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ヴァージンVS過去・現在・未来15~ドンカマってなんじゃ?~

ヴァージンVS過去・現在・未来 15
〜最初のレコーディングから派生した、ちょっと寄り道に近いようなお話〜

「ドンカマ」ってなんじゃ~!

くぅ~、以前、愛宕山のNHK放送博物館で「ドンカマ」の実物写真を撮ったのに、スマホからもPCからも出てこんです!!
たしか、リズムパターンの1コ目が「ONDO」だったはず!!
もう一回行ってこますぞ!!(今でも調べ物には結構熱心)
あっ、いきなりガラが悪くてすみません。
関西にいたころ、学校帰りによく十三で降りてうどんなんか食べてたもので。
いや、十三の方々が全てガラが悪いといっているわけではないのですよ。

で、「ドンカマ」ですが、ようするに今でいう「クリック」です。
名前の由来は、京王技研(現コルグ)の「ドンカマチック」というリズムマシーン。
「ドン」というのはバスドラで、「カッ」というのはクラベスの音を表現したものとのこと。
この「クリック」音を、レコーディングする全員が聞きながら演奏するという事が、1978年?ごろから日常的になったみたいです。
最初はCM音楽の録音から導入されたようで、当時CM音楽の超売れっ子だった小林亜星さんのマネージャーをされていたOさんから後年、ドンカマを使ったのは私たちが最初だった、との話を伺いました。
なるほど、15秒、30秒といったCM枠の中で、きっちり音楽をはめ込むには、テンポを管理しなければなりません。
例えばテンポ120の曲を30秒の中に収めるには、60拍が必要ですが、4分の4の曲だと、15小節必要ということになります。しかし、15小節という中途半端な小節ではなんなので、これを16小節きっちりに演奏するためにはテンポを128にする必要があるわけです。
このテンポを全員が共有することによって、スムーズに事が運ぶ、イコール、スタジオ代が安くなるという事なわけですね。
それまでは、ドラムの方が「お父さん」だったのに、「ドンカマチック」のクリック音が「お父さん」になってしまった。

そのドンカマのクリック音を聞きながらのレコーディングが主流になるのですが、一番困ったのはドラムの方々でしょう。
それまではみんな自分のテンポに合わせてくれていたのに、クリック音に合わせるようになってしまい、ずいぶん勝手が違う事だったでしょう。

それはさておき、それまでのポップミュージックというのは、ある程度テンポが揺れて当たり前だったのに、初めから終いまで同じテンポにで演奏しなければならないというのはどういうことや!!
Tレックスの「スライダー」なんか聴いてみてください、始めと終わりのテンポがまるっきり違ってます。
あれは意図的にテンポを「スライド」させたのだろうか?うーむ、、、

でも、結果的にMC4などのシーケンサーでベーシックトラックを作り、その上に手弾きをダビングするという録音方法が主流になるのですから、クリックが入っていないと、かってのS &Gの「サウンド・オブ・サイレンス」のドラム、ベース、エレキ入りバージョンのように、リズムがオットット、アレアレ?になってしまいます。
高校生の時聴いて、なんか変やな~と思ってました。
クリック無しのアコギと歌だけのところへ、あとからリズム隊はめ込むって、米国音楽産業はものすごいな。
おまけに、あれはディラン様の「ライク・ア・ローリング・ストーン」のレコーディングリハの演奏メンバーだったらしい。
でも、「サウンド・オブ・サイレンス」は歴史的大ヒットしてますけどね。
もちろん、「ライク・ア・ローリング・ストーン」は史上、最も重要なロックソングです。
でも、途中オットットがありますが、あれはディラン様のせいですよね。

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