をウロウロしますが、定刻から5分ほど遅れてやってきました。寒い中待たされるのはつらいよー。救世主です。

車内はそれなりには観光の乗車客がいるようですが、それでも5グループほどなのでガラガラでした。20代~30代くらいの若い層がメインでした。自分もその層なんですけども。

バスに乗って20分ぐらい経つと、潟尻というバス停に止まります。他にもバス停はありますけども観光客は誰もおりません。途中の大沢というバス停で一人乗車されてきた方はいましたがその人も観光目的のようでした。
ここでは20分の休憩時間という名目で、観光する時間がとられます。20分間バスの車内で座ってることも可能ですが、そんなことをしている人は誰もいませんでした。運転士の方も乗客の降車を確認した後、チェーンの取り外しを始めました。

潟尻バス停

ここでの見どころは「たつこ像」と漢槎宮(浮木神社)です。「たつこ像」が一番有名かもしれません。
その昔、永遠の若さと美貌を求めて泉の水を飲みまくり龍の姿になった辰子という娘がおり、湖の底に沈んで主として暮らすようになったという伝説があるらしいです。その伝説をモチーフに舟越保武という彫刻家の方がこのブロンズ像を制作したらしいです。
このスポットにカップルで訪れると別れるという噂があるらしいです。私は一人で来ているのでノーダメージでございます。

たつこ像。雪被ってていい感じには撮れませんでした。
漢槎宮(浮木神社)

乗客が全員戻って 11:35 に潟尻バス停を定刻通りに出発し、次は御座の石バス停に向けて走ります。このころから朝の雪が嘘のように天気が良くなってきました。

田沢湖

御座の石バス停では10分しか散策時間がありませんので、さっさと写真を撮って撤収しなければなりません。観光するには結構忙しいですが、バスの本数的に、次のバスで帰ろう、みたいなことはできません。

御座石神社
御座石神社 鳥居
御座の石バス停

忙しなく回った後は、あとは田沢湖駅前に向けてそのまま走ります。途中下車も乗車もなく乗客全員駅まで向かいました。

田沢湖駅に着いたのは 12:20 頃でした。田沢湖線の大曲方面の普通列車が 12:00 に出るのですが、走っても間に合わないので諦めて田沢湖駅前でランチにして新幹線で特定特急券買って角館まで行くことに来ました。駅前にはいくつか飲食店がありますが、「みずうみ」さんに入りました。

みずうみ
店内
きりたんぽ稲庭うどん

食後、駅の NewDays で何か買おうと思いましたが残念ながら昼休憩のため閉まっていました…。

田沢湖駅 13:10 発のこまち17号で角館まで1駅移動します。こまちは全車指定席ですが、盛岡~秋田間は特定特急券を買うことで普通車に限り空いてる席に座れます。
土曜でしたがガラガラだったので選び放題です。車内は暖かくて眠たくなりますが一駅なので耐えます。

こまち17号
角館駅

角館駅からは秋田内陸線に乗り換えます。片道全線利用での途中駅で1回に限り下車できる片道寄り道きっぷは窓口で購入しました。
角館から鷹巣まで、途中の阿仁合駅で鉄印購入のために一度下車するためにはこの切符を購入しておくのが楽そうです。

AN-8800形気動車

乗客は私以外は全員地元の人でした。乗り鉄マニアっぽい人は他には誰もおらず、そういう人たちは急行もりよし号とかに乗っているはずです。

角館から2時間半ほどの旅です。

沿線は完全に銀世界です。かなり風光明媚でいい写真が撮れますが、動いてる列車からなのでタイミングは難しいですね。
沿線には集落がまばらにあるという感じで沿線人口も少ないので、経営が厳しそうな路線というのを実感します。

途中の阿仁合駅では 7 分停車です。反対方向の角館行き急行もりよし号と入れ替えのために停車時間が長めです。
この停車時間の間に阿仁合駅の窓口まで行って鉄印を購入しました。時間的に売店を一通りみるぐらいの余裕はありました。一応改札を通るときに切符の掲示を求められるので、その時に片道寄り道切符を出します。

阿仁合駅

やや早歩きで車内に戻り、再び北上します。車内は私のほかには乗客が一人だけおりましたが、途中駅で降りていかれましたためついに私一人になりました。
ただ、鷹巣駅まで近づいてくると北秋田市の住民の利用が若干増えてきたので終点まで完全に一人というわけではありませんでした。

車内の様子

16:20 に鷹巣駅着。終点の鷹巣駅はJRと接続しており、秋田内陸縦貫鉄道の駅が「鷹巣駅」で、JR奥羽本線の駅が「鷹ノ巣駅」となっております。改札はそれぞれ別ですが、ホームは繋がっており対面乗り換えが可能な構造にはなっています。

鷹巣駅

秋田方面行の電車は 16:51 まで来ないので、その間に駅前をブラブラしてみることにしました。知らない地方都市のアーケードとか商店街とかウロウロするのは結構好きなんですよね。
お腹が空いたのと手の乾燥があまりにひどかったので一番近いローソンまで行って引き返してきました。

鷹ノ巣駅前
C11 372号機が置いてありました。

秋田行きの電車は外も真っ暗ですし特に感慨も何もなく、701系ロングシートに揺られて 18:24 に秋田駅に到着です。
12/24なので秋田駅へ向かう中高生がかなり多かった印象です。お酒飲めるわけでもないのに繁華街へ出て何するんでしょうか。
まぁ目的無くても繁華街うろつきたくなる気持ちは分かりますけどね。

今日の宿は「中通温泉 こまちの湯 ドーミーイン秋田」です。1カ月前で滑り込み予約で確保しました。もう禁煙室は満室だったので喫煙室ですけどね。駅から徒歩5分程度、もうちょっとかかるぐらいの距離です。

全国旅行割適用の確認をしてチェックインした後は、夕食のために再び駅へ向かいました。駅ビルの「秋田比内地鶏や」で親子丼とハタハタ寿司をいただきました。

食後は適当に駅前を回ってコンビニで酒とつまみを買ってホテルに戻りました。途中で寝落ちしましたが、ドーミーインの大浴場は行きたかったので日付が変わる頃に入浴しました。足が延ばせる露天風呂あるのはやっぱりいいですね。

次の日はリゾートしらかみ1号に乗る予定があるのでさっさと寝ました。

続くかも。


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